ポーランド人
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ポーランド人は、ポーランドの主要民族。東ヨーロッパに広がるスラヴ系民族のひとつで、インド・ヨーロッパ語族スラヴ語派の西スラヴ語群に属するポーランド語を母語とする。ポーランド語名はPolacy、英語名はPoles。
民族名の起こりは、古代にポーランド平原を統一し、ポーランド王国の基礎を築いた西スラヴ人の一派ポラニエ族に由来している。ポラニエとは平原の民という意味で、日本語にも取り入れられている国名「ポーランド」(ポーランド語ではポルスカ)の語源となった。
ポーランド共和国の法律ではポーランド人という民族を定義する法規定はなく、ポーランドの国民が全てポーランド人であるとしている。しかしポーランド語と異なる言語を母語とし、ポーランド人と別の集団としてのアイデンティティをもってポーランドに居住しているカシューブ人などの少数民族も存在する。現在のポーランドでは、彼らは民族的少数派ではなく言語的少数派として扱われ、言語を守るための一定の権利を認められている。
[編集] 分布
総人口はおよそ3800万人で、ポーランドのほかドイツ、リトアニア、ウクライナ、ベラルーシなどに少数民族として居住している。また、ルーマニア、エストニアなどにもごく少数が居住している。これらの地域的な広がりは、ポーランドの歴史的な領域の変遷に由来するところが大きい。
さらに、18世紀末以降1世紀以上に渡ってポーランドが独立を失い、また第二次世界大戦後には長らく社会主義圏に入っていたことを反映して、ポーランド人の海外離散共同体がアメリカ合衆国、カナダ、アルゼンチンなどに散らばっており、その総数は約2000万人に及ぶ。現在ではイギリスへの移民が活発である。