東方不敗マスター・アジア
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東方不敗マスターアジア(とうほうふはい‐)は、アニメ『機動武闘伝Gガンダム』に登場する架空の人物である(声:秋元羊介)。本名は、シュウジ・クロス。
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[編集] 人物紹介
[編集] 概要
東方不敗はマスターアジアの異名である。東方不敗は企画時の仮名称が本編でも残ったもの。もちろん正式名称がマスターアジアであるので、当然番組テロップもマスターアジア名義で表記されている。本放送当時のムックなどでは前述のとおり名称は統一されているが、スーパーロボット大戦シリーズでは何故か東方不敗が正式名称であるかのように表記されている。年齢49歳、身長193cm、体重85kg、出身地球(ネオ・ホンコン)
流派東方不敗と言う流派を完成させた。その拳法の冴えは、生身の体と布(マスタークロス)のみでモビルファイターを撃破するほどである。また、主人公ドモン・カッシュの師匠でもあり、ファンからも「東方先生」「師匠」「マスター」などと呼ばれている。
初登場時には名前の由来どおり、ブリジット・リン演じる映画版を模倣した(というより完全コピーな)シチュエーションを披露。本作では引用が多いリー・リンチェイ主演映画ではあるが、マスタークロスは映画東方不敗で敵役のブリジット・リンが使う技ではなく、映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱』でドニー・イェンの使う「布棍術」が元ネタと推察される。
シャッフル同盟の一員であり、キング・オブ・ハートの称号を持つ(この称号は後にドモンに譲られた)。第12回大会では、ネオイングランドの3連覇による銃火器重視の風潮から、健全な格闘戦への回帰を目指し、ネオホンコン代表として参戦。見事に優勝し、ネオホンコンに覇権をもたらした。第13回大会にも前回優勝者として引き続き出場している。
漫画『機動武闘外伝ガンダムファイト7th』において、シュウジ・クロスという本名とネオジャパン所属の日本人であったことが判明している。ネオジャパン代表ファイターとして第7回ガンダムファイトに挑む(搭乗機はヤマトガンダム)が、その最中Dr.カオスの陰謀を知り、その企てをつぶすために奔走することとなった。なおこの作品において彼は当大会優勝者であるウォルフ・ハインリッヒの駆るカイザーガンダムの前に完敗している。ガンダムエース誌掲載の紹介文によれば、その後決勝戦を放棄したことによりネオジャパンを放逐され、ネオホンコンにたどり着いたとされる。
[編集] 師弟関係
ドモン・カッシュに幼い頃から拳法を仕込んだ師匠である。出会いはドモンが8歳の頃。自分の置かれている環境に疑問を持ち家出をしたドモンは、武器密輸船に潜りこんでコロニーを出ようとするが、密輸船の乗員に捕まってしまう。そこに偶々潜入していた東方不敗に助けられ、その強さに憧れ弟子入りするに至る。
[編集] 思想
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
第12回大会で地球の自然の惨状を見てきた彼は、後にはデビルガンダムと遭遇し、強靭な精神力でDG細胞の感染を跳ね除け、地球浄化に共感してそれに協力。全ての環境汚染の原因は人間であるとして、これを地球上から排除せんとする。そのため、それを阻止しようとするドモンの前に敵として立ちはだかる。東方不敗自身の肉体は病に冒されており、デビルガンダムの能力を引き出すための生体ユニットとしては不適であったため、東方不敗は、傷ついたキョウジの代わりの生体ユニットとして、最高のガンダムファイターであるドモンを使おうと考えていた。
[編集] 劇中での活躍
第12話「その名は東方不敗!マスター・アジア見参」において初登場。生身でデスアーミー軍団を薙ぎ倒してインパクトあふれる登場を果たした。その後も流派・東方不敗を駆使し、ドモン達の前に幾度となく壁として立ちはだかる。第13回決勝大会開会式において、優勝した暁には「東西南北中央不敗・スーパーアジア」に改名すると宣言。しかし、決勝のバトルロイヤルにおいて弟子のドモンに敗北(第45話「さらば師匠!マスター・アジア、暁に死す」より)、抹殺しようとした人間もまた自然の一部だったと思い直し、後を若者たちに託して絶命する。その後も苦悩するドモンの前に幻影として現れ、キョウジらと共にドモンを叱咤している。『機動武闘伝Gガンダム』の武侠的な世界観を体現した人物であり、数多くの強烈な台詞回しと「濃い」キャラクター性を有している。
