高坂正顕
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高坂 正顕(こうさか まさあき, 1900年 - 1969年12月9日)は、日本の哲学者。専門は、カント哲学。京都学派の一人。
西谷啓治、高山岩男、鈴木成高と共に「京都学派四天王」と呼ばれている。
2007年10月21日、米国立公文書館で、1950年代に日本の左傾化を恐れた米広報文化交流局が日本で行った世論工作を詳述した報告書が発見された。この報告書によれば、1952年に京都大学の教授陣を対象にした反共工作が行われ服部峻治郎総長とUSIS神戸支部が、吉川幸次郎文学部教授、高坂正顕教育学部教授らを米国に派遣し反共主義者として教育し、帰国後はこれら反共派がUSISと接触を続けるとともに、各学部の主導権を握り、左派封じ込めに成功したとしており、高坂が米国政府の影響下にあったことが公式に証明された。
[編集] 職歴
- 1923年、京都府立大学助教授
- 1936年、東京文理科大学助教授
- 1939年、京都帝国大学人文科学研究所教授
- 1951年、関西学院大学文学部教授
- 1955年、京都大学教育学部教授
- 1961年、東京学芸大学学長
- 1967年、国立教育会館館長
[編集] 著書
- 『新カント学派――現代の哲学(上・下)』(岩波書店, 1933年)
- 『歴史的世界』(岩波書店, 1937年)
- 『カント解釈の問題』(弘文堂, 1939年)
- 『カント』(弘文堂, 1939年)
- 『カント学派』(弘文堂, 1940年)
- 『象徴的人間』(弘文堂, 1941年)
- 『民族の哲学』(岩波書店, 1942年)
- 『歴史哲学序説』(岩波書店, 1943年)
- 『スピノーザの哲学』(玄林書房, 1947年)
- 『哲学の慰め』(勁草書房, 1948年)
- 『西田幾多郎先生の追憶』(国立書院, 1948年)
- 『西田哲学と田辺哲学』(黎明書房, 1949年)
- 『続カント解釈の問題――法と歴史の諸理念』(弘文堂, 1949年)
- 『歴史の意味とその行方』(福村出版, 1950年)
- 『来るべき時代のために希望と反省』(弘文堂, 1952年)
- 『ハイデッガーはニヒリストか』(創文社, 1953年)
- 『人間の解釈』(理想社, 1963年)
- 『西田幾多郎と和辻哲郎』(新潮社, 1964年)
- 『大学問題と学生運動』(南窓社, 1968年)
- 『開かれた大学のために』(南窓社, 1969年)
[編集] 訳書
- イマニュエル・カント『永遠平和のために』(岩波書店[岩波文庫], 1949年)