RGSS
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RGSS (Ruby Game Scripting System)はオブジェクト指向言語 Ruby をベースとしたスクリプト言語である。現在はRPGツクールXPとRPGツクールVXに搭載されている。
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[編集] Ruby との違い
文法的には全く Ruby と同一である。
主に、スプライトの表示や音楽の演奏など、ゲームを作るうえで必要な機能が強化されている。
[編集] RGSS で新たに実装されたクラス・モジュール
- Audio モジュール
- Bitmap クラス
- Color クラス
- Font クラス
- Graphics モジュール
- Input モジュール
- Plane クラス
- Rect クラス
- RGSSError クラス
- RPG モジュール
- Sprite クラス
- Table クラス
- Tilemap クラス
- Tone クラス
- Viewport クラス
- Window クラス
[編集] 用途
RPGツクールXPのゲームプログラムは、基本的にすべて RGSS によるプログラム(スクリプト)で書かれている。
一般的にRPGツクールXPのユーザーは、その初期状態で与えられたプログラム(プリセットスクリプト)を改造して、イベントコマンドなどでは実現できないシステム等を構築するために RGSS を用いる。
ただし、プリセットスクリプトを全く使用せず、自分好みのゲームシステムのためのスクリプトを一から RGSS で組み上げることも十分可能である。また、RGSS 自体は RPG 作成に特化したものとはいえ、その他の種類のゲーム(アクションゲームなど)を作ることも、原理的には可能である。
具体的に例を挙げると、RGSS が搭載されていない以前のRPGツクールでは、文字の大きさを自由に変更したり、メニュー画面を自由に変更したり、HPが1京である敵を作ったりすることが気軽にはできなかった。イベントコマンドを駆使すれば出来ないこともなかったが、処理が複雑になり汎用性に欠けたのである。
しかし RGSS を使用すると、ゲームの土台となるデータ(スクリプト)から書き変えるため、あとは特別にイベントを呼び出すなどの必要がなくなった。結果的に、よりスムーズに製作ができるようになった。
現在、RGSS の自作スクリプトを公開しているサイトは多くあり、そのほとんどは「プリセットスクリプトに貼り付けるだけでOK」という手軽なものである。
なお、RPGツクールVXでも RGSS2 という機能が搭載されている。
[編集] RGSS の欠点
- 初心者だとエラーが起きても原因が分かりにくい。
- 以前のRPGツクールでも、イベントの組み方に起因するバグには原因が分かりづらいものがあった。しかしさらに RGSS の場合、命令などのスペルミスや、変数・オブジェクトのクラスの間違いなどからエラーが生まれる可能性もある。
- スクリプトを公開するサイトから、複数の自作スクリプトを採用すると、それらが競合してうまく作動しないことがある。
- 自作スクリプトを公開するサイトのスクリプトは、多くの場合、プリセットスクリプトで定義されたクラスメソッドの一部を再定義するような内容になっている。そのため、同じクラスやメソッドの関係する自作スクリプトを2つ以上採用すると、それぞれのスクリプトで想定されているものとは異なる性質をもつクラスやメソッドの存在のために、本来期待されていたスクリプトのはたらきが損なわれることがある。
- なお、この競合を避けるために、自作スクリプト内に新しい名前のメソッドを用いるスクリプト制作者もいる。既存のメソッドの再定義と、新しいメソッドの定義、どちらの方法も一長一短なので、公開されたスクリプトの導入時には留意せねばならない。
[編集] 関連
Rubyをベースとしたゲームライブラリが多々生まれている。
- Miyako
- MyGame
- Star Ruby