筋弛緩剤点滴事件
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筋弛緩剤点滴事件(きんしかんざいてんてきじけん)とは、2000年に宮城県仙台市内のクリニックで起きた患者殺傷事件。
事件の概要・経過
1件の殺人と4件の殺人未遂の被疑事実で、当時クリニックに勤めていた男性准看護師が逮捕された。いずれも点滴液へ筋弛緩剤を混入して窒息死させようとしたとの被疑事実。筋弛緩剤とは脳からの信号を遮断して、筋肉の動きを弱める薬で、人工呼吸器を着けずに投与すると呼吸不全を引き起こす。被疑者は逮捕直後の取調べで犯行を自供したものの、捜査段階で犯行否認に転じた。被告は裁判開始後、一貫して無実を主張している。
- 2000年2月2日、風邪で入院中の女児(1才)の容態が急変。
- 2000年10月31日、虫垂炎の疑いで入院した少女(11才)の容態が急変、意識不明になる。
- 2000年11月13日、男児(4才)の容態が急変。
- 2000年11月24日、風邪で入院中の女性(89才)が死亡。
- 2000年11月24日、気管支炎の男性(45才)の容態急変。
- 2000年12月2日、病状の急変に不信を抱き宮城県警に相談。
- 2001年1月6日、クリニック元准看護師逮捕。
- 2001年7月11日、仙台地方裁判所で初公判。
- 2003年11月28日、仙台地方検察庁の検察官が無期懲役を求刑。
- 2004年3月30日、仙台地方裁判所で無期懲役の判決。
- 2006年3月22日、仙台高等裁判所で控訴棄却、無期懲役の判決。
- 2008年2月25日、最高裁判所で被告の上告棄却。