末広恭雄
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末広恭雄(すえひろ やすお、1904年 - 1988年)は、日本の水産学者・随筆家・作曲家。
農林省水産研究所技官、次いで東京大学農学部水産学科教授として魚類に関する水産学方面の研究を広く行ったことだけでなく、生前には一般向けの啓蒙書、随筆で「お魚博士」として一般の知名度も非常に高く、非常な多筆家であった。作曲家としては山田耕筰の弟子であり、サトウハチローの詞による童謡、『秋の子』がよく知られているほか、妹尾義郎の組織した新興仏教青年同盟の歌も作曲している。
東京大学を定年退官した後は水族館京急油壺マリンパークの館長を勤め、魚の行動を訓練によって巧みに演出する展示を数多く企画し、「サーカス水族館」としての地位を築き上げた。また、1970年代に行われたシーラカンス学術調査隊の総指揮を執った。
父の末広恭二は工学者で寺田寅彦とも親しく、東京大学地震研究所初代所長を勤めた。父方の祖父の末広鉄腸は衆議院議員、ジャーナリスト、小説家。
[編集] 著述
- 末広恭雄選集 1 随筆で楽しむ日本の魚事典 ISBN 4-309-90710-5
- 日本の魚 (カラーブックス) ISBN 4-586-50150-2
- 魚の博物事典 (講談社学術文庫) ISBN 4-06-158883-4