熊田一雄
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熊田一雄(くまたかずお、男性、1962年-)は、日本の社会学者。1962年に京都府京都市に生まれる。現在は、愛知学院大学文学部宗教文化学科の准教授。専門は、宗教学、ジェンダー研究、文化社会学。1992年に、東京大学大学院文化人類学専攻博士課程を単位取得退学。2003年にはカリフォルニア大学バークレー校社会学部客員研究員。
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[編集] 活動
風煤社から2005年に刊行した『“男らしさ”という病? -ポップ・カルチャーの新・男性学-』で、伊藤公雄を筆頭とした団塊の世代が牽引してきた日本の男性学に対して、新人類世代に属する著者が昨今のポップカルチャーの視座から従来とは違った男性学を構想した。具体的には、90年代に人気を集めた「美少女戦士セーラームーン」や「少女革命ウテナ」、”百合”的な意匠を纏った「マリア様がみてる」ややおい的な作品から現代の日本の若者のジェンダー観を分析した。その他にも、マンガ「寄生獣」を論じたり、熊田が専門とする宗教学と男性学の接続を試み、具体的には戦前・戦後の一部の新宗教の男性学的な分析を行った。
ちなみに、同書において、熊田は自身の理論には左派的な色調が濃いと述べている。また、新人類世代に属しかつ自身が女性的な価値観をもちあわせているために、団塊の世代特有のマッチョ的なジェンダー観に対しては率直に違和感を表明している。
それ以前には、『ファンダメンタリズムとは何か -世俗主義への挑戦-』では三島由紀夫論を、『新世紀の宗教 -「聖なるもの」の現代的諸相-』ではオウム真理教論を展開している。
なお、ヒップホップ・ミュージシャンのSEAMOは、愛知学院大学在学中に熊田のゼミに所属していた。
[編集] 主要著作
- ファンダメンタリズムとは何か -世俗主義への挑戦-(共著)新曜社 (1994) ISBN 4788504944
- 新世紀の宗教 -「聖なるもの」の現代的諸相-(共著)創元社 (2002) ISBN 4422140221
- “男らしさ”という病? -ポップ・カルチャーの新・男性学-(単著)風煤社 (2005) ISBN 4833110679
[編集] 関連項目
[編集] 関連人物
- 島薗進(恩師)