太陽寺院
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
太陽寺院(たいようじいん)は、ニューエイジの神秘主義と環境保護を主張するカルト教団。正式名称:太陽伝説国際騎士団。1994年10月に スイス・カナダで集団自殺したとされ53人(うち子供16人)が死体で発見された。教祖を含め信者は高学歴の社会的な地位のある裕福な白人が多かったために世界に衝撃を与えた。
[編集] 概要
もともと教祖のリュック・ジュレは、テンプル騎士団や神秘主義に影響を受けたフランスの宗教団体に所属していたが、1980年代なかばに少数の信者を引き連れてスイスに移り独立した。また、後に№2となる元実業家が率いる別のカルトも吸収して、信者に終末思想をといた。そして裕福で教養のある人々を勧誘し、1986年にはカナダ・ケベック州に本拠地を移した。ここでも企業や小さな市や町で講演して信者を増やした。
しかし、1993年に銃の不法所持で強制捜査を受け、カナダを離れスイスに戻った。このころから財政問題の悪化が表面化し始め、この世の終わりを口にするようになった。1994年9月には幹部たちは決断したらしい。
10月5日、スイス・フリブール州のシェリー村の農家で23人が銃殺された。遺体の半分はビニール袋をかぶっていた。ヴァレ州のグランジュ・シュル・サルヴァン村でも25人が薬物を投与され焼死した(このとき教祖と№2も死亡した)。おなじく遺体はビニール袋をかぶっていた。そしてカナダの山小屋で5人の死体が発見された。
その後、1995年12月23日にフランス・ヴェルコールで信者16人(うち子供3人)が焼死体で発見された。1997年3月24日もカナダ・ケベックで信者5人が死体で発見されている。
[編集] 参考文献
- 『戦慄のカルト集団―11の狂気教団が引き起こした衝撃の殺戮劇 』 ジェイムズ・J・ボイル(著) 扶桑社