読会制
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読会制(どっかいせい)は、議会における審議方法の一つである。本会議中心主義の議会で、本会議での審議の際に広く採用されている。読会制はイギリス議会によって始められた。
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[編集] 概要
読会制では、議会が立法を行う場合に、2ないし3の読会と呼ばれる段階をおいて、法案の審議と採決を行う。第一読会から第三読会までの3回の段階を踏む場合は三読会制、2回の場合は二読会制と呼ばれる。
日本においては、大日本帝国憲法下の帝国議会が三読会制を採用していた(議院法)が、現行の日本国憲法下における国会は、国会法の規定により読会制をとっておらず、委員会中心主義を採っている。ただしこの終戦時の変革は、特に必要に応じて行われたわけではなく、適切だったかどうかについては現在も議論がある。
- 第二十七条 法律ノ議案ハ三読会ヲ経テ之ヲ議決スヘシ但シ政府ノ要求若ハ議員十人以上ノ要求ニ由リ議院ニ於テ出席議員三分ノ二以上ノ多数ヲ以テ可決シタルトキハ三読会ノ順序ヲ省略スルコトヲ得
現在でも読会制は、イギリス議会をはじめとするウエストミンスター・システムの国の議会で採用され、審議の重要なステップとなっている。アメリカ合衆国議会など委員会中心主義を採る国でも、形式的にではあるが読会制を採用している場合も多い。
[編集] 三読会制の手順
[編集] 第一読会
- 帝国議会など:法案が朗読され、趣旨説明と質疑応答を行い、委員会に付託する。
- イギリスなど:法案が朗読され、印刷されて各議員に配布される。
- アメリカと、アメリカの州議会:法案が朗読され、委員会に付託される。
[編集] 第二読会
- 帝国議会など:法案を付託された委員会の審査報告を受け、法案の逐条審議を行う。
- イギリスなど:法案の骨子について、審議と採決を行い、委員会に付託する。
- アメリカと、アメリカの州議会:趣旨説明と討論を行い、法案の要綱の賛否について採決をおこない、委員会に付託する。
[編集] 第三読会
- 帝国議会など:委員会報告について、修正案などの採決をした後、法案全体の可否につき、最終的な審議と採決を行う。
- イギリスなど:委員会で審査された法案と、それに対する修正案について、討論し採決する。
- アメリカと、アメリカの州議会:通過した法案が、もう片方の院で修正された場合に開かれ、修正案を審議、採決する。
[編集] 関連項目
- 委員会中心主義