一塁手
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一塁手(いちるいしゅ)は野球やソフトボールで、一塁(ファーストベース)を守る内野手。
英語のFirst basemanからファーストとも呼ばれる。守備番号は3。英略字は1B(1st Basemanから)。
[編集] 概要・役割
打球処理の際、ゴロでも近くのベースを踏めばアウトになるので肩力は必要なさそうに見えるが、バント処理時には投手や二塁手に転送する必要があり、また右翼からの送球を中継する時にも欠かせない。
ボールのキャッチや、打球捕球後の送球、牽制のタッチでは左投げの選手の方が有利であると言われている。右投げの選手は捕球後、体を90度回転させて無理な姿勢での送球になりがちだが、左投げの選手は自然体で投げることができる。また、牽制のタッチは右手にミットを持つほうが素早くできる。
いわゆる「ファーストミット」の使用が認められているポジションである。(公認野球規則で認められている、一塁手の使用できるグラブ・ミットの大きさは、捕手を除く他のポジションで使用できるグラブの上限値を超えているため。)
少年野球などでは、キャッチングに技術が必要であるため、比較的守備の上手な選手が守るケースも多い。また、高校野球では打力もある2番手投手が就くケースも多い。しかし、プロ野球では守るだけであればもっとも守備が楽なポジションとなっており、元遊撃手や三塁手が年齢的に厳しくなると一塁手に回されたり、打撃力はあるが守備能力が低い選手や、肩の衰えた外野手を打撃に専念させるためにコンバートするパターンが多いが、すべてがこの限りではなく、守備もうまく打撃も優秀な新しいタイプの一塁手も存在する。
一般に比較的身長の高い選手の方が、他の内野手からの送球を受けるポイントが早くなる為、有利とされているが、実際の選手編成にあたってそれほど考慮はされていない。また、体の柔らかさを駆使し捕球時に両脚を前後に目一杯開き両股を地面に付けるほどに体を伸ばして、他の内野手からの送球を受けるポイントを早めるいわゆる「タコ足」の捕球術があり、元プロ野球選手の中河美芳(イーグルス・黒鷲)や松原誠(大洋・巨人)はこの技術で有名であった。
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