小早
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小早(こはや)は、中世(戦国時代)から近世(江戸時代)にかけて使われた日本の軍用船の種類のひとつで、大型の安宅船と中型の関船とで三分される内で最も小型の軍船を指す。名称の“小早”は、“小型の早船(関船)”という意味である。
安宅船や関船のような総矢倉(楯板を張り巡らせた装甲)を持たず、半垣造りとよばれる足を隠す程度の低い垣立てを持つのみで防御力に劣るため、戦闘での役割は補助的であったが、その軽快な機動力を活かして偵察や伝令などの用途に主用された。櫓の数は概ね40挺以下である。
江戸時代、江戸、大坂間の海運にも使用された。正保年間、摂津国伝法村の商人が駿河国の廻船を傭い、海路、貨物を江戸に無事運漕したのを見た大坂、西宮、兵庫などの商人は、船を新造し、大坂廻船の基礎を築いた。200石ないし400石で、途中、各地に寄港し、航路は地廻りであった。
徳川家康が彦根の井伊氏に命じて水軍として備えさせた小早は朱塗で、中の障子は黒の塗縁、絹の腰板、24挺櫓。彦根から大津まで、湖上15里を2刻(4時間)で漕ぎ渡ったという。
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