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魔王物語物語 - Wikipedia

魔王物語物語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

『魔王物語物語(まおうものがたりものがたり)』は、RPGツクールXPで作成されたフリーウェアRPG。作者はてつ。略称は『まもも』

目次

[編集] 概要・ストーリー

舞台は「島」という呼称で知られる地域。主人公ヒマリは、「魔王物語」という未完の本の結末を求めて「島」を探索する事になる。

本作は「シンプルで楽しいRPG」を謳い文句としており、操作性や基本的なシステムなどは古典的かつオーソドックスなRPGである。ゲームは一貫してヒマリ=プレイヤーの視点で進み、自動挿入されるイベントの数は少なく、登場人物との会話シーンもゲームのボリュームに比べて少なめとなっている。オープニングはゲームの目的を示唆する極僅かな台詞が語られるのみで、プレイヤーは何のガイダンスも無しにネグラ(ゲーム進行の拠点となるマップ)の入り口に放り出されることになる。

本作はネフェシエルイストワールの影響を強く受けている事が、作者によって公言されている。全体的に必要以上の説明はなされず、ストーリーも断片的に得られる情報を頼りに全体像を少しずつ把握していく構成に、その一端が垣間見られる。また戦闘の難易度が非常に高く、「全滅履歴」というシステムが存在する事からも解るように、基本的に何度も全滅する事を前提とした調整がなされている。そのため、非常に不親切且つ理不尽とも言える設計になっているものの、徐々に広がっていく行動範囲やなんでも装備システム(後述)による幅広いカスタマイズ、その他様々な独自要素により強い中毒性が生まれており、公開後間もなくVectorのダウンロード数ランキングで上位に食い込む盛り上がりを見せている。

[編集] システム

表記は公式サイトに準ずる。

料理システム
手持ちのアイテムを合成し、別のアイテムを作り出すことのできるシステム。合成にはショップで売られているキッチンを自室に設置し、尚かつ作りたいアイテムのレシピを取得している必要がある。素材となるアイテムには入手可能な個数に限りのあるものも多く、レシピそのものも一定の期間内にしか入手できないものがあるなど、初回プレイ時のコンプリートはそれなりに困難となっている。
なんでも装備システム
メインキャラクター達は武器一つ、防具一つの装備枠の他に、三つの装備枠を持っている。ここには武器や防具、回復アイテムや、モンスターが落とす売却アイテムなど、文字通り「なんでも」装備する事が可能となっている。装備するアイテムによっては能力値の上昇だけでなく、スキルや特殊能力を身につける事も可能。更に、装備して戦闘を繰り返すことで上昇する「熟練度」というものも存在し、これを上昇させることで能力値の上昇幅を更に増やせるようになる。
装備の組み合わせの幅はほぼ無限大であり、あらゆる局面に於いて自由且つ柔軟に対応する事が可能になっている。
ビンの数だけしか回復アイテム持てないシステム
読んで字の如きシステム。ビンは「ガラスの欠片」というアイテムを三つ集め、ネグラ(冒険の拠点)で交換する事で手に入れる。ガラスの欠片は主に宝箱から手に入る他、各地にいるネグラの住人に話しかける事でも手に入る。
詰められる回復アイテムは「体力回復」と「気力回復」の二種類あり、ネグラ内の池などで無料で補充可能。前者は体力のみを全快する。後者は気力を全快すると共に少量の体力を回復し、一部のステータス異常を治療する効果も持つ。
家具のようなものシステム
ショップで購入する事によって自室に設置されるアイテム類が数種類存在する。これらを購入・設置することで部屋を彩ることも可能だが、寧ろそれらにより新たに生じるサブイベントなどによって、行動の幅を広げたり特殊なアイテムを手に入れるという意味合いが強い。
おもしろエンカウントシステム
タイムアタック!RPG(作者の以前の作品)の戦闘システムを発展改良させたもの。基本的な部分はいわゆるシンボルエンカウント(敵シンボルにある程度接近するとエンカウントと見なされる)だが、エンカウントするとその時点で接触した敵の位置がエンカウントした方向に固定され、戦闘開始まで数秒の猶予時間が与えられる。この猶予時間の間により多くの敵シンボルに接近することで、複数の敵を一度に相手にすることができる。この際の「敵の位置」は極めて重要であり、複数の敵と戦う際はなるべく同じ位置に纏めるように動くのが好ましい。
というのも、全ての武器、攻撃スキルにはこのゲーム独自のパラメータ「角度」が設定されているためである。このゲームの戦闘では、敵は主人公の回り360度の何処かの方向に配置されることになる。しかしスキルの持つ角度によって、その角度により決められた向きの範囲内に存在する敵全てに対しては制限無く巻き込んで攻撃する事が可能である。そのため、密集した敵に対しては強力な攻撃を叩き込む事で一気に撃破する事も可能となっている。
本作にはいわゆる「逃げる」コマンドが一切用意されていないため、闇雲に戦闘を避けるよりは、避けにくい敵は敢えて回避せず積極的に撃破し、場合によっては敵を一気に纏めて倒すのが、結果として効率的な方法となっている。

