佐賀関
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佐賀関(さがのせき)は、大分県大分市の地名。旧北海部郡佐賀関町のうちで、佐賀関半島の先端近くのくびれた部分に位置する佐賀関港を中心とする地区を指す。
[編集] 概要
佐賀関地区が属していた旧佐賀関町は、近代には旧日本鉱業佐賀関精錬所(1916年操業開始)の企業城下町として栄え、特に高度経済成長期までは大分県内でも屈指の人口密度を誇る地域であった。しかし近年は若者離れによる高齢化・過疎化が著しく、2005年1月1日をもって大分市に編入合併した。当時、「佐賀関」という地名は町名のみに含まれていたため、佐賀関町の大分市への編入を以て「佐賀関」は一旦は消滅した。
しかし、地域住民の熱意により2006年4月1日に旧町の中心部であった関地区の大字名が「関」から「佐賀関」に変更されて、地名が復活した。
佐賀関地区は、167mと200mの巨大煙突を持つ銅製錬業の日鉱製錬佐賀関製錬所のある佐賀関港と関アジ・関サバをはじめとした高品質な水産品の水揚げ港である佐賀関漁港とを中心とする地区であり、古くから旧佐賀関町の中心部として栄えた。また、佐賀関港と四国・佐田岬の三崎港の間には、国道九四フェリーが就航している。
しかし、大分市中心部方面からのアクセスは曲がりくねった見通しの悪い一本道(国道197号)を車かバスで通る以外にほぼ選択肢はなく、交通インフラは脆弱である(かつては国道197号と並行するように、日本鉱業佐賀関鉄道も運行されていた)。そのため近年では、旧佐賀関町の中でも、半島の先端に近い佐賀関地区よりも、付け根に近いJR九州幸崎駅近辺の神崎地区の方が宅地開発により急速に活性化している。