アラバスタ王国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
アラバスタ王国（アラバスタおうこく）は、尾田栄一郎作の漫画『ONE PIECE』および、それを原作とするテレビアニメ『ワンピース』に登場する架空の王国である。
注意：以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] 概要
偉大なる航路上のサンディ島にある砂の王国で、首都はアルバーナ。王位継承と共に密かに継承される歴史の本文（ポーネグリフ）には古代兵器「プルトン」の在処が記されており、それを知ったサー・クロコダイルは、「プルトン」を得るために「作戦名“ユートピア”」と称した壮大な作戦を秘密裏に決行する。
B・Wによって国を奪われる危機に直面したが、麦わら海賊団の力[1]を借りて絶体絶命の危機を脱し、その後まもなく活気を取り戻す。ログがたまる期間は5日以内で、次の島は秋島を指す。
[編集] 地理
[編集] 街
- アルバーナ
- アラバスタ王国の首都にして、国内最大の都市。
- 大きな円状の台地の上に建設された都市で、アルバーナ宮殿を起点に、東西南北の4ブロックに区画分けされている。街に入るための門が、西・西南・南・東南・東の計5つある。
- アルバーナ宮殿
- ネフェルタリ一族をはじめ、政府・国王軍関係者が住んでいる宮殿。アルバーナ市街地を見渡せる位置にあり、巨大で高い城壁に囲まれている。宮殿前の広場で、反乱軍と国王軍の激闘が繰り広げられた。
- 葬祭殿
- アルバーナ宮殿の西に存在する、王家の墓。隠し階段から地下聖殿へと進むことが出来、そこには古代兵器「プルトン」の在所が記された「歴史の本文」が安置されている。侵入者を拒む為か、小さな柱を1つ抜くだけで、全ての重心がずれて崩壊する仕組みになっている。ルフィとサー･クロコダイルの最終決戦が行われた場所。
- ポルカ通り
- 南ブロックにある。サンジとMr.2ボン・クレーが戦った場所。
- メディ議事堂
- 北ブロックにある。この議事堂の裏通りで、ナミとミス・ダブルフィンガー、表通りでゾロとMr.1がそれぞれ戦った。
- レインベース
- 夢の町。国が反乱騒動で揺れている時も、よそ事の様に賑わいを見せていたギャンブルの街。反乱騒動が治まった後街の住人達はアラバスタ復興の為各地に散っていきカジノもしばらく休業になった。
- レインディナーズ
- サー・クロコダイルが経営し、ミス・オールサンデーが支配人を務めるカジノで、レインベースでは最大の規模を誇った。地下にはクロコダイルの秘密基地があり、B・Wのオフィサー・エージェントが集い、“ユートピア作戦”の打ち合わせが行われた。ちなみに政府関係者は立ち入り禁止。
- ナノハナ
- 港町。アラバスタ王国の正面玄関の役割を担っており、航海で訪れた者は大抵この街から上陸する（ルフィ達、Mr.3、エースは、いずれもナノハナに立ち寄っている）。また、特産品として香水が有名。
- カトレア
- オアシスから発展した街。ナノハナの隣に位置し、ナノハナへの水の供給を行っている。首都アルバーナへも比較的近く、ユバを捨てた反乱軍の新しい拠点となった。
- エルマル
- 緑の町。サンドラ河の下流に位置する街。サンドラ河の勢いが衰えて以降、水が不足していたが、それでも稀に降る雨水を確実に保つことで、街は何とか保たれていた。しかし、ダンスパウダーによる旱魃が起きるようになってからは街は決定的に枯れてしまい、現在は人も住んでいない模様。また、ロビンの台詞から「タフ大聖堂」なる建造物が存在することが解っているが、詳細は不明。
- スパイダーズカフェ
- エルマルの西に位置する、ポーラ（ミス・ダブルフィンガー）が経営するカフェ。外見のモデルは映画『バグダッド・カフェ』に登場する店。
- ユバ
- かつては無人のオアシスだったが、アラバスタ西部において旅人や商人の行き交う交差点であった為、国王コブラの要請を受けたトト率いる開拓団によって街が築かれ、以後発展を遂げた。