監督の今川泰宏は東方不敗が絶命する第45話の絵コンテを書き上げた際、あまりの注力っぷりにラストカットのコンテに思わず「機動武闘伝Gガンダム・完」と書いてしまったというエピソードがある(ラストで筆文字が書かれているのはその名残である)。
[編集] 搭乗機
搭乗機は、シャッフル同盟時代にはハート型のMA形態に変形可能な「シャッフルハート」。第12回大会及び第13回ガンダムファイト・サバイバルイレブンで使用された「クーロンガンダム」(GF12-035NH.GF13-001NH)、そしてDG細胞によって作られた「マスターガンダム」(GF13-001NHII)。
[編集] その他
[編集] 流派東方不敗
流派東方不敗は、アニメ『機動武闘伝Gガンダム』に登場する架空の流派である。
釈尊を護るためにその弟子達が編み出したインド拳法の流れを汲む流派である。それ故に感情の赴くままの破壊を禁じている。精神の力をもって肉体の限界を超越することを基本としていると思われる。その歴史については諸説あり謎も多い。源流にあるインド拳法から数えてのものか、マスターアジアをして「中興の祖」と称している場合もある。マスターアジアの他には弟子であるドモン・カッシュ、またその弟子のユウゴ・カガミが体得している。愛馬である風雲再起も会得しているらしい。流派東方不敗の人間同士が出会った際は、互いの拳を合わせ、漢詩を訓読したような挨拶をする。
また、流派東方不敗はただの格闘術だけではなく、兵法や武器の作成法などの多岐に渡る戦になった際に活用され役に立つ技術または戦術をも伝えられている。
[編集] 主な技
- 王家・索命陰霊拳(おうけ・さめいいんれいけん)
- 超級覇王電影弾(ちょうきゅうはおうでんえいだん)
- 超級覇王聴演舞(ちょうきゅうはおうちょうえんぶ)
- 劔覇千王気炎弾(けんはせんおうきえんだん)
- 「B-CLUB」誌 vol.110に掲載された東方不敗インタビューにおいて明らかとなった技。TV本編には登場しないが、スーパーロボット大戦シリーズにおいて生身の東方不敗が繰り出す技としてヴィジュアル化された。
[編集] フィンガー系
- 灼熱サンシャインフィンガー
- 第7回大会でヤマトガンダムが使用した必殺技。
- シャイニングフィンガー
- 東方不敗がドモンに授けた技のひとつ。小説版ではガンダムに乗らずとも生身で使用可能な技として描かれている。三本の指先に「気」を集中させ相手の額に放つ事で、脳神経を麻痺させる事ができるという。力技でそのまま相手の額を突き破り殺傷する事も可能だが、元々は釈尊を護るための拳法に由来する流派東方不敗では、それを禁じ手としていた。のちに如何なる経緯を辿ったのか、外宇宙に移民した人類によって建造されたターンXに同名の技が受継がれている。
- ハートフルフィンガー
- シャッフル・ハートに乗った際に放つ技。
- クーロンフィンガー
- クーロンガンダムに乗った際に放つ技。
- ダークネスフィンガー
- シャッフル・ハート、クーロンガンダム、マスターガンダムの必殺技の一つ。シャイニングガンダムの「シャイニングフィンガー」や、ゴッドガンダムの「爆熱ゴッドフィンガー」に酷似した技。威力はゴッドフィンガーに匹敵する。使用時に掌が黒く輝くが、前述の2機と同じく液体金属によるものか、それとも別のものであるかは不明である。
- ダークネスショット
- マスターガンダムの技。ダークネスフィンガーの応用技。掌に五つ並んだ小口径ビーム砲門からダークネスフィンガーのエネルギーを気弾にして撃ち出す。
- ディスタントクラッシャー
- マスターガンダムの腕部特性を用いた技。伸縮可能な前腕部で相手を貫くのがニアクラッシャー、それを機体から射出して相手を貫くのがディスタントクラッシャー。分離した腕部は、ビームワイヤーで本体と接続される。
[編集] クロス系
いずれも東方不敗の得意とする、布を用いた攻撃をモビルファイターで再現した布状のビーム。なお、弟子であるドモン・カッシュはガンダムファイトでは布を用いた技を使用したことはないが、第28話において自分のハチマキでキラル・メキレルのゴーグルを破壊している。
- ハートクロス
- シャッフル・ハートに乗った際に放つ技。
- クーロンクロス
- クーロンガンダムに乗った際に放つ技。
- マスタークロス
- マスターガンダムに乗った際に放つ技。スーパーファミコンの機動武闘伝Gガンダムでも登場した必殺技。
