神人
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神人には次の意味がある。
- (じにん、じんにん) 神社に隷属し雑役などを行った下級神職・寄人のこと。本項で詳述する。
- (かみんちゅ) 琉球・沖縄の土着信仰における神職のこと。本項で詳述する。
- (しんじん)神道で用いられる用語で、「神と人」のこと。「神人合一」などと用いる。
[編集] 下級神職・寄人
神人(じにん、じんにん)とは、古代から中世の神社において、社家に仕えて神事、社務の補助や雑役に当たった下級神職・寄人である。
神人には、神社に直属する本社神人と、諸国に存在する神領などの散在神人とがある。
神人は社頭や祭祀の警備に当たることから武器を携帯しており、平安時代の院政期から室町時代まで、僧兵と並んで乱暴狼藉や強訴が多くあったことが記録に残っている。このような武装集団だけでなく、神社に隷属した芸能者・手工業者・商人なども神人に加えられ、やがて、神人が組織する商工・芸能の座が多く結成されるようになった。
京の五条堀川に集っていた祇園社(現 八坂神社)の堀川神人は中世には材木商を営み、丹波の山間から木津川を筏流しで運んだ材木を五条堀川に貯木した。祇園社には、身分の低い「犬神人」と呼ばれる神人が隷属し、社内の清掃や山鉾巡幸の警護のほか、京市内全域の清掃・葬送を行う特権を有していた。
日吉大社の日吉神人は、延暦寺の権勢を背景として、年貢米の運搬や、京の公家や諸国の受領に貸し付けを行うなど、京の高利貸しの主力にまで成長した。
石清水八幡宮の石清水神人は淀の魚市の専売権、水陸運送権などを有し、末社の離宮八幡宮に属する大山崎神人は荏胡麻油の購入独占権を有していた。
[編集] 琉球・沖縄の神職
神人(かみんちゅ)とは、琉球・沖縄の信仰での神職者の通称である。 狭義にはノロ(祝女)のことであるが、広義には神に仕える者と言う意味で、祝女の補佐役などの神職者、根神や根人といった集落の祭司や、民間シャーマンであるユタも神人に含まれる。
琉球王国以来の聖地であり、古代の信仰を現在も残しているといわれる久高島には「男は海人(うみんちゅ)、女は神人(かみんちゅ)」なる常套句が残り、かつて男性は労務に、女性は神職に従事した社会であったことを言い伝えている。