柴田亜衣
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オリンピック | ||
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女子 競泳 | ||
金 | 2004 | 女子 800m自由形 |
柴田 亜衣(しばた あい、1982年5月14日 - )は、日本の水泳選手で、2004年アテネオリンピック競泳女子800メートル自由形金メダリスト。身長176センチ。2008年4月現在、鹿屋体育大学大学院生、デサント社員、チームアリーナ所属。
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[編集] 人物・来歴
福岡県太宰府市生まれ。父親が転勤族で、3歳のころに北九州市、小学2年のときに徳島県美馬郡脇町(現美馬市)に移る。3歳の頃からそれぞれの地元のスイミングスクールに通い、水泳を始める。子供の頃は体育は苦手であったらしく、通知表は5段階評価で、2や3等が多かったという。[1]この後も父親は転勤を繰り返すが、家族は脇町に残り単身赴任となる。
徳島県立穴吹高等学校を経て、2001年鹿屋体育大学に入学する。2005年3月に卒業後は、大学院に進み、同大学教授の田中孝夫コーチに指導を受け競技活動を続ける。
2004年の日本水泳選手権で選考基準を満たし、アテネオリンピックの競泳女子800メートル、400メートル自由形の代表となる。8月21日に行われた800メートル自由形で金メダルを獲得。オリンピックの女子競泳で日本人として金メダルを獲得したのは、彼女が史上4人目に当たる。女子自由形での日本のメダルは初めてとなる。レース直前にコーチに言われた「あわてず、あせらず、あきらめず」をレース中、心の中で繰り返していたという[2]。そして柴田自身にとっては、この金メダルが「国外公式戦初勝利」だった。
テレビなどのインタビューでも、「自分は頑固者である」ことを認めている[1]。
2007年6月29日、記者会見で「北京五輪を最後の大会にしたい」との意向を示し、北京五輪を最後に現役を引退する意思を明らかにした[3]。
2008年4月、北京オリンピックを出場を賭けた日本選手権水泳競技大会に出場。女子400m自由形で優勝したものの、平凡な記録で派遣標準タイムを突破出来なかった。それを受けて自らのプライドを賭けた女子800m自由形では派遣標準タイムを突破し、見事優勝。五輪連覇の夢を賭けての一歩を踏み出した。
[編集] 水着問題への対応
2008年、ライバル会社の英国SPEEDO社が新型水着「レーザー・レーサー」を発表、着用した選手が新記録を連発する事態となった。柴田も試したが、着用に時間がかかることや“巨体”の柴田には締め付けが厳しかったということで、勤務先が改良型を発表する前に「SPEEDOは着ない」という意思を明確にした。[4]
[編集] 記録
- 日本学生選手権
- 2002年9月
- 競泳女子800m自由形:2位
- 競泳女子400m自由形:2位
- 2003年9月
- 競泳女子800m自由形:1位
- 競泳女子400m自由形:1位
- 2004年9月
- 競泳女子800m自由形:1位
- 競泳女子400m自由形:1位
- 2002年9月
- 日本選手権
- 2002年6月
- 競泳女子1500m自由形:2位
- 競泳女子800m自由形:4位
- 競泳女子400m自由形:4位
- 2003年4月
- 競泳女子1500m自由形:2位
- 競泳女子800m自由形:3位
- 競泳女子400m自由形:4位
- 2004年4月:アテネオリンピック代表選考会
- 競泳女子800m自由形:2位(五輪出場権獲得)
- 競泳女子400m自由形:2位(五輪出場権獲得)
- 2005年4月:世界水泳選手権モントリオール大会代表選考会
- 競泳女子800m自由形:優勝(世界水泳出場権獲得)
- 競泳女子400m自由形:優勝(世界水泳出場権獲得)
- 2006年
- 競泳女子1500m自由形: 16分26秒16 3位
- 競泳女子800m自由形: 8分36秒74 2位
- 競泳女子400m自由形: 4分12秒37 2位
- 2007年
- 競泳女子800m自由形: 8分26秒60 優勝
- 競泳女子400m自由形: 4分09秒37 優勝
- 2008年:北京オリンピック代表選考会
- 競泳女子800m自由形: 8分28秒69 優勝(五輪出場権獲得)
- 競泳女子400m自由形: 4分10秒38 優勝
- 2002年6月
- ユニバーシアード
- 2003年8月
- 競泳女子1500m自由形:6位
- 競泳女子800m自由形:7位
- 競泳女子400m自由形:5位
- 2005年8月
- 競泳女子200m自由形:4位 2:01.01
- 競泳女子400m自由形:4位 4:14.47
- 競泳女子800m自由形:4位 8:33.48
- 2003年8月
- アテネオリンピック
- 競泳女子800m自由形:優勝(8分24秒54)
- 競泳女子400m自由形:5位(4分7秒51)
- 世界水泳選手権モントリオール大会(2005年)
- 競泳女子400m自由形:2位(4分06秒74、日本新)
- パンパシフィック水泳選手権横浜大会(2002年8月)
- 競泳女子1500m自由形:5位
- 競泳女子800m自由形:4位
- 競泳女子400m自由形:6位
- パンパシフィック水泳選手権ビクトリア大会(2006年)
- 競泳女子1500m自由形:3位(16分11秒13)
- 競泳女子800m自由形:2位(8分26秒41)
- 競泳女子400m自由形:優勝(4分7秒61)
- 世界水泳選手権メルボルン大会(2007年)
- 競泳女子400m自由形:3位(4分5秒19、日本新)
- 競泳女子1500m自由形:3位(15分58秒55、日本新)
- 世界競泳(2007年)
- 競泳女子400m自由形:4位(4分7秒68)
- 競泳女子800m自由形:優勝(8分23秒76)
[編集] 表彰
- 鹿児島県:県民栄誉表彰(個人3人目)(2004/9)
- 徳島県:県民栄誉賞(個人6人目、女性初、最年少)(2004/9)
- 徳島県美馬郡脇町:町民栄誉賞
- 2004年JOCスポーツ賞特別栄誉賞(2005/7)
- 鹿児島スポーツ記者クラブ賞受賞(2005/3)
- 西日本スポーツ賞受賞(2005/3)
- 日本水泳連盟、2004最優秀選手に選出(2005/1)
- 朝日スポーツ賞受賞 (2005/1)
- 毎日スポーツ人賞受賞(新人賞)(2004/12)
- 鹿児島ロータリークラブ青少年功績賞受賞(2004/11)
- 鹿屋市スポーツ栄誉賞受賞(2004/11)
- 紫綬褒章
- 南日本文化賞受賞(2004/11)
- 文部科学大臣顕彰受賞(2004/9)
- 日本水連最優秀選手表彰(2005/11)
- 文部科学省 国際競技大会優秀者(2005/11)
- 2005年日本スポーツ賞(讀賣新聞社制定)優秀賞受賞
- 2005年度テレビ朝日ビッグスポーツ特別賞受賞
[編集] 関連項目
- TBS「いのちの響」
[編集] 外部リンク
[編集] 脚注
- ^ a b 『情熱大陸』2005年8月26日放送分(毎日放送制作)など。
- ^ "『邁進』(まいしん)8号" 鹿屋体育大学: 2004-10. 2007年11月6日閲覧.
- ^ "柴田亜衣「どんな結果でも」北京で引退" スポーツニッポン: 2007-6-30. 2007年6月30日閲覧.
- ^ "亜衣結論待たずに「スピード着ない」" 日刊スポーツ: 2008-05-30. 2008年6月2日閲覧.