モービッド・エンジェル
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モービッド・エンジェル | |
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基本情報 | |
出身地 | アメリカ合衆国 フロリダ州 タンパ |
ジャンル | デスメタル |
活動期間 | 1984年 - |
レーベル | イヤーエイク・レコード ジャイアント・レコード トイズファクトリー ビクターエンタテインメント |
メンバー | |
トレイ・アザトース (ギター) デヴィッド・ヴィンセント (ボーカル、ベース) ピート・サンドヴァル (ドラムス) デストラクター(ギター) |
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旧メンバー | |
マイク・ブラウニング (ドラムス) ダラス・ウォード (ボーカル、ベース) リチャード・ブルーネル (ギター) エリック・ルータン (ギター) スティーヴ・タッカー (ボーカル、ベース) ジャレッド・アンダーソン (ボーカル、ベース) トニー・ノーマン(ギター) |
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モービッド・エンジェル (Morbid Angel) は、アメリカのフロリダ州タンパ出身のデスメタルバンド。
1989年のデビュー以来、常にデスメタルシーンを代表するUSブルータルデスメタルバンドである。宗教的雰囲気を感じさせる荘厳なリフと、ピート・サンドヴァルの高速ドラミング(ブラストビート)でも有名。ライヴアルバム「Entagled In Chaos」でも確認できるとおり、ただでさえ演奏の難しい楽曲をライヴでもほとんどミスをせずに演奏をする業界屈指の技巧派バンドである。「デスメタルの魔王」と呼ばれることもあり、その演奏能力やメンバーのミュージシャンシップから、同業界のバンドを始め多くのアーティストから尊敬されている。1990年代に入ってからもトレイとピート以外のラインナップは安定せず、しばしばメンバーの交代が行われてきた。
また、デス、オビチュアリー、ディーサイドらと共にフロリダを中心に活動を行い、カンニバル・コープス、サフォケイション、マルヴォレント・クリエイションらニューヨーク勢と共に、1990年代初頭のアメリカデスメタルシーンの創生期を支え、世界中のデスメタルバンドに影響を与えた。
彼らがレコーディングに使用したフロリダ州タンパのモリサウンドとそこを拠点に活躍していたプロデューサーのスコット・バーンスが作り出すサウンドは世界中のデスメタルバンドの憧れになり、世界中から次々とデスメタルバンドがレコーディングに訪れるようになった。
3rdアルバム『Covenant』を除いて、今までのフルアルバムは全て イヤーエイク・レコードからリリースされている。日本盤は初期はトイズファクトリー、それ以降はビクターエンタテインメントより発売されている。
目次 |
[編集] 略歴
- 1984年にトレイ・アザトース(ギター)、マイク・ブラウニング(ドラムス)、ダラス・ウォード(ベース)の三人で結成される。
- 1986年、デヴィッド・ヴィンセントのプロデュースにより『Abominations of Desolation』を録音し、デヴィッドがオーナーのレコード会社よりリリースする予定であったが、完成度に満足していなかったことに加え、録音後にメンバーが交代したため、結局リリースせずお蔵入りとなる(ただしそのうちの数曲はリメイクされ、後のアルバムに収録されることとなる)。その後、デヴィッドがバンドに加入する。
- 1988年7月4日に元テロライザーのピード・サンドヴァルが加入する。
- 1989年、1stアルバム『Altars of Madness』(邦題:狂える聖壇)をリリース。
- 1991年、7月に2ndアルバム『Blessed are the Sick』(邦題:病魔を崇めよ)をリリース。9月には1986年に録音していたアルバム『Abominations of Desolation』をリリース。メンバー曰く「音質の悪い海賊盤が出回っていたのを見かねて公式にリリースをした」とのことで、メンバーは公式の1stアルバムではないと否定している。
- 1993年、3rdアルバム『Covenant』をリリース。
- 1995年 4thアルバム『Domination』をリリース。
- 1996年 ライブアルバム『Entangled in Chaos』をリリース。デヴィッドが脱退する。
- 1998年 5thアルバム『Formulas Fatal to the Flesh』をリリース。
- 2000年 6thアルバム『Gateways to Annihilation』をリリース。
