アラン・トランメル
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アラン・トランメル(Alan Stuart Trammell , 1958年2月21日 - )はアメリカ・メジャーリーグデトロイト・タイガースで活躍した野球選手。 内野手(遊撃手)。右投右打。のちに監督。アメリカ合衆国カリフォルニア州ガーデングローブ出身。現役時代日本ではしばしば「トラメル」と表記された。
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[編集] 人物・来歴
デトロイト・タイガースに入団し、マイナーでのプレイの後、1977年9月9日にフェンウェイ・パークでのボストン・レッドソックスとのダブルヘッダー第2試合でメジャーデビュー。 長年にわたって二遊間の「キーストン・コンビ」を組むことになるルー・ウィテカーも同じ試合でデビューを果たした。 フルシーズン一年目の1978年には139試合に出場。新人王をとったのはウィテカーであった。 1980年には打率.300を記録して初のオールスター出場を果たす。守備力にも優れ、この年初のゴールドグラブ賞を受賞。遊撃手という名手揃いのポジションにあって、以後通算4回同賞を獲得する。 その後二年続けて打率.258の不振に終わったが、1983年には.319を打ち、初の二ケタ本塁打(14)、自己最多の30盗塁を記録し、ア・リーグカムバック賞を受賞。
そして1984年にはチームは最初の40試合で35勝(メジャー記録)をあげ、その勢いで地区優勝を果たす。 トランメル自身も打率.314を記録。カンザスシティ・ロイヤルズとのチャンピオンシップシリーズ(この年まで3回戦制)では打率.364、1本塁打、1三塁打をマークしチームは3連勝してワールドシリーズに進出。 サンディエゴ・パドレスとのワールドシリーズではトランメルは20打数9安打、打率.450を打ち、チームは4勝1敗でワールドチャンピオンに輝き、トランメルはシリーズMVPに選ばれた。
1986年には初の20本塁打(21本)を打つ。この年タイガースの内野陣は一塁ダリル・エバンス、二塁ウィテカー、三塁ダネル・コールズ(のち中日・阪神)、遊撃トランメルと内野手全員が20本塁打を打つ。 その年のオフに四番・捕手のランス・パリッシュがフリーエージェント(FA)でフィラデルフィア・フィリーズに移籍。それまで主に二番を打っていたトランメルは、監督スパーキー・アンダーソンによって、1987年より四番で起用されることとなる。 その1987年には終盤首位のトロント・ブルージェイズを追い上げ、9月にはトランメルが18試合連続ヒットを含む打率.416、17打点と打ちまくり、チームは残り2試合で逆転し地区優勝を決める。 トランメル自身も打率.343、28本塁打、105打点、200安打の大活躍。タイガースの選手で200安打と100打点を同じ年にマークしたのはアメリカ野球殿堂入りした大先輩アル・ケーライン(1955年)以来32年ぶりであった。 MVP投票でもジョージ・ベル(ブルージェイズ)に次ぐ2位の高得票を得た。
1991年以後は膝・肘の故障に悩み、1992年には29試合の出場に終わる。1996年限りで現役を引退。引退後はマイナーのコーチとなり、1999年にタイガースの打撃コーチに就任。 2000年から2002年にはパドレスの一塁ベースコーチを務め、2003年から2005年にはタイガースの監督を務めた。 初年度の2003年は、メッツ(1962年の120敗)のメジャーワースト記録の更新かと思われるほどのペースで敗れたが、何とか免れるものもア・リーグのワーストレコードとなる119敗を喫する。 2004年には71勝91敗、2005年は72勝90敗に終わり、3年間合計で300敗を喫した。 2005年10月3日に解任され、後に就任したジム・リーランドのもと、タイガースは翌2006年にワールドシリーズ進出を果たす。 しかしファンからの支持は高く、2006年10月の試合時にコメリカ・パークを埋めたファンからスタンディング・オベーションを受けている。 2007年はシカゴ・カブスのベンチコーチ(日本のプロ野球でいうヘッドコーチに相当)に就任。
現役時代の背番号「3」は、トランメルの引退後長らく欠番となっていたが、2007年にニューヨーク・ヤンキースより移籍したゲイリー・シェフィールドが、トランメルの希望によってつけている。
[編集] 受賞歴・記録
[編集] 年度別打撃成績
年 | 球団 | 試合 | 打数 | 得点 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 打点 | 塁打 | 四球 | 三振 | 盗塁 | 打率 |
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1977年 | DET | 19 | 43 | 6 | 8 | 0 | 0 | 0 | 0 | 8 | 4 | 12 | 0 | .186 |
1978年 | DET | 139 | 448 | 49 | 120 | 14 | 6 | 2 | 34 | 152 | 45 | 56 | 3 | .268 |
1979年 | DET | 142 | 460 | 68 | 127 | 11 | 4 | 6 | 50 | 164 | 43 | 55 | 17 | .276 |
