平均余命
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
平均余命(へいきんよめい)とは、ある年齢の人々が、その後何年生きられるかという期待値のことである。生命表で計算されている。
生命表には、10万人が生まれたとき、ある年齢に達するまで何人生存し、その年齢で何人が死亡するかが計算され、掲載されている。また、毎年10万人が生まれる集団において、ある年齢の人口が何人になるかも計算されている(これをその年齢の定常人口という。その年齢に到達する人数である生存数とは異なる)。
x歳での生存数をlx、x歳以上の定常人口総数をTxとすると、x歳での平均余命exは
で表される。
ただし、この数値は、現在の死亡状況が将来にわたって続くと仮定した場合のものである。医療の進歩や生活環境の変化によって、実際の平均生存期間は平均余命と異なってくる可能性は大きい。
また、ある有害要因(喫煙、放射線被曝など)によって平均余命がどの程度短縮されるか計算したものを平均余命損失といい、有害度の尺度として用いられることがある。
0歳での平均余命のことは特に平均寿命といい、国や地域の医療・衛生水準を示す指標として用いられている。乳児死亡率は他の年代の死亡率と比較して高率のため、平均寿命が平均余命の中で最長とは限らない。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 高島郁夫、熊谷進編 『獣公衆衛生学 第3版』 文永堂出版 2004年 ISBN 4830031980