ラ・グロワール
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ラ・グロワール(La Gloire)は、西洋初の外洋航行可能な甲鉄戦艦である。この艦はフランス海軍が建造し、1859年(クリミア戦争の直後)に進水した。装備したペクサン(Paixhans)砲とライフル砲は、その爆発性の砲弾により、木造船に対して極めて効果的であった。
設計は造船技師のアンリ・デュピュイ・ド・ローム(Henri Dupuy de Lôme)によってなされた。設計自体は普通の木造フリゲートで、排水量5630トン。アルへシラス級(classe Algésiras)に着想を得た設計で、砲を置く甲板はただ一層だが、船体はほぼ全てが喫水線まで120mmの錬鉄で覆われていた(ただし砲を守る部分のみ110mmまで薄くなっていた)。
その就役は、各国の海軍間に軍備競争を惹き起こした。なぜならラ・グロワールは既存の全ての戦列艦を陳腐化したからである。そして1860年、当時最強の海軍力を持っていたイギリス海軍が必然的にHMS ウォリアー(HMS Warrior)を完成させた。船体の木造部分が鉄板個所に比べ、急速に劣化したため、ラ・グロワールは1879年に除籍され、1883年に解体された。グロワール級には、他に二隻の船舶が含まれる。1862年に就航したアンヴァンシブル(Invincible)とノルマンディー(Normandie)である。
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[編集] 参考文献
Steam, Steel and Shellfire. The steam warship 1815-1905 Conway's History of the ship ISBN 0785814132