菅島灯台
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
菅島灯台(すがしまとうだい)は、三重県鳥羽市にある菅島の白崎に立つ白亜の中型灯台。周辺は、伊勢志摩国立公園に指定され、伊良湖水道を望む風光明媚の地。また、現役では日本最古のレンガ造灯台で、建設当初の姿を伝え、歴史的文化財的価値が高いので、Aランクの保存灯台になり、「日本の灯台50選」にも選ばれている。
[編集] 歴史
- 1673年(延宝元)、この地にかがり火を焚いて目印とする「御篝堂(おかがりどう)」が建てられた。菅島周辺では、難破する船が多く、当時の船乗りたちから「鬼ケ崎」と呼ばれ、恐れられていたが、この海域に多くの岩礁があったためだ。そこで、河村瑞賢(江戸時代初期の豪商で、東廻り・西廻り航路の開拓者)の江戸幕府への建議等により、作られることになった。その後、200年にわたって、海を守って、火が焚かれてきたが、その役割は、明治時代になって、洋式灯台へ引き継がれることとなった。
- 1873年(明治6)7月1日に、現在の洋式灯台が初点灯したが、これは、「灯台の父」と呼ばれるリチャード・ヘンリー・ブラントンの設計によるレンガ造灯台で、国産の白色レンガを使っており、竣工式には、西郷隆盛など当時の政府高官が多数列席した。
- 1959年(昭和34)7月まで職員が駐在し、管理されていたが、以後無人化された。
- 1964年(昭和39)付属の旧退息所は、博物館明治村に移築保存され、1968年(昭和43)4月25日に国の重要文化財に指定されている。
[編集] 概要
- 航路標識番号:2750
- 位置:北緯34度30分00秒、東経136度54分31秒
- 塗色・構造:白色 塔形 レンガ造
- レンズ:第4等フレネル式
- 灯質:単閃白光 毎4秒に1閃光
- 実効光度:1万2千カンデラ
- 光達距離:14.5海里(約27km)
- 明弧:156度から8度まで
- 高さ(地上~塔頂):9.7m
- 標高(平均海面~灯火):54.5m
- 初点灯:1873年(明治6)7月1日
- 所在地:三重県鳥羽市菅島町122
- 管轄:海上保安庁第四管区海上保安本部