消費者物価指数
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消費者物価指数(しょうひしゃぶっかしすう 英:Consumer Price Index)は消費者が実際に購入する段階での、商品の小売価格(物価)の変動を表す指数。英語の頭文字を取ってCPIと略す場合もある。以下では、特に断り書きがない限り日本での事例について述べる。
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[編集] 概要
総務省が毎月発表する小売物価統計調査を元に作成される指標で、物価指数の一つ。1946年8月より調査開始。
同省の定義では「全国の世帯が購入する家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定するもの。すなわち家計の消費構造を一定のものに固定し、これに要する費用が物価の変動によって、どう変化するかを指数値で示したもの。」となっている(総務省 消費者物価指数の説明より)。
国民の生活水準を示す指標のひとつとなっている。
[編集] 作成方法
小売物価統計調査(総務省調査)の小売価格の平均から個別の指数を作成し、家計調査(総務省調査)からウェイトを作成、統合して全体の指数を作成している。
指数は、基準年の家計の消費構造を一定のものに固定し、これに要する費用が物価の変動によってどう変化するかを基準年平均=100として表すラスパイレス算式である。基準年は他の指数と同様に西暦末尾が0、5年で、5年ごとに基準改定を行っている。
- 小売価格調査:全国から167市町村を選び、小売価格はその中で代表的な小売店やサービス事業所約30,000店舗、家賃は約25,000世帯、宿泊料は約530事業者を対象として調査している。価格は実際に販売している小売価格(特別セール売り等は除外)。
- 指数品目:消費者が購入する商品及びサービスの物価変動を代表できるように
- 家計支出上重要である
- 価格変動の面で代表性がある
- 継続して調査が可能である
という観点から選んだ平常小売価格596品目及び、持ち家の帰属家賃4品目の合計600品目を対象とする。
[編集] 総合指数
総合指数として、2008年現在、通常の総合指数のほかに別掲として以下の三つを公表している。
- 生鮮食品を除いたもの(コアCPI)
- 持ち家の帰属家賃を除いたもの
- 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除いたもの(コアコアCPI)
[編集] 使用方法
- 通常、ニュース等で報道される消費者物価上昇率や物価が○%上がった、といった値は全国総合指数が使われるが、インフレ、デフレの基調的な度合いを見るには「総合指数(生鮮食品を除く)」(コアCPI)を使うと良い(生鮮食品の価格は天候等の条件によって大きく変わるため)。また、原油価格の高騰を受けた石油製品の値上がりにより、食料及びエネルギーを除いた指標(コアコアCPI)の方が実態を見られるのではないか、という意見もある。なお、日本銀行が2001年3月より行っていた量的緩和(いわゆるゼロ金利政策)を巡っては、日本銀行が政策変更の判断材料に消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)の前年比の動きを使うと説明したため、解除の時期を巡って毎月発表される消費者物価指数の値が注目された。
- 消費者物価は個人所得等のデフレータとして使用される。例えば実質個人所得を求める際の式は以下のとおり。
- 名目個人所得÷消費者物価指数×100
[編集] 平均価格・購入単価との違い
家計調査では、家計が支出した金額だけでなく購入数量も調査している。このため、個別の品目について家計が購入した平均価格や購入単価を知ることができる。消費者物価指数の個別品目の価格動向と、家計調査の平均価格や購入単価の動きとはかなり異なった動きをすることが知られている。 これは消費者物価指数では、品質や性能を一定とした商品やサービスの価格を調査しているのに対して、家計調査では家計が購入するものの品質が一定ではないからである。また、同じ品質・性能の商品であっても、購入する店によって価格が変わることがある。例えば、紳士服などではデパートで購入していたものを、ディスカウント店で購入するようになると、品質が同じであっても購入単価が下落することになる。消費者物価指数では、同一店舗における価格が変化しなければ物価は変わらないので、より価格の安い店で購入するようになるといった家計の行動の変化による平均購入価格の変動を捕らえることはできない。