ヴィリ
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ヴィリ(Vili もしくは Vilji)は、北欧神話に登場するアース神族の1人である。巨人女性のベストラと、最初の神ボルの間の息子であった。 彼の兄弟がヴェーとオーディンである。彼らは力を合わせて最初の巨人ユミルを殺害した。
ヴィリは最初の人間の男女に感情と知性を与えたことが知られている。
『古エッダ』の『ロキの口論』では、オーディンの妻フリッグがヴィリと性的関係を持ったことをロキに暴露された。
『古エッダ』の『巫女の予言』では、最初の人間の男性アスクと女性エムブラを作り出す際にオーディンと協力したのはヘーニルとローズル(en:Lóðurr)であった。しかし、『スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』においては、ヴィリとヴェーが2人の代わりに登場している。 スノッリ・ストゥルルソンは『巫女の予言』の内容を当然知っているため、「ヘーニル」がヴィリのもう1つの名前であった可能性はある。
[編集] 備考
ドナルド・A・マッケンジー『北欧のロマン ゲルマン神話』(東浦義雄、竹村恵都子訳、大修館書店、1997年)においては、ローズルが別名とされている。