マリン・オールソップ
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マリン・オールソップ(Marin Alsop, 1956年10月16日 - )は、アメリカ合衆国の女性指揮者。2007年からボルティモア交響楽団の音楽監督に就任している。
[編集] 経歴
ニューヨーク、マンハッタン生まれ。両親は共にニューヨーク・シティ・バレエ管弦楽団の楽団員。イェール大学に進学した後、ジュリアード音楽院で修士・博士号(ヴァイオリン科)を取得。1989年、タングルウッド音楽祭クーセヴィツキー賞を受賞し、レナード・バーンスタイン、小澤征爾らに教えを受けた。
一方、1980年代にはジャズへの傾倒も示しており、1981年にビッグバンド、スウィング・ジャズを演奏する室内アンサンブル「ストリング・フィーヴァー(String Fever)」をニューヨークで立ち上げている[1]。1984年に組織したコンコーディア管弦楽団(the Concordia Orchestra)は、クラシック音楽のジャズ風演奏、ジャズミュージシャンによるオーケストラ作品の演奏や、ヘンデルのメサイアをゴスペル・ヴァージョンで演奏するなど、やはりジャズとのクロスオーヴァーを主体としている。
1993年からは12年間、コロラド交響楽団の音楽監督に就任。音楽監督というポストに女性が就くのは異例のことであったため、大いにマスコミの注目を集めた。またその在任中にユージン交響楽団(オレゴン州)の音楽監督及びリッチモンド交響楽団(ヴァージニア州)の副指揮者を兼任した他、セントルイス交響楽団へ頻繁に客演するなど客演の要請も多く、ヨーロッパにおいてもシティ・オブ・ロンドン・シンフォニア、ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団の首席客演指揮者を経験している。さらに2002年からはボーンマス交響楽団の首席指揮者に就任。2003年度グラモフォン誌「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」に選出、同年ロイヤル・フィルハーモニー協会の指揮者賞も受賞した。
これらの功績が評価され、2005年、ユーリ・テミルカーノフの後を継ぎボルティモア交響楽団の音楽監督に就任することが発表された。これによりオールソップは、アメリカで初めてメジャー・オーケストラの音楽監督を務める女性指揮者となった[2] 。当初、マネージメントサイドの一方的な決定であるとして楽団員側の一部に反発があったようだが、ほどなく解消されたらしく、2007年に正式に音楽監督に就任した。
録音活動にも積極的であり、NAXOS等から数多くのレコーディングが発売されている。特にアメリカのクラシック音楽を多数録音しており、代表的なものではサミュエル・バーバーの6枚の管弦楽曲集、かつて教えを受けたバーンスタインの作品集などがリリースされている。その他、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してのブラームスの交響曲全集(女性による初の全集)、武満徹の管弦楽曲集などがある。
[編集] 補足
- ^ ブロードベント兄弟によるストリングフィーバーとは無関係の団体。
- ^ ニューヨーク・タイムズ([1])を初めとするメディアによる。ただし、1998年にジョアン・ファレッタ(JoAnn Falletta)がバッファロー・フィルハーモニー管弦楽団(Buffalo Philharmonic Orchestra)の音楽監督に就任しており、バッファローフィルをメジャーオーケストラに含めるとすればファレッタが初の女性音楽監督であるとする主張も存在する。