モンテレー
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モンテレー (Monterrey) はメキシコ第三の都市でありヌエボ・レオン州の州都である。
モンテレー市の人口は約114万人(2005年)。大都市圏を含めると人口は380万人を超え、メキシコシティーに次いで、グアダラハラとメキシコ第二の大都市圏の座を争っている。北部に位置し、比較的アメリカ合衆国との国境に近い。
場合によっては「モンテレイ」と表記されることもある。 近年、工業団地が出来、外資系企業の工場が多く、メキシコの他の都市と少し違った印象がある。
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[編集] 地理
東シエラマドレ山脈の麓に位置し、山がちな地形から「山々の町 (La Ciudad de las Montañas) 」として知られるが、中南米で一人あたりGDPでは最高額を誇る。シエラマドレ山脈は石灰岩(石灰)、堆積岩の山地で、主にジュラ紀と白亜紀の珊瑚や貝類の堆積であった。 寒暖の差が激しく、夏は気温が日中45度にもなる。冬は昼夜の寒暖の差が激しい。
[編集] 歴史
1577年、スペインからの植民により創設。17世紀には都市としての機能を整え始めた。メキシコ独立戦争以後、アメリカとの関係が強まり、テキサスがアメリカ領土となったあとは鉄道の拠点としてゲートウェイとなり経済的に豊かな都市となる。
1846年9月21日、米墨戦争では双方が多大な被害を出した激戦地となった(モンテレーの戦い)。石灰岩で作られた強固な砦をアメリカ軍の軽砲では破れず苦戦したが、数カ所で市内に突入したアメリカ軍兵士が住居を焼き討ちし攻撃。しかし市中のアメリカ軍兵をメキシコ側が捉え、捕虜として8週間の停戦を交渉し、その間にメキシコ側はモンテレーを明け渡した。この際、司教の館に立てこもって戦った将軍マリアーノ・エスコベードは英雄とされ、空港の名前になっている。
[編集] 交通
[編集] 空港
- モンテレー・マリアーノ・エスコベード国際空港 (General Mariano Escobedo International Airport)
- モンテレーにある二つの空港のうち、メイン空港として使われている。メキシコで最も近代的な空港と言われ、410万人の年間乗降客数を誇る。空港コードはMTY。米墨戦争の将軍マリアーノ・エスコベードにちなんで命名。
- デル・ノルテ国際空港 (Del Norte International Airport)
- 主にプライベートジェットと訓練用に使われている空港。空港コードはNTR。モンテレーの郊外アポダカにある。35年前にアメリカン航空によってこの地域初の空港として建設された。
[編集] 高速道路
- メキシコシティからアメリカ国境の町ヌエボ・ラレドまで南北に通る「カレテーラ・ナシオナル (Carretera Nacional) 」と、太平洋岸のマサトランからメキシコ湾岸のマタモロスまで通る「 (Autopista Interoceánica) 」の両方が十字に交差するように通る。
[編集] 教育
- モンテレー工科大学(Instituto Tecnológico y de Estudios Superiores de Monterrey、略称ITESM) - 「工科大学及び高等教育」という正式名称の示すとおり総合大学で、MBAコースなど中南米で最も充実したプログラムを誇る大学である。
- モンテレー大学(Universidad de Monterrey、略称UDEM)
- デル・ノルテ大学(Universidad del Norte、略称UN):カトリックの私立大学
- ヌエボ・レオン大学 (Universidad Autónoma de Nuevo León、略称UANL)
[編集] 観光
- 「司教の丘」と「司教の館」 (Cerro del Obispado / Palacio del Obispado) - モンテレー市街が一望できる丘の上に立つ「司教の館」は米墨戦争でも激戦地となった。夜景が絶景である。
- 政府庁舎 (Palacio de Gobierno)
- メキシコ史博物館
[編集] スポーツ
- スルターネス・デ・モンテレー - モンテレーを本拠地とする、メキシカンリーグに所属する野球チーム。ホームスタジアムは、エスタディオ・デ・ベイスボル・モンテレー。
- A1グランプリのレースが2006年2月26日にファンディドラ・パークにて開催された。