注意以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。


[編集] 登場人物

[編集] ネグラの住人

ヒマリ
主人公。「島」の原住民。魔王物語の結末を探し求める事が黄色いイシを背負った彼女の使命であるとされている。
物理攻撃によって活躍しやすいが、スキルの攻撃範囲が広いため、装備次第ではスキルメインのでの運用も可能。ただし発動条件がやや厳しいため、やはり使い勝手という点ではルドルフに劣る。
ルドルフ
準主人公。人見知りの激しい、無口且つ無表情な少年。赤ん坊の時に捨てられていた所をフロドナという男に拾われ、育てられた。魔王物語の第三章を持つ。
「ライトニング」をはじめ、幾つかの高威力攻撃スキルを習得する。総じて攻撃範囲が狭く、上手く複数の敵に当てるにはエンカウント時の微調整が要求される。技術の値も高いため、スキルメインの運用をされる事が多いが、物理攻撃メインでも十分実用可能。
エルオントナナ
本名ナナ・エルオント。英雄、或いは賢王と呼ばれたゼルヒ・エルオントの孫娘。島では素性が露見するのを恐れ、このような偽名(?)を使っている。魔王物語の第一章を持つ。
期間限定でパーティに加入。なんでも装備欄こそ持たないものの、味方全体の気力を回復する「願い」を使えるため、非常に有用。また初期装備が比較的強力なため、少しレベルを上げればすぐに戦力となる。
ヒクグモ
奇妙なマスクをつけた壮年の男性。元々は生真面目な性格だったが、奔放に生きるアイリッツに心酔し、コンビを組んでいた。魔王物語の第二章を持つ。
期間限定でパーティに加入。体力の成長率が極めて高い。スキルはナナに比べると若干見劣りするが、防御力を低下させる「無慈悲」は消費気力も低いため気軽に使っていけるのが強み。
モール
盲目の男。ネグラの奥でいつも壁を掘っている。かつては英雄と呼ばれたゼルヒ・エルオントの側近であった。ゼルヒが流行り病により発狂した時、彼を救う方法は彼を倒す事だと考え勝負を挑んだ。この戦いでモールは敗れ、光を失った。
レーラリラ
序盤でヒマリを部屋に案内し、幾らかのアドバイスを与えてくれる女性。優雅で気品の有る雰囲気を醸し出しているが、ネグラの住人達は普段の彼女とはまた違う一面を知っていた模様。双子の姉のルルララは何をさせても完璧だった。
アーロンアーロン
ショップの店主。「島」に落ちているものをネコババしてはちゃっかり商品として売っている。魔王物語の結末を研究する事を目的としており、ストーリーが進むにつれ、彼の推測を書き綴ったメモが少しずつ増えていく。

[編集] 魔王物語の登場人物

セラ
第一章の主人公。塔を登り、そこの頂上で精霊と出会い、願いを叶えて貰ったという人物。モデルはアレス。
ツィーリア
第二章の主人公。大海で白い鯨を倒すが、止めを刺さずにそのまま逃した。モデルはアイリッツ。
ランドルフ
第三章の主人公。人々を苦しめていた白竜を打ち倒す。モデルはフロドナ。

[編集] 魔王物語の登場人物のモデル

魔王物語各章の主人公のモデル達。現在でこそ有名人だが魔王物語執筆時は全くの無名の人物だったらしい。
アレス
セラのモデルとなった人物。ロングソード一本である塔を制覇した事で知られている。アイリッツ曰く、とても楽しい男だったとの事。魔王物語の著者、ハロルドとは浅からぬ因縁がある。
アイリッツ
ツィーリアのモデルとなった人物。ゼニガラスという片刃剣を愛用していた。自由奔放な人物で、義賊紛いの事をして日々を暮らしていた。ゼルヒとは過去に面識があり、彼との出会いはその後のアイリッツの人生に大きく影響を及ぼした。ヒクグモは彼を「悪人」と評しているが、アレスは悪人だか善人だかよくわからないやつと言っている。
フロドナ
ランドルフのモデルとなった人物。ラットスレイヤーという大剣を愛用していたが、彼が所有していた頃からこの銘だったのかについては諸説有る。アイリッツによれば、無表情にしか見えないが、読めるようになると面白い男だったという。ルドルフを拾って育て、また「島」に連れてきた人物でもある。

[編集] その他

ハロルド・ディスター
魔王物語の著者。故人。晩年は「島」で余生を過ごし、そこで花を育てた後、魔王物語を執筆した。完成を目前にして病で倒れる。その後未完の魔王物語は川に流され、大陸に流れ着き、人々に知られる事となった。
ゼルヒ・エルオント
齢60ばかりの、英雄として知られる最も古い人物。ナナの祖父。愛剣ホシツバキによって繰り出される流凪(ナガレナギ)という必殺技を得意とした。ナナが幼い頃に病によって発狂、暴君と化す。
イシ
人間の背中に寄生する不思議な存在。物に宿る記憶を宿主に与えたり、過去の宿主の記憶を受け継ぐことができるといわれる。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

  • まもも--上記サイト内の作品公式ページ


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