- 反乱軍の拠点でもあったが、雨が降らなくなって以降街も衰退し、更にはクロコダイルによる度重なる砂嵐の襲撃に見舞われる様になり、反乱軍も拠点をカトレアへと移した。ユバを訪れたルフィ達は、エルマルとそう変わらない街の状況に驚いたが、街に残ったトトは一晩かけて水を掘り出し、まだオアシスが枯れていないことを証明してみせた。
- 反乱終結後、トト親子達によって再建される。
- 温泉島へとつながるトンネルがある。
- タマリスク
- アラバスタ王国の東に位置し、多くの四角い塔が存在する港町。この街の沖で、アラバスタ王国から脱出を図る麦わら海賊団と、海軍本部大佐「黒檻のヒナ」率いる黒槍部隊との戦闘が行われた。
[編集] 人物
- 人物名の横の（）内はテレビアニメにおける声優名である。
[編集] 王族
- ネフェルタリ・ビビ（渡辺美佐）
- アラバスタ王国王女。砂砂団副リーダー。元麦わら海賊団船員。
- ネフェルタリ・コブラ（家弓家正）/（PS2&GC版）『グラバト!RUSH』（徳山靖彦）
- アラバスタ王国第十二代国王で、ビビの父親。
- 平時は平和主義者であるが、国家の敵が判然とするやいなや戦争を即決するという強行的な一面も見せる。他国でも有名な賢王であり、仇敵であるクロコダイルにも"王様の鏡"と評された。妻である王妃ネフェルタリ・ティティは既に他界している。
- 娘のビビの成長を幼少の頃より見守っており、少々度を越した親バカな一面も見せる（ビビの後をつけるイガラムを尾行したり、ビビを襲おうとした悪党をのしたりするなど）。
- また、ビビの為を思い、ビビを叩いたペルに対してもイガラムとは違い寛大に見るなど、人を見る目は作中でも顕著な人物。必殺技はキングチョップ。名ゼリフ・自らの信念は「国とは人」。
- 名前の由来はコブラ。
- ネフェルタリ・ティティ
- アラバスタ王国王妃。
- 故人。コブラの妻であり、ビビの母親。名前は、『ONE PIECE BLUE』から。
[編集] アラバスタ王国護衛隊
- イガラム（園部啓一）
- アラバスタ王国護衛隊長。
- ラッパのようなショットガンを使う。基本の服装は黒タキシードに蝶ネクタイ。
- ちくわのような巻き髪[2]が特徴的で、ルフィからは「ちくわのおっさん」と呼ばれた。声がよく枯れ、そのたびに「マーマーマー♪」と発声練習をする。ビビと共に「Mr.8」としてB・Wに潜入した。
- 自分達の正体が露見した後、囮になるためビビに変装しアラバスタへと舵を取った矢先、B・Wによって船ごと爆破されてしまう。この際に亡くなったと思われていたが、アラバスタ編後期で無事に姿を現した。娘思いかつ親バカな国王に、怒声を上げたり「アンタ」呼ばわりするなど厳しいツッコミを入れられる唯一の人物だが、妻のテラコッタには頭が上がらない恐妻家。劇場版には未登場となっているが、実は劇中に（ごく僅かだが）1回だけ出演している。
- チャカ（ジャッカルのチャカ）（植村喜八郎）
- アラバスタ王国護衛隊副官。
- 動物系悪魔の実「イヌイヌの実（モデル”ジャッカル”）」の能力者で、白兵戦では剣術と悪魔の実の能力を合わせて速攻で敵を仕留める戦法を取る。
- イガラム不在時に隊長代理を務め、反乱軍との戦闘では国王軍を指揮した。必殺技は「鳴牙（なりきば）」。
- ペル（ハヤブサのペル）（野島健児）
- アラバスタ王国護衛隊副官。
- 動物系悪魔の実「トリトリの実（モデル“隼（ファルコン）”）」の能力者。
- アラバスタ最強の戦士と呼ばれ、能力を生かして偵察任務や戦闘でガトリング銃を使い活躍する。時計台に仕掛けられた時限式砲弾を爆発前に空高く持っていき、爆発の犠牲となったと思われていたが、満身創痍になりながらも奇跡の生還を果たす。
- しかし、世間では「死んだ」事にされてしまう[3]。表紙連載に登場した際、胸に大きな傷が残っているのが確認される。その後、表紙連載にビビ達と一緒にうっかり温泉島に行くのが確認され、そこからは王宮に戻ってきている。また、彼はルフィ達の懸賞金をイガラムと一緒に見ていた。必殺技は「飛爪（とびつめ）」。
