リン化アルミニウム
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リン化アルミニウム | |
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IUPAC名 | リン化アルミニウム |
別名 | |
組成式 | AlP |
式量 | 58.0 g/mol |
形状 | 暗黄色または暗灰色の結晶 |
結晶構造 | |
CAS登録番号 | [20859-73-8] |
密度と相 | 2.42 g/cm3, 固体 |
水への溶解度 | g/100 mL ( °C) |
融点 | >1,000 °C |
沸点 | °C |
出典 | 国際化学物質安全性カード |
リン化アルミニウム(リンかアルミニウム、英文名称Aluminium phosphide)は、リンとアルミニウムからなり、化学式AlPで表される無機化合物。大気中の水分と反応してリン化水素を生じる。
- AlP + 3 H2O → Al(OH)3 + PH3
- AlP + 3 H+ → Al3+ + PH3
[編集] 農薬
ドイツのデゲシュ社(de:Deutsche Gesellschaft für Schädlingsbekämpfung)によって開発された。タバコシバンムシやコクゾウムシに対する殺虫剤として、分解促進剤(炭酸アンモニウム)との反応によりリン化水素を発生させ、葉たばこや穀物・飼料倉庫、輸入農産物の薫蒸処理に用いられる。 日本では1959年12月25日に農薬登録を受け、デゲシュジャパン(商品名 - ティベック、ホストキシン)、昭和電工(フミトキシン)、帝人化成(エピヒューム)などから発売されている。
[編集] 毒性
日本の毒物及び劇物取締法により特定毒物に指定されている。経口摂取した場合は、直後には嘔吐・胸部圧迫感・昏睡などの症状が見られ、1日後頃からは肝・腎・心臓障害、代謝性アシドーシスなどの症状が現れる。
[編集] 参考文献
- 農薬毒性の事典(改訂版)2002年 三省堂 ISBN 9784385356044