5'-リボヌクレオチド二ナトリウム
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5’-リボヌクレオチド二ナトリウム(5-ribonucleotide)とは化学調味料の一種でイノシン酸のナトリウム塩であるイノシン酸ナトリウムと、グアニル酸のナトリウム塩であるグアニル酸ナトリウムを主成分とした混合物である。核酸系調味料とも呼ばれる。
5-イノシン酸二ナトリウム塩(5'-IMP・2Na)はかつお節の旨味成分であり、5-グアニル酸二ナトリウム塩(5'-GMP・2Na)はシイタケの旨味成分である。リン酸の結合位置が違う2-、3-、5-があることが知られているが調味料として有用なのは5-だけである。
さとうきび等や、タピオカ、とうもろこしなどの澱粉から発酵法で生産されている。すなわち、増殖させた酵母のRNAを原料にして、アオカビのヌクレアーゼP1(EC. 3.1.30.1)を作用させて5'-GMPと5'-AMPの混合物にし、コウジ菌のAMPデアミナーゼで5'-AMPのみを5'-IMPに転換して酵素的に核酸系調味料を製造している[1]。このように、5'-IMPと5'-GMPとは工業的には混合物として製造され、多くの場合は混合物のままうま味調味料として利用されている。
現在の食品には重要な添加物であり、ラーメンなどスープの味が重要な食品にはほとんど入っている。
[編集] 出典
- ^ 一島英治、『酵素の化学』p183 ISBN 4-254-14555-1