組版
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組版(くみはん)とは、印刷の一工程で、文字や図版などの要素を配置し、紙面を構成すること。組み付けとも言う。
本来は活版印刷の用語で、文字通り版を物理的に組むこと、活字を並べて結束糸で縛ったものを「組み版」と呼んだことに由来する。
現在ではDTPなどにおいても、レイアウトソフトを用いて紙面を作ることを指し、そういった作業を行うことを組むと表現する。
日本では、活版印刷からの伝統で組版にこだわりを見せる職人の技が磨かれ、写真植字(手動写植)を経て電算写植の隆盛で、組版の品質は非常に高いレベルに達し、外国からも良い評価を受けていた。
ただし現在においてはDTPの隆盛により、日本語組版に適さない欧米製DTPソフトの使用や、組版の基礎的な知識(教養)を持たないDTPオペレーターの流入、それをチェックすべき編集者の力量不足などから、日本において市販される書籍や雑誌などの本の組版レベルは平均して低下している。
画面上での編集を前提としたDTPに対し本来の組版に近い処理をソフトウェア的に行うものにTeXがある。
[編集] 組版の用語
- 段組 - 1ページを読みやすくするために分割する方法
- 行ドリ
- 約物 - 句読点や括弧などの記号類
- 追い込み - 禁則処理のひとつ
- ぶら下げ - 禁則処理のひとつ
- 禁則処理 - 読みやすくするために文字や記号の位置を調整する
- ハイフネーション - 長い英単語をハイフンで処理する
- カーニング - 文字間を微調整する
- ジャスティフィケーション - 一定のスペースに収める
- 字割
- ルビ - 難しい漢字の読みをつける
- 割注
- ベタ組み - 体裁を考えず、とりあえずテキストをスペースに流し込む
- 罫線
- ポイント (単位)、ポ、P
- 級 (単位)、Q、1/4mm、写植文字の大きさ(レンズの選択)
- 歯 (単位)、H、1/4mm、写植文字の送り(ギアの設定)
- 全角 - 正体の日本語文字
- 半角 - 全角の半分、2分と同じ
- アキ - 活版印刷における行間、字間
- 2分アキ、3分アキ、4分アキ
- クワタ
- 天ツキ
- 斜体 - 文字を斜め変形する。またはイタリック体
- 平体 - 文字の高さを縮小する。平1では90%、平2では80%
- 長体 - 文字の幅を縮小する。長1では90%、長2では80%
- イタリック - 英文フォントでファミリーの中のイタリックを選択する
- ボールド - 英文フォントでファミリーの中のボールドを選択する
- イタリック補正
- ベースライン - 英文フォントの基礎となる水平位置
- 行送り - 行頭から次の行頭まで
- 行間 - 行の隙間
- 字送り - 文字から次の文字まで
- 字間 - 文字の隙間
- 版面 - 1ページの中で印刷可能なスペース
- ノンブル - ページ番号
- 文選 - 活版印刷において必要な活字を選び出す
- 植字 - 文選した活字を文章にまとめる、組版の準備作業
- 網かけ - 視覚的な効果を得るため、一部に網点をかける
- 白抜き - 濃い色の背景に文字を白く見せる
[編集] 関連項目
- JIS X 4051:日本語組版の日本工業規格
- 編集
- 印刷
- 出版
- 活版印刷
- DTP
- 写真植字
- ラスターイメージプロセッサ