郭煕
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郭煕(かくき、約1023年—約1085年)、字は淳夫。北宋の山水画家。
河南省温県の人。北宋神宗年間に活躍し、神宗の死後、その画院での活動記録は少ない。
郭熙は山水画に長じ、深く自然に通じて、“饱游饫看,历历罗列于胸中”、雲頭皴、蟹爪樹と呼ばれる特殊な画法を以て山水画を描いた。その山水は、蘇軾、黄庭堅、王安石などの高い評価を得た。晚年には皇宫や寺院に多くの壁画を描き、中国山水画史上、最も重要な山水画家に挙げられる。後世、李成と併称して「李郭」とも呼ばれ、その独特の山水様式は「李郭派」とも呼ばれ、董源、巨然の「董巨風格」と並んで、中国山水画を代表する二つの様式とされる。
そのもっとも重要な作品に「早春図」(台北・故宮博物院)がある。またその画論に子の郭思が編纂した『林泉高致集』があり、その後の中国画論へも大きな影響を与えた。