- 2001年、日本のラウドロックフェスティバルBEAST FEAST 2001に出演。
- 2003年 7thアルバム『Heretic』をリリース。
- 2008年 デストラクターが加入。
[編集] メンバー
[編集] 現在のメンバー
- トレイ・アザトース Trey Azagthoth - ギター
- 本名、ジョージ・エマニュエル・3世(George Emmanuel III)。正確にはアツィグトートと発音する[1]。
- MORBID ANGELのリーダー。アルバムではシンセサイザーも操り、ギターシンセ(ローランドのGK-2A)なども導入していることが写真から確認できる。アイバニーズ製ギターや、B.C.リッチ(特に真紅のアイアンバード)の使用で知られる。ギターテクニックはタッピングに加え、アーミングやワウペダルの使用を得意とする。これらのテクニックはヴァン・ヘイレンやジミ・ヘンドリクスに影響を受けているとのこと。
- アザトース(Azagthoth) の名は、1977年にハードバックが出版されたサイモン・ネクロノミコン(Simon Necronomicon) に由来し、一部の曲の歌詞はこの本に由来する。モービッド・エンジェルがクトゥルフ神話から直接的影響を受けているというのは間違い。日本のアニメファンで、特にらんま1/2がお気に入りらしくアルバムのサンクスリストに何故か入っている。既婚者。
- デヴィッド・ヴィンセント David Vincent - ヴォーカル、ベース
- テロライザーの1stアルバム『World Downfall』でベースを担当。モービッド・エンジェル脱退後は、ジェニトーチャーズに加入し活動していたが、2004年に再びモービッド・エンジェルに再加入した。
- デストラクター Thor Anders "Destructhor" Myhren - ギター (2008- )
- 2008年に加入。元ザイクロン、MYRKSKOGのギタリスト。
- ピート・サンドヴァル Pete Sandoval - ドラムス (1988- )
[編集] 元メンバー
- マイク・ブラウニング Mike Browning - ドラムス
- モービッド・エンジェル脱退後、ノクターナスを結成しイヤーエイク・レコードより2枚のアルバムをリリースしたが後に脱退している。
- Wayne Hartsell - ドラムス
- ダラス・ウォード Dallas Ward - ヴォーカル、ベース
- リチャード・ブルーネル Richard Brunelle - ギター
- Kenny Bamber - ボーカル
- Sterling Von Scarborough - ベース
- エリック・ルータン Erik Rutan - ギター
- 現在はALAS、ヘイト・エターナルでの活動のほか、フロリダに自分のスタジオMana Recording Studiosを持ち、インターナル・サファリング(Internal Suffering) 、カンニバル・コープス、ゴートホアなどのアルバムのプロデュースを行っている。モービッド・エンジェルの2006年のヨーロッパ・ツアーでは2ndギタリストとして、ライブ・サポートを務めた。
- スティーヴ・タッカー Steve Tucker - ヴォーカル、ベース
- ジャレッド・アンダーソン Jared Anderson - ヴォーカル、ベース
- トニー・ノーマン Tony Norman - ギター
- ライブでのヘルプギタリスト。また再結成テロライザーに参加した。
[編集] アルバム
- 1986年 Abominations of Desolation (1986年録音、1991年リリース)
- 1989年 Altars of Madness (邦題:狂える聖壇) (1st Album、2003年・2006年に再発)
- 1991年 Blessed are the Sick (邦題:病魔を崇めよ)(2nd Album、2003年に再発)
- 1993年 Covenant (3rd Album)
- 1995年 Domination (4th Album)
- 1996年 Entangled in Chaos (ライブアルバム)
- 1998年 Formulas Fatal to the Flesh (5th Album)
- 2000年 Gateways to Annihilation (6th Album)
- 2003年 Heretic (7th Album)
意図的に、アルバム名の最初の文字がリリース毎に、「A」からはじまり順に「Z」へ向かっている。なお、1991年リリースの『Abominations of Desolation』は『Blessed are the Sick』リリース後に発売された、ピート加入前のデモ音源のリマスターである。本人たちは正式なアルバムとして認めていない。