鶴川 (山梨県)
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鶴川 | |
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山梨県上野原市西原字郷原 |
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水系 | 一級水系 相模川 |
種別 | |
延長 | 26.3 km |
水源の標高 | -- m |
平均流量 | -- m³/s |
流域面積 | 107.2 km² |
水源 | 山梨県北都留郡 小菅村長作 |
河口(合流先) | 相模川左岸 (上野原市松留地先) |
流域 | 山梨県 |
鶴川(つるかわ)は、山梨県北都留郡小菅村および上野原市を流れる相模川水系の河川。
目次 |
[編集] 地理
山梨県北都留郡小菅村字長作の鶴峠付近に広がる針葉樹林に源を発し、水源近くに開けた小菅村長作集落を抜けるとすぐに上野原市に入り、おおむね東南方向に流路を保ちながら
急峻な山間集落を縫うように流れており、周囲の豊かな水源林が迫り、各所から流れ出る沢を集めて流下し、深い渓谷を形成している。沿川ではこの綺麗な水を利用したわさび栽培などの農業が営まれている。
現在は概ね流域に沿って山梨県道18号上野原丹波山線が通っており、沿川住民の生活道路となっている。
[編集] 支流
- 小焼沢
- 無名沢
- 阿寺沢川
- 尾名手沢
- 仲間川
[編集] 生態系
沿川には豊かな水源林が護られており、沿川にはダムなどが造られていないことから水質汚濁や生息域分断などが起きておらず、近年の水質測定でも A類型(水道2級・水産1級)と比較的綺麗な水準に保たれている。
この綺麗な水に育まれ、魚類ではイワナ、ヤマメ、アマゴ、カジカなどの渓流魚やアユ、アブラハヤ、ウグイ、オイカワなどが、両生類ではモリアオガエルやハコネサンショウウオなどの生息が確認されている。また周辺ではキマダラルリツバメなどの希少昆虫をはじめとする小動物や、各種野鳥の生息地にもなっている。
[編集] 棡原地区
沿川の棡原(ゆずりはら)地区は、かつては長寿の里と呼ばれ、往時には山村集落として賑わった。 しかし近年は住民の高齢化が進み、また都市一極集中政策が続いていることもあって当地も過疎化を免れず、唯一の公共交通機関である富士急山梨バスの路線バスも採算悪化などから大幅減回され(2006年現在、毎日 5往復程度運行)、学童の送迎にスクールバスが運行されるなど生活に不便が生じている。
近年、東京都心に直通する通勤列車の便が大月市まで延長されたことなどを受け、下流の桂川流域には団地が造成されるなどの変化もあったが、一旦鶴川沿いに入るとかつての山村のままの里山的風景が残っており、関東近県にもかかわらず懐かしい風景が広がっていることからテレビ放送などで紹介されることもある。