インク
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インク(ink)は顔料・染料を含んだ液体で、文字を書いたり表面に色付けするために用いられるものである。油性、水性、ジェルなどの種類がある。印刷で用いるものはインキ(オランダ語の Inkt に由来)と呼ぶ場合が多い。
今日では、ペンにつけるインクよりも、インクジェット・プリンターで使用されるインクの方が日常で触れる機会が多いかもしれない。
日本や中国で古くから使われている墨もインクの一種である。
近年はボールペンやプリンターなどで「水性顔料(染料)インク」が多用されている。従前のインクでは、油性は長時間未使用のまま保存するとインクが固まって使い物にならない、水性は保存には優れているが雨など水がかかってしまうと折角の作品も滲んでしまい、使い物にならないというケースが多かったが、そういった弱点を改善して、長期間の保存に適し、水にぬれても滲みにくいものになっている。また、手についても水洗いすれば簡単に落ちるなどといった利点を多く持っている。
インクジェットメーカー純正プリンター用のインクカートリッジは高価であるため、詰め替え用インクやリサイクルインクカートリッジを利用するユーザーも多いが、プリンターによっては、詰め替え用インクを使うことでプリンターを損傷させる事がある。又、詰め替えインクは、純正インクと違い中国など海外から安価な汎用インクを輸入し国内で専用インクとして、十数倍以上の価格で販売されている物が目立つ。
詰め替えインクの問題点として安価な輸入インクの為、純正とは、違う点。インクの詰まるトラブルが予測される点。詰め替えインクは、プリンターメーカーと無関係なインクである為、修理保証が効かない無保証インクである。※修理の場合保証期間内であっても有償修理となるデメリットがある[1]。
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[編集] プリンターにおけるインクの関係
詰め替えインク、リサイクルインク
プリンターメーカー製インクが高く、それと比べて詰め替えインクが安いとされた宣伝が多い。(純正が1色約1000円に対して詰め替えインク、リサイクルインクが約700円という商品もある)。
プリンターメーカーは、プリンターの本体を安く売り、インクで利益を回収せざるを得ない構図がある。しかし近年では、詰め替えインク、リサイクルインクを販売するメーカーが増えプリンターメーカーも頭を抱えている。
プリンターメーカーは、メーカー各社で以前から行なっているリサイクル活動の妨害対策として、郵政民営化と同時に、郵便局で使用済みインクカートリッジの回収を行なうよう呼びかけている。一部の間で郵便局に集められた使用済みのインクカートリッジが横流しされ販売されないか不安視する声も多い。
プリンターとは無関係な詰め替えインク、リサイクルインク業者が、中国製インクだけを過剰な利益率で売り代価を得る戦略をとる。
これは純正メーカーにとっては死活問題である。そういったこともあり、エプソン・キャノンがリサイクルインクメーカーエコリカに対して訴訟を起こした。
(大手リサイクルインクメーカー例:エコリカ、ジットなど)
(大手詰め替えインクメーカー例:エレコム、サンワサプライ、アクティス)
詰め替えインクの場合、一般小売店の相場は40mlあたり700円で買えるが、ネット通販では詰め替えインク30mlあたり700円以下が相場。ネット通販では100ml入りの詰め替えインクのボトルが約800円で購入出来るのが相場。 詰め替えインクを購入するにあたり複数の詰め替えインク店と内容量及び価格の比較は今や常識となっている。
● 詰め替えインクの価格(円)÷詰め替えインクの内容量(ml)=詰め替えインクのコスト(円) ※複数の詰め替えインク店と比較を行い選ぶ必要がある。
又、最近では、インク20ml入りの詰め替えインクが100円ショップでも購入出来る。
詰め替えインクは、同じ輸入先のインクであっても販売店の利幅の考え方により価格の差が激しい。このためインクの品質と販売価格が比例しない矛盾が広がっている。本来、経費削減専用のインクが詰め替えインクである。安く購入するには、インクの内容量と販売価格を比較して選ぶ事が絶対条件である。
詰め替えインクは、あくまでもプリンターメーカー非公認のインクであり、詰め替えインク業者の責任にて輸入販売されているインクである。又、詰め替えインクのトラブルによる責任は、詰め替えインク販売会社が全ての責任とる事となる。
消費者の中には黒の場合、詰め替えインク、万年筆用の極細微粒子のインク[2]をスポイトで注ぎ込んで代用するなどして更にランニング・コストを下げとしている人もいるが、メーカー側はこのような使用は推奨していない。
[編集] 消費者の懐疑
リサイクルインクメーカーによる再生インクは、純正品と大して変わらない値段で売られている場合もある。詰め替えインクやリサイクルインクがエコを販売戦略としてPRしている。しかし純正でないこうしたインク販売業者は、純正品以外の詰め替えをしない様に呼びかけているが、本当にエコを考えるならば再生品インクや互換インクであっても詰め替えを勧めるのが本来の姿のはずだと言う意見もある。詰め替えインクらは、その性能、仕入れ金額に対してあまりにも高値。 詰め替えインクは仕入れが安価な価格に対してあまりにも高値で販売されている実情。又、台湾や中国の輸入インクでありながらそれを明らかにしない不透明な表記多く見られる。
メーカー側は純正を使わない場合障害が出るなどを警告している。これに対し純正を使わない場合、統計的にどのような不具合が出るかなどの情報はあまり個々の消費者に提供されていないのが現状であり、ネットの情報を頼りに恐る恐るリスクとコスト削減を天秤にかけて試行錯誤している現状にある。
プリンターを使っている上で使用出来なくなる限界のインク量は実際のインク残量の限界ではない場合がある。ユーザーにとってはそれ以上使えないのだから交換するしか手段は無いが、実際の残量インクは十分に使える量である事もある。一部では満タンに対するインクの残量が1/3も残っていたという事もあった(下記のリンク参照)
[編集] 雑学
[編集] インクとインキ
日本の著名なドイツ語学者関口存男は、著書「関口・新ドイツ語の基礎」(ISBN 4384016786)の中で、ドイツ語発音"ch"の読み方の説明において、平行した例として「インクよりもインキが正しい」と記している。『たとえば英語のinkを、近頃の人は、正しいつもりでインクと言いますが、私たちの頃にはインキと言ったものです。kは[ク]だ、[キ]なんて変だ、などというなかれ、それは笑うほうがおかしい。インと言ったら、言った口は[イ]の恰好をしている。その恰好のままでkと喉の奥を弾いてごらんなさい、どうしたって[キ]みたいな音が出るじゃありませんか。それを、inと言った後に、わざわざ口恰好をuのように変えて、それから[ク]だなんて言うのは、だいいち英語の発音を知らない大馬鹿野郎のすることです。だから、[インク]は誤り、[インキ]が正しいのです。』(P21より引用。初稿は1947年(昭和22年)刊の「標準初等ドイツ語講座」。)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 印刷インキ工業連合会
- hp c6615d 25ml お前もかぁ~~
- PM-950Cのインクカートリッジを分解してみる
- Technobahn インクジェットプリンター、最悪の場合インクの64%は使われずに捨てられている
- 株式会社 インク エンターテインメント(パフォーミングアーツの会社)