- なぜかアニメ・原作では完全な鳥状態（手は翼に足は爪になった）に対し映画では手足がある。
- モデルはクロウ/飛翔伝説 白塗りのピエロ風メイク
[編集] ツメゲリ部隊
アラバスタ王国エリート護衛団。以下の四名から成る。「豪水」を飲んで一時の力を得るが、サー・クロコダイルには相手にもされないまま死亡した。
- ヒョウタ（鈴木貴宏）
- 無精ひげと身の丈ほどもある巨大な剣が特徴。
- ブラーム（高崎拓郎）
- 前髪が長くて目が隠れている男。両手に持った長い斧で戦う。
- アロー（藤原勝也）
- 長身痩躯の細面の男。左利きであり、剣を使う。
- バレル
- 目の下を隈取っている男。両手の斧で戦う。
[編集] 超カルガモ部隊
隊員は、以下の7羽（マツゲは志願中）。B・Wとの闘いでは、麦わら海賊団とビビを運んだ。
- カルー（粗忽屋（平田広明））
- 超カルガモ（アラバスタ最速の動物。豹をもしのぐ脚力を持つらしい）。食事の際に歯が出ることが特異なことだが、カルーのほかにも「超」が付く鳥類は歯がある。
- ビビのお供にして、超カルガモ部隊の隊長。元麦わら海賊団船員。多少ボケていて臆病な性格だが、いざというときは自身を盾にしてビビを守り抜く。B・Wとの激闘の後、ビビを手伝っているものと思われる。
- カウボーイ
- 名前のとおり、カウボーイハットを被っている。名前の由来はカウボーイ。
- バーボンJr
- ハットとサングラスを着け、いつもボトルを首から下げている。たまにグビグビ飲むらしい。
- ケンタロウス
- 葉巻をくわえて、ギリシア風の兜を被っている。名前の由来はケンタウロス。
- ヒコイチ
- 傘と蓑を身に纏っている。
- ストンプ
- キャップを後ろ前に被っている。
- イワンX
- 超カルガモ部隊の中で最も体が大きい。二本角の兜を被っている。
- マツゲ（粗忽屋東品川店（山口勝平））
- ナミ命名のラクダ。
- ユバに向かう途中でルフィ達と出会い、後に行動を共にする。女（メス）好きのエロい性格で、「男は乗せねぇ派」[4]。内乱が終わった後から、超カルガモ部隊に入隊する。名前の由来はまつ毛。
[編集] 侍女
- テラコッタ（園部啓一）
- アラバスタ宮殿の給仕長で、イガラムの妻。
- 似たもの同士にも程があるほど夫に酷似[5]。
- 夫のイガラムは無論、国王からも怖れられている程の豪快な性格。給仕歴は30年で、料理の上手さには定評がある。劇場版では、そういった場面が綺麗にカットされており、また夫のイガラムが劇中未登場のため、立志式の際に変装してアルバーナに姿を見せるという、本来なら夫が担当するはずの場面を、代役という形で見事にこなしている。
- メイディ（陰山真寿美・アニメ版）（川嶋あい・劇場版）
- アラバスタ王国の王室付き侍女。
- 立志式の際にビビの召し替えを行った。
[編集] 反乱軍関係者
- コーザ（草尾毅） 少年期；（進藤尚美）
- 反乱軍リーダー。
- 雨が降らない現状（子供時代・反乱軍入団前）と、ダンスパウダーの疑念（反乱軍入団前）が国への不信感に繋がり反乱軍を立ち起こす[6]。
- 子供の頃に結成した「砂砂団」のリーダーで、ビビの幼馴染でもある。平和が戻り、現在は父のトトらと共に、ユバの復興作業をしている。ビビ達と一緒にうっかり温泉島にも行ってる。コブラ王の無実を知った為、コブラへの不信感は解消された模様。目の傷は少年時代にビビを守ったときに付いた物。
- ケビ
- 反乱軍の一員（かつての「砂砂団」のメンバーで、コーザやビビとは幼馴染）。コーザの右腕。ゴーグルをかけている。
- おかめ
- 反乱軍の一員（かつての「砂砂団」のメンバーで、コーザやビビとは幼馴染）。赤い頬をした女。背中に刀を背負っている。名前の由来はおかめ。
- ナットー
- 反乱軍の一員（かつての「砂砂団」のメンバーで、コーザやビビとは幼馴染）。名前の由来は納豆。
- ファラフラ