- アンダーマスタークロス
- スーパーファミコンの機動武闘伝Gガンダム登場の必殺技。
- 電撃布(エレクトリッククロス)
- スーパーファミコンの機動武闘伝Gガンダム登場の必殺技。
[編集] 脚技系
- 背転脚
- スーパーファミコンの機動武闘伝Gガンダム登場の必殺技。
- ニアクラッシャー
- スーパーファミコンの機動武闘伝Gガンダム登場の必殺技。
[編集] 主な奥義
- 十二王方牌大車併(じゅうにおうほうぱいだいしゃへい)
- 掌を前面に突き出し、大きく円を描くように動かしながら梵字を出現させ、そこから気で使用者の小型の分身を多数作り出し、対象に攻撃を仕掛ける。攻撃後、分身を帰還させる「帰山笑紅塵(きざんしょうこうじん)」を使用する事で、気の消費を抑えることができる。
- また、ガンダム無双では分身技としても使用されている。その際はゴッドガンダムの技である分身殺法・ゴッドシャドーと性質は似ている。
- スーパーロボット大戦Fと新スーパーロボット大戦では「十二王方牌大車輪(じゅうにおうほうはいだいしゃりん)」(表記、音声)となっている。こちらは誤り(『併』という言葉が表記しづらいという説と円を描くように動かしていることの説がある)。
- 十二王方牌(じゅうにおうほうはい)
- スーパーファミコンの機動武闘伝Gガンダムに登場したゲームオリジナルの必殺技。通常技を十数発相手に叩き込んだ後に十二王方牌大車併を相手に放つ。技名の十二王方牌に大車併や大車輪などの言葉は付かない。
- 超級覇王日輪弾(ちょうきゅうはおうにちりんだん)
- 掌から放つ高熱気弾。相手をガンダムごと蒸発させてしまうほどの威力を持つ。若き日のシュウジ・クロスにとって、石破天驚拳の完成以前はこの技が彼の一番の最強の技だったという。
- 超級覇王電影弾(ちょうきゅうはおうでんえいだん)
- 超級覇王日輪弾は気を放つ技であるが、超級覇王電影弾は使用者の頭部以外の全身を掌から放つ高熱気弾で渦巻き状に包み、頭から敵陣を突き抜け、多数を攻撃する。東方不敗が使用した場合、最後に「爆発!」の掛け声と合わせ、一気に粉砕する。2人の体得者による合体技としても使用可能で、その場合は1人がエネルギーを纏った砲弾となり、もう1人がその砲弾に自分のエネルギーも与えながらそして撃ち出す役目をする。
- 酔舞・再現江湖デッドリーウェイブ(すいぶ さいげんこうこ-)
- 気の波動を発しながら対象に突撃し、「爆発!」の掛け声と共に粉砕する。気の波動は残像のように動きの軌跡を見せる。もともとはTVシリーズ放送中に発売されたスーパーファミコン用ゲームソフトのオリジナル技「デッドリーウェイブ」だったが、本編においてこの名で正式に採用されたという経緯を持つ。
- 石破天驚拳(せきはてんきょうけん)
- 流派東方不敗が最終奥義。天然自然の力を借り、それを気功弾として撃ち出す。生身での使用時は手のひらの真ん中に「驚」の字がある巨大な張り手のような技。漫画版では生身で放ったこれを使ってデビルガンダムが生み出したガンダムヘッドを破壊している。
[編集] その他の技
- 石破ラブラブ天驚拳
- ドモン・カッシュとレイン・ミカムラによる合体技。強化版石破天驚拳といえ、デビルガンダムにハート型の風穴を開けた。
- 究極石破天驚拳
- スーパーロボット大戦シリーズで東方不敗とドモンが同時に石破天驚拳を繰り出すという合体攻撃で、ゲームオリジナル技である。
[編集] 流派東方不敗の兵法
- 東方不敗・八卦の陣
- 東方不敗・八卦の陣( - はっけのじん)
- 機動武闘伝Gガンダム第17話において、東方不敗がドモン・カッシュを罠に陥れる際に使用。技というよりは東方不敗の兵法の一戦術であると思われる。
[編集] 流派東方不敗の作成武器
- 聖なる爆弾
- CDドラマ「爆熱! 世界高達骨牌拳」中の劇中劇において東方不敗が使用。この技が使用されるまでに出てきた攻撃方法(120万ボルトの高圧電流、TNT火薬5000トン相当の地雷、200万ガロンの水攻め、落とし穴)から類推するに、普通の爆弾による攻撃と思われる。
[編集] 関連項目
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ガンダムシリーズの映像作品 | ||||||
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ガンダムシリーズの劇中項目 | ||||||
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