アレクサンドル・ソクーロフ
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アレクサンドル・ニコラエヴィチ・ソクーロフ(ロシア語:Александр Николаевич Сокуровアリクサーンドル・ニカラーェヴィチ・サクーラフ;Aleksandr Nikolayevich Sokurov, 1951年6月14日 - )は、ソ連・ロシアのイルクーツク出身の映画監督である。ゴーリキー大学卒業後、モスクワ国立映画学校で学ぶ。1986年のペレストロイカまで、彼の作品は上映禁止の憂き目を見た。日本で彼の作品が公開されたのは、1992年になってからのことである。
[編集] 概要
1978年に制作した『孤独な声』がアンドレイ・タルコフスキー監督に高く評価され、レン・フィルム撮影所への推薦を受ける。
1995年に公開されたドキュメンタリー『精神の声』(こころのこえ)は、ロシアで初めてソ連のアフガニスタン侵攻を正面から扱った作品として注目を集めた。ソクーロフは戦争当時にある部隊に同行して撮影を行ったのであるが、彼の映画に登場するこの部隊は撮影後大規模な戦闘に巻き込まれ、ほぼ全滅したという。
2002年のサンクトペテルブルク建都400周年を記念して製作された『エルミタージュ幻想』では、ノンカットの長回し撮影法で注目された。
最新作は、2004年製作の大日本帝国の昭和天皇を主人公とした『太陽』である。主演となる昭和天皇役はイッセー尾形が演じた。ソクーロフはかねてより日本への関心を持っており、1996年の『オリエンタル・エレジー』、1997年の『穏やかな生活』でも日本を扱っている。2000年の『ドルチェ 優しく』 では作家島尾敏雄の妻島尾ミホの生きざまを描いた。
歴史上の重要人物を正面から扱う作品を製作することにも力を入れており、『太陽』の他に、権力者4部作としてアドルフ・ヒトラーを描いた『モレク神』、ウラジーミル・レーニンを描いた『牡牛座』を公開、最終章『ファウスト(仮題)』に取り組んでいる。
[編集] 監督作品
- エレジー Elegiya(1985)
- 孤独な声 Odinokiy golos chelovek (1987)
- モスクワ・エレジー Moskovskaya elegiya(1987)
- 日陽は静づかに発酵し・・・ Dni zatmeniya(1988)
- ペテルブルク・エレジー Peterburgskaya elegiya(1989)
- ソビエト・エレジー Prostaya elegiya(1989)
- セカンド・サークル Krug vtoroy (1990)
- ストーン/クリミアの亡霊 Kamen(1992)
- 静かなる一頁 Tikhiye stranitsy (1993)
- ロシアン・エレジー Elegiya iz Rossii(1993)
- 精神(こころ)の声 Dukhovnye golosa. Iz dnevnikov voyny. Povestvovanie v pyati chastyakh(1995)
- オリエンタル・エレジー Vostochnaya elegiya(1996)
- ロベール・幸せな人生 Robert. A Fortunate Life(1996)
- 穏やかな生活 Smirennaya zhizn (1997)
- マザー、サン Mat i syn (1997)
- モレク神 Molokh (1999)
- ドルチェ 優しく Dolce... (2000)
- 牡牛座 レーニンの肖像 Telets(2000)
- エルミタージュ幻想 Russkiy kovcheg (2002)
- ファザー、サン Otets i syn (2003)
- 太陽 Solntse (2005)
- ロストロポーヴィチ 人生の祭典 Elegiya zhizni. Rostropovich. Vishnevskaya. (2006)