着床
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着床(ちゃくしょう、implantation)とは胚が子宮壁の一定部位に定着し、胚の発育の準備を始める現象である。着床の確定をもって妊娠が開始する。通常、胚が子宮に侵入する直ちに着床するが、ミンク、アザラシ、アナグマ、カンガルー、ラットなどの一部の動物種の胚は子宮内で浮遊状態を保ち、条件が整ってから着床する。これを遅延着床と呼ぶ。着床形式により中心着床、偏心着床、壁内着床の3つに分類される。
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[編集] 中心着床
胚の成長とともに子宮腔が拡張し、胚子栄養膜の全面が子宮内膜に接着する。反芻類、馬、豚、猫、犬など。
[編集] 偏心着床
子宮腔の中心より離れて偏在して着床する。齧歯類。
[編集] 壁内着床
胚が子宮内膜上皮を通って内膜内部に侵入して着床する。ヒト、サル、モグラ、ハリネズミ。
[編集] 参考文献
- 山内亮監修 『最新家畜臨床繁殖学』 朝倉書店 1998年 ISBN 4254460201