アストロノータス
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?アストロノータス | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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アストロノータス Astronotus ocellatus |
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Astronotus ocellatus (Agassiz, 1831) |
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英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Oscar |
アストロノータス Astronotus ocellatus は、スズキ目・シクリッド科に分類される魚の一種。いわゆるアメリカン・シクリッドの一種で、熱帯魚として人気がある。
「アストロノータス」という呼称は属名 Astronotus に由来する。アストロノータス属は A. crassipinnis と A. ocellatus の2種類が知られるが、熱帯魚愛好家の間では一般に A. ocellatus の方を扱う。学名をそのまま読んでアストロノータス・オセレータス(「アストロノートゥス・オケラトゥス」など類似の呼称もあり)、または英名からオスカー(Oscar)とも呼ばれる。
目次 |
[編集] 特徴
成魚の全長は40センチメートルに達し、シクリッドの中でも大型の部類に入る。最大で全長45.7センチメートル・体重1,580グラムの記録がある。体型は楕円形で側偏する。背びれと尻びれの後端は丸くて後方に伸び、尾びれも円い。口は上向きに大きく開き、下顎が前に突き出る。顎には細かい歯がある。
飼育個体では品種改良が行われ、様々な体色のものがいるが、野生個体は灰褐色 - 緑褐色の地に黒っぽい横しまが不規則に入る。尾びれのつけ根に鮮やかな橙色で縁取られた黒い目玉模様があり、これは目を狙って襲ってくる水鳥などの天敵を欺き、頭部を守るための適応と考えられる。他にも体側から腹部にかけて橙色の模様があるが、これは個体差や地域差が大きい。
アマゾン川流域を中心とした南アメリカ北部に分布し、湖や池、流れの緩い川に生息する。
食性は肉食性で、小魚、貝類、甲殻類、昆虫類などの小動物を貪欲に捕食する。口に入る大きさの動物は何でも食べ、水生生物のみならず水面に落ちた動物も積極的に捕食する。
繁殖の際は、水底の砂泥を口で掘ってすり鉢状の巣を作る。産卵・放精後もオスメスは巣に残り、卵と稚魚の世話をする。
[編集] 利用
アストロノータスは原産地では食用に漁獲されており、釣りの対象ともなっているが、原産地以外では専ら熱帯魚として流通する。
大きく成長するため、90センチメートル以上の大型水槽が必要である。また、水温も摂氏20-25度程度がよいが、アフリカン・シクリッドのようなpH調整は不要である。
性格は貪欲、攻撃的で、小さな魚と一緒に飼うと捕食してしまう。口に入らなくても自分より小さな魚は追い回して噛みつき、弱らせて死なすことが多いので小型魚とは混泳には適さない。反面、同サイズの中型魚や大型魚、底型魚とは混泳は成功しやすい。ただし、最近提唱されている『混泳は魚種と運4:6、絶対はない。』[要出典] 大型魚にも果敢に突っついたりもすることもあるので注意が必要。掃除などの目的で飼い主が水槽に手を入れると手に噛みついてきて、細かい歯による引っ掻き傷を負わせることもある。
その反面、丈夫で人懐こく、餌も動物質であれば特に選ばないので飼育自体は容易である。また、品種改良によってアルビノやロングフィンなどの品種も作出されている。
[編集] 近縁種
- Astronotus crassipinnis (Heckel, 1840)
- 全長は20cmほどで、A. ocellatus よりも小型である。アマゾン流域を中心とした南アメリカ北部に分布する。流通することは少ない。