有機溶剤作業主任者
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有機溶剤作業主任者(ゆうきようざいさぎょうしゅにんしゃ)は、労働安全衛生法に定められた作業主任者の一つであり、有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者の中から選任される。
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[編集] 概要
- 有機溶剤による身体的な被害防止の指揮・監督を行う。また、労働安全衛生上の労働者の衛生の確保にも配慮する。同時に、消防上の危険物の取扱の点からも知識と経験も求められる。
- シンナー、ラッカーを扱う塗料販売業、塗装業、ドライクリーニング用の溶剤を扱うクリーニング業、印刷用インキや溶剤を扱う印刷工場、分析・検査業務など、資格の必要な職場は幅広い。これらの現場責任者、管理者等が持つ必置資格である。
- 資格の需要が多いため技能講習の参加者も多く、講習会も頻繁に行われている。
[編集] 対象となる有機溶剤
労働安全衛生法施行令第6条22号及び同施行令別表第6の2
- 第一種
- クロロホルム
- 四塩化炭素
- 1・2 ― ジクロルエタン(別名 二塩化エチレン)
- 1・2 ― ジクロルエチレン(別名 二塩化アセチレン)
- 1・1・2・2 ― テトラクロルエタン(別名 四塩化アセチレン)
- トリクロルエチレン
- 二硫化炭素
- 第二種
- アセトン
- イソブチルアルコール
- イソプロピルアルコール
- イソペンチルアルコール(別名 イソアミルアルコール)
- エチルエーテル
- エチレングリコールモノエチルエーテル(別名 セロソルブ)
- エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(別名 セロソルブアセテート)
- エチレングリコールモノ―ノルマル―ブチルエーテル(別名 ブチルセロソルブ)
- エチレングリコールモノメチルエーテル(別名 メチルセロソルブ)
- オルト ― ジクロルベンゼン
- キシレン
- クレゾール
- クロルベンゼン
- 酢酸イソブチル
- 酢酸イソプロピル
- 酢酸イソペンチル(別名 酢酸イソアミル)
- 酢酸エチル
- 酢酸ノルマル ― ブチル
- 酢酸ノルマル ― プロピル
- 酢酸ノルマル ― ペンチル(別名 酢酸ノルマル―アミル)
- 酢酸メチル
- シクロヘキサノール
- シクロヘキサノン
- 1・4 ― ジオキサン
- ジクロルメタン(別名 二塩化メチレン)
- N・N ― ジメチルホルムアミド
- スチレン
- テトラクロルエチレン(別名 パークロルエチレン)
- テトラヒドロフラン
- 1・1・1 ― トリクロルエタン
- トルエン
- ノルマルヘキサン
- 1 ― ブタノール
- 2 ― ブタノール
- メタノール
- メチルイソブチルケトン
- メチルエチルケトン
- メチルシクロヘキサノール
- メチルシクロヘキサノン
- メチル ― ノルマル―ブチルケトン
- 第三種
- ガソリン
- コールタールナフサ(ソルベントナフサを含む)
- 石油エーテル
- 石油ナフサ
- 石油ベンジン
- テレビン油
- ミネラルスピリツト(ミネラルシンナー、ペトロリウムスピリツト、ホワイトスピリツト及びミネラルターペン含む)
- 前各号に掲げる物のみから成る混合物
[編集] 受講資格
- 満18歳以上。
ただし、工業高校等は受講可
[編集] 技能講習
- 地域により頻度は異なるがおおむね数か月に1回(東京は月2回)程度行われている。カリキュラムは2日間の学科講習。実技はない。
[編集] 講習科目
- 健康障害及びその予防措置に関する知識
- 作業環境の改善方法に関する知識
- 保護具に関する知識
- 関係法令
- 修了試験