ヘルマン・フローン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヘルマン・フローン(Hermann Flohn,1912年2月19日-1997年6月23日)は、ドイツの気象学者、気候学者、地理学者。20世紀を代表する気候学者として知られる。
[編集] 生涯
フランクフルトの生まれ。フランクフルト大学を卒業。大学では気象学や地球物理学、地理学を学ぶ。この頃就職状況が悪く、各地で気象学の無給の助手として働くなど下積みが続いた。1934年に地形学に関する論文で学位取得。28歳の時、ライプチヒで大気構造に関する分析を行う仕事に従事することができ、一つの転機となった。1946年にバートキッシンゲンの気象台に移る。後にビュルツブルク大学の地理学助教授として就任、1961年にはカール・トロールらの推薦により、ボン大学気象学教室の教授に就任。当地は世界有数の気象学教室となっていった。1977年に定年退官。1997年に85歳にて死去。
総観気候学と動気候学を大成し、大気大循環という気候システムを元に気候区分を試みた。特にアジアのモンスーンの研究は名高く、エルニーニョなど現在の地球規模での気象現象に関する研究でも欠かせないものとなっている。