プリン (化学)
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プリン (化学) | |
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IUPAC名 | 7H-purine |
識別情報 | |
CAS登録番号 | |
PubChem | |
MeSH | |
SMILES記法 | C1=C2C(=NC=N1)N=CN2 |
特性 | |
分子式 | C5H4N4 |
モル質量 | 120.112 |
融点 |
214 °C |
特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 |
プリン (purine) は化学式C5N4H4、分子量120.1の含窒素芳香族化合物。「純粋な」を意味する英語 pure と、「尿の」を意味するドイツ語 Urin からの造語。
融点は214℃、密度は120.11g/mol、CAS登録番号は120-73-0である。
中性の水には溶けにくく、酸性あるいはアルカリ性にすると良くとける。アルコール等の極性溶媒によく溶けるが無極性溶媒には溶けにくい。4つのアミノ酸と二酸化炭素によって生合成されるが、工業的に生産することもできる。
目次 |
[編集] プリン体
アデニンやグアニンなどの核酸やヌクレオチドの骨格を構成する核酸塩基として