生理食塩水
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体液とほぼ等張の塩化ナトリウム液(食塩水)のことを生理食塩水(せいりしょくえんすい)または生理的食塩水(せいりてきしょくえんすい)という。日本薬局方・処方せん医薬品では塩化ナトリウムを0.9%含有する食塩水を「生理食塩液」と定義している。これは、人間の体液とほぼ等張となる食塩水の濃度である。2005年4月1日の薬事法改正に伴い生理食塩水は処方薬扱いとなり、処方箋無しでの薬局店頭での販売ができなくなった。
[編集] 用途
主に医療用として、細胞外液欠乏時やナトリウム欠乏時の輸液用電解質溶液のベースや麻酔液・注射剤の希釈、皮膚・創傷面の洗浄などに使用される。鼻洗浄や豊胸手術の生理食塩水バッグ法などでも利用されている。より生身の生体組織を傷つけないためには、さらに成分を調整したリンゲル液が用いられる。
ヒト以外の動物に対しても生理食塩水が調整される場合がある。一般に哺乳類では約0.9%、両生類では約0.6%のものが使われる。研究用としては、生物の臓器や組織を一時的に生かしたまま保持する目的に用いられる。腸内微生物など大型動物の体内の微生物も浸透圧調節の機能が低い場合が多いから、その動物用の生理食塩水を用いて研究や観察が行われることもある。生理学的実験等においては、この場合もリンゲル液が用いられる。