レドーム
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レドーム(英: Radome 発音は「レードーム・レイドーム」)とは、レーダーとドームの2つの構造体から構成される。2つの単語のかばん語である。レイドームあるいは、日本ではレーダー ドームと呼称されることが多い。ドームは空中線を環境暴露(風、雨、雪、砂、氷、UVなど)から保護する目的を持ち同時に、空中線や電子機器を外観上隠す目的もある。ドームは従来の建築材料(鉄鋼、アルミニウム、レンガなど)を使用すると電波の大部分が空中線まで届かないため、電波の透過率が高い材質(グラスファイバー、テフロンなど)で作られる。また、稼働型のアンテナと周りの人員の接触を物理的に保護する目的もある。航空機などで空中線が必要な場合、空中線の空気抵抗を減少させる。
[編集] 地上施設のレドーム
地上施設のレドームは、おもに風雨降雪などの気象から空中線を保護する目的で建設設置される。電波のうち比較的高い周波数を用いるレーダーでは、風などによる空中線の微動が測定結果に大きな影響を与える。レーダーサイトや気象レーダーなどの施設で見られ、日本人には気象レーダーであった富士山レーダーが馴染み深い。骨格はバックミンスター・フラーが考案したジオデシック・ドーム理論に基づき設計されることが多く、内部の昼夜温度変化を嫌い太陽熱を反射する目的で外観を白く塗る場合が多い。
[編集] 航空機のレドーム
航空機のレドームは、飛行による風圧から空中線を保護する目的を持ち、防水や着氷防止を兼ねる。ジェット戦闘機の尖った先端部分(ノーズコーン)は概ねレドームであり、内部の可動式空中線を保護している。早期警戒機や早期警戒管制機では、機体背面に円盤型のレドームを持つ機体が多く、内部の回転式大型空中線を保護している。
機体背面にレドームを背負ったE1 早期警戒機 |
機体腹部に黒い流線型のレドームを持つC-12輸送機 |
機体先端のレドームを取り外し、空中線を露出したF4D戦闘機 |
ボーイング747機首先端の白いレドーム |