ヘフナー・500-1
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ヘフナー・500-1 | |
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左がヘフナー社で最も有名なエレキベースの500-1 |
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メーカー/ブランド | カール・ヘフナー |
ボディタイプ | 中空ボディ |
カラーバリエーション | |
サンバースト | |
テンプレート | カテゴリ |
ヘフナー・500-1 (Karl Höfner 500-1, 500/1とも表記) は、ドイツの楽器メーカーであるカール・ヘフナー社が製造するエレクトリックベースである。通称、ヴァイオリンベースやビートルベースと呼ばれている。
ビートルズの元メンバーである、ポール・マッカートニーがデビュー前から愛用しているベースとして有名であり、少なくともポールは左利き用を1961年製と1963年製の2本を所有・愛用している。
[編集] 特徴
表面上の形状の特徴としては、小型であること、左右対称の形状であること、ヴァイオリンに形状が似ていることである。
内部的な特徴でいえば、ホロウ・ボディのため非常に軽量であり、ショートスケールでとても弾き易い。この構造が、音の周波数全体に重厚な音色を持つ独特の温かみのあるサウンドを出している。ピックアップのセレクトとトーンスイッチの操作、トーンボリュームの組み合わせで、丸いモコモコした音から中音域を鋭角的に強調した音まで、幅広くカバーする。スタンダードなジャズベースやプレシジョンベースとは一味もふた味も違った、500-1バイオリンベース独特とも言える個性的なサウンドで、一般的にベーシストが好むタイプの音色と言われている。逆に、音の輪郭がぼんやりとしてくっきりしないため、速弾き時にはベーシストとしてはドライブ感が味わえて気持ちが良いが、他のパートとしては合わせづらい面もある。
なおストラップの片方はネックとボディの間に巻き付けて結んで固定するという変わった仕様になっている。ヘッドに刻印されているヘフナーのロゴは、製造時期により縦書き(大文字)と横書き(大文字・小文字・筆記体)が存在する。
今でこそビートルズ人気に押されて高値が付けられているが、当時は廉価モデルとして発売されており、ポール・マッカートニーはそこも入手の理由に挙げている。そのためか分からないが現在では、廉価モデルの500-1も発売されている。
[編集] 誕生
1955年、ウォルター・ヘフナーは、フェンダー社やギブソン社が1950年代前後にエレクトリックギターの生産を始め、以前から考えていたエレクトリックベースについて、他のコントラバス等の生産ラインに乗せる事が可能なのではないかと考え、ギブソン社よりも高品質のバイオリン型エレクトリックベースの生産が可能であるとした。
翌年の1956年、ヘフナー社は、500-1型バイオリンベースを完成させた。