古厩智之
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
古厩 智之(ふるまや ともゆき、1968年11月14日-)は、日本の映画監督である。長野県塩尻市生まれ。長野県田川高等学校を経て日本大学藝術学部卒。
目次 |
[編集] プロフィール
日芸時代に撮った『灼熱のドッジボール』が、1992年ぴあフィルムフェスティバル(PFF)でグランプリ受賞。これでスカラシップ権を獲得し、1995年に『この窓は君のもの』で長編デビュー。だが当時古厩監督は、「映画監督になろうとも、就職しようとも考えてなかった」「もしグランプリを取らなかったら、絶対ニートになったかも」と、2005年秋に広島の映像文化ライブラリーにて開催された神酒大亮監督とのPFF関連のトークイベントで告白。
『この窓は~』は実家の長野から山梨を往復通勤しながらの撮影だったそうで、一人でやっていた自主映画とは違い、ベテランスタッフに囲まれた慣れない現場環境に加え、クランクイン直前のプロデューサー降板という混乱等も重なったことからかなりのプレッシャーに陥り、「現場が近付く度、お腹が痛くなった」とも前出のイベントで古厩監督は振り返っている。そのため、一時期本人曰く“監督拒否症”となり、助監督をやったり、遊園地で二年バイトしたり、とりあえずシナリオモドキを書いて仙頭武則プロデューサーのもとへ甘えに行ったりの惰性的な日々を送り、2001年に長編二作目『まぶだち』を撮るまで、結局六年を要している。
続いて高専ロボコンに出場する高校生達の青春を描いた『ロボコン』を03年に発表。 ブレイク前の長澤まさみをヒロインに抜擢している。
02年10月から放映された「ケータイ刑事 銭形愛」を機にTVドラマも手がけ始め、「ケータイ刑事 銭形シリーズ」には殆ど関わっている。シリーズ歴代監督が本人役で一斉に大集合した「ケータイ刑事 銭形零2ndシリーズ」第6話にも本人が出演したが、殺人事件の被害者役だった。 また、「BSアニメ夜話」(NHK BS2)にもゲストとして度々登場している。
[編集] エピソード
- 長澤まさみは初主演映画『ロボコン』撮影中に演技で思い悩んだ際、古厩監督から「 猿回しの猿になれ 」とアドバイスされ、それが女優という職業を強く意識するきっかけになったと、「メントレG」ゲスト出演時に振り返っている。
- 『灼熱のドッジボール』、『この窓は君のもの』両作品でヒロイン役を演じた清水優雅子は、古厩監督の当時のカノジョ。だが、『灼熱の~』撮影後に別れたため、『この窓は~』はやはり、複雑な心境を抱えながらの撮影だったとか。
[編集] 主な映画作品
- 捨て子の捨吉
- 鉄と鋼
- 灼熱のドッジボール(1992年)(ぴあフィルムフェスティバル グランプリ)
- 走るぜ(1993年)
- この窓は君のもの(1995年)
- Indies.B ボクサーと凧(1999年)
- まぶだち(2001年)(2001年ロッテルダム国際映画祭タイガーアワードグランプリ&国際批評家連盟賞)
- ロボコン(2003年)
- さよならみどりちゃん(2005年)(第27回ナント三大陸映画祭主演女優賞&銀の気球賞(準グランプリ))
- 奈緒子(2008年)
- ホームレス中学生(2008年)
[編集] 主なテレビ作品
- ケータイ刑事 銭形愛(2902年 - 2003年、BS-i)
- ケータイ刑事 銭形舞(2003年、BS-i)
- 恋する日曜日 LOVE ON SUNDAY「丘を越えて~Mayde Tommorow」、「ゆらゆら~バカンスはいつも雨」(2003年、BS-i)
- ケータイ刑事 銭形泪(2004年、BS-i)※1stシーズンのみ
- さそり 阿修羅編(2004年)BS-i)
- 68FILMS東京少女 「それっきりだった」、「原っぱ」(2004年、BS-i・BSフジ)
- ケータイ刑事 銭形零(2004年 - 2005年、BS-i)
- スパイ道「変型」(2005年、BS-i)
- 劇団演技者。 「家が遠い」(2005年、フジテレビ)
- 恋する日曜日 文學の唄 「晩菊」(2005年、BS-i)
- ケータイ刑事 銭形雷(2006年、BS-i)
- 恋する日曜日 ニュータイプ(2006年、BS-i)
- 神様からひと言(2006年、WOWOW)
- 恋する日曜日 第3シリーズ 「近くて遠い恋」、「お引越し」(2007年、BS-i)
- ケータイ刑事 銭形海(2007年 - 2008年、BS-i)※2nd&3rdシーズン
- 東京少女 セピア編「さよなら少女」(2008年、BS-i)
[編集] 著作本
- 青春ロボコン〜「理数系の甲子園」を映画にする〜 (04年1月23日 岩波ジュニア新書刊)