- 反乱軍の一員（コーザの側近）。コーザを庇い、右肩・右手を失う。名前の由来はフォアグラ。
- エリック
- 反乱軍の一員でコーザの参謀的存在。元々はエルマルの隣にあった水が枯れた町「スイレン」のガキ大将。
- アニメオリジナルで同名のキャラが存在するが関係性は皆無である。
- カッパ（野田順子）
- ナノハナに住む靴磨きの少年。
- 反乱軍入りを嘆願していたが、コーザに拒否される。その後、国王に扮していたMr.2ボン・クレーが変身を解くところを目撃してしまったため、Mr.1ペアから口封じの為に大怪我を負わされる。アラバスタ内乱が治まった後、イガラムに連れられてアルバーナに赴き、国王が偽者であったことを証言した。名前の由来は河童。
[編集] ユバ
- トト（塚田正昭）
- コーザの父親で、西のオアシス「ユバ」を開拓した人。
- アラバスタ内乱の際も、国王を信頼し続け、独りでユバに残り続けていた。妻はアスワ。現在は痩せ細っているが、昔は恰幅の良い姿をしていた。ルフィからは「カラカラのおっさん」と呼ばれていた。
- アスワ
- トトの妻でコーザの母。眼鏡をかけている。
- ハサミ
- ナミ命名の「ヒッコシクラブ」という種のカニ。
- マツゲの友達で、そのためか性格はエロい。特に踊り娘が好きで、一目見れば走る速度も上がる。現在は「うっかり温泉島」への海底バスを運行している。名前の由来はハサミ。
- ゴロー
- ONE PIECEの登場人物一覧#表紙連載参照。
- ゲダツ
- ゲダツを参照。
[編集] レインディナーズ
経営者がサー・クロコダイル（Mr.0）で支配人がニコ・ロビン（ミス・オールサンデー）。
- ウルトラキング
- レインディナーズ副支配人。経営者が誰なのかも知らなかった。
- 名前は、『ONE PIECE BLUE』から。
[編集] 暴力団コアラ組
レインディナーズに雇われた警備員。名前は『ONE PIECE BLUE』で判明。
[編集] バロック・ワークス
レインディナーズのあるレインベース（夢の町）やスパイダーズカフェのあるエルマル（緑の町）を拠点としていた。
詳細はバロック・ワークスを参照
[編集] 砂商団アゴトギ
- アゴトギ
- 砂商団アゴトギ頭。
- 名前は、『ONE PIECE BLUE』から。
[編集] その他
- ヨシモトさん
- ナノハナのメシ屋Spice beanの店長。ルフィ曰く料理はおいしいらしい。ルフィ達が原因で店に大穴が空き、食い逃げ（ルフィ、エース）された不幸な人。
- Dr.ホウ
- アラバスタの医師の老人。チョッパーの薬の調合術を絶賛し、チョッパーにお茶を勧められながら薬の調合を見学した。名前の由来は感心するときの「ほう」から。
- Dr.ポツーン
- 砂漠に住んでいる中年の医者。砂漠で見つけたペルを治療した。名前の由来は「ポツーン」と一人で暮らしていることから。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
|
|
|
|---|---|
| 作品内容 | アニメ - 倒せ!海賊ギャンザック - 麦わら劇場 - ワンピース時代劇 - チョッパーマン - CROSS EPOCH - ROMANCE DAWN |
| アニメ映画 | 第1作 - 第2作 - 第3作 - 第4作 - 第5作 - 第6作 - 第7作 - 第8作 - 第9作 |
| 用語 | 用語一覧 | 悪魔の実 - ゴーイングメリー号 - サウザンドサニー号 |
| 人物･地理･年表 | 人物一覧 - ビビ | アラバスタ王国 - 空島 - ウォーターセブン - スリラーバーク | 作品中の年表 |
| 世界政府 | 海軍一覧 - CP | スモーカー - ジャンゴ - コビー - モーガン |
| 海賊 | 海賊一覧 - BW | バギー - クロ - クリーク - はっちゃん |
| 麦わら海賊団 | ルフィ - ゾロ - ナミ - ウソップ - サンジ - チョッパー - ロビン - フランキー - ブルック |