1980年 | DET | 146 | 560 | 107 | 168 | 21 | 5 | 9 | 65 | 226 | 69 | 63 | 12 | .300 |
1981年 | DET | 105 | 392 | 52 | 101 | 15 | 3 | 2 | 31 | 128 | 49 | 31 | 10 | .258 |
1982年 | DET | 157 | 489 | 66 | 126 | 34 | 3 | 9 | 57 | 193 | 52 | 47 | 19 | .258 |
1983年 | DET | 142 | 505 | 83 | 161 | 31 | 2 | 14 | 66 | 238 | 57 | 64 | 30 | .319 |
1984年 | DET | 139 | 555 | 85 | 174 | 34 | 5 | 14 | 69 | 260 | 60 | 63 | 19 | .314 |
1985年 | DET | 149 | 605 | 79 | 156 | 21 | 7 | 13 | 57 | 230 | 50 | 71 | 14 | .258 |
1986年 | DET | 151 | 574 | 107 | 159 | 33 | 7 | 21 | 75 | 269 | 59 | 57 | 25 | .277 |
1987年 | DET | 151 | 597 | 109 | 205 | 34 | 3 | 28 | 105 | 329 | 60 | 47 | 21 | .343 |
1988年 | DET | 128 | 466 | 73 | 145 | 24 | 1 | 15 | 69 | 216 | 46 | 46 | 7 | .311 |
1989年 | DET | 121 | 449 | 54 | 109 | 20 | 3 | 5 | 43 | 150 | 45 | 45 | 10 | .243 |
1990年 | DET | 146 | 559 | 71 | 170 | 37 | 1 | 14 | 89 | 251 | 68 | 55 | 12 | .304 |
1991年 | DET | 101 | 375 | 57 | 93 | 20 | 0 | 9 | 55 | 140 | 37 | 39 | 11 | .248 |
1992年 | DET | 29 | 102 | 11 | 28 | 7 | 1 | 1 | 11 | 40 | 15 | 4 | 2 | .275 |
1993年 | DET | 112 | 401 | 72 | 132 | 25 | 3 | 12 | 60 | 199 | 38 | 38 | 12 | .329 |
1994年 | DET | 76 | 292 | 38 | 78 | 17 | 1 | 8 | 28 | 121 | 16 | 35 | 3 | .267 |
1995年 | DET | 74 | 223 | 28 | 60 | 12 | 0 | 2 | 23 | 78 | 27 | 19 | 3 | .269 |
1996年 | DET | 66 | 193 | 16 | 45 | 2 | 0 | 1 | 16 | 50 | 10 | 27 | 6 | .233 |
通算 | 20年 | 2293 | 8288 | 1231 | 2365 | 412 | 55 | 185 | 1003 | 3442 | 850 | 874 | 236 | .285 |
[編集] エピソード
- トランメルとウィテカーは通算1,918試合に共に出場している。これは、ポジションを問わず、特定の二選手が同じ試合に出場した数としては、ア・リーグ記録である。
- この両者が完成させた併殺は、二塁・遊撃のコンビとしてはメジャー史上最多である。
- 1988年6月21日のヤンキース戦で、3-6とリードされていた9回裏に逆転サヨナラ満塁本塁打を打つ。タイガースはこの試合をはさんで3試合連続でヤンキースにサヨナラ勝ちを収め、サヨナラ負け連続3試合目の翌日、ヤンキースはジョージ・スタインブレナーオーナーがビリー・マーチン監督を解任。5度目にして最後の解任となった。
[編集] 外部リンク
- 監督の通算成績と情報 Baseball-reference.com
- 選手の通算成績と情報 Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube
獲得タイトル・表彰 | |||||||
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1 ルー・ウィテカー / 3 アラン・トランメル / 8 マーティ・カスティーヨ / 13 ランス・パリッシュ / 14 デーブ・バーグマン / 15 ラスティー・カンツ / 16 トム・ブルッケンス / 17 ビル・シェラー / 20 ハワード・ジョンソン / 21 ウィリー・ヘルナンデス / 23 カーク・ギブソン / 27 バーバロ・ガーベイ / 29 アウレリオ・ロペス / 30 ジョニー・グラッブ / 31 ラリー・ハーンドン / 32 ルパート・ジョーンズ / 34 チェット・レモン / 39 ミルト・ウィルコックス / 40 ダグ・ベア / 41 ダレル・エバンス / 46 ダン・ペトリ / 47 ジャック・モリス 監督 スパーキー・アンダーソン |