補助漢字
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補助漢字 (ほじょかんじ, JIS X 0212) は、JIS X 0208で利用できない文字[1]を集めた文字集合。JIS X 0208と組み合わせて利用する。
漢字5,801字、非漢字266文字(記述記号2文字、単位記号1文字、一般記号7文字、ダイアクリティカルマーク11文字、ダイアクリティカルマーク付きギリシアアルファベット21文字、キリル系アルファベット26文字、ラテン系アルファベット27文字、ダイアクリティカルマーク付きラテンアルファベット171文字)が規定されている。
Unicodeの制定時に原規格の一つとなったため、Unicodeには補助漢字が全て含まれている。このため、Unicodeベースのシステムでは、フォントさえ用意されていれば補助漢字の文字セットが利用できる。
他にも、EUC-JP、ISO-2022-JP-2、ISO-2022-JP-1の符号化方式での利用が可能であるが、Shift JISでは符号化方式の制約があるため利用できない。このことから、Shift JISエンコードで利用できる拡張文字セットが企図され、JIS X 0213制定へと繋がることになる。
補助漢字はその制定に国文学研究資料館(当時)の田嶋一夫が大きく関与し、国文学研究資料館の書誌データベース構築の研究結果に基づいた文字選定を行っており、起源の不明確な文字も含まれてはいるものの、学問研究向きの文字セットとなっている。
[編集] 参考文献
- 印刷産業の情報処理高速化に関する調査研究報告書, 日本機械工業連合会・日本印刷産業連合会, 東京, 1988年6月.
- 田嶋一夫: JIS漢字補助集合案の設定と今後の課題, 情報処理学会研究報告, Vol.89, No.13『情報学基礎研究会報告No.12』 (1989年2月20日), 12-1.
- JIS X 0212-1990 情報交換用漢字符号―補助漢字, 日本規格協会, 東京 (1990年10月1日制定).
- 内田富雄: JIS X 0212 (情報交換用漢字符号―補助漢字)の制定, 標準化ジャーナル, Vol.20, No.11 (1990年11月), pp.6-11.
- 真堂彬「フォント JIS補助漢字」(エーアイ出版、1991年8月) ISBN 4-8719-3158-7
- 外字機能を使用してShift JIS環境で補助漢字を利用可能にするデータが入ったフロッピーディスクが添付されている。
[編集] 脚注
- ^ 例示字形は違うが、「〆」の字は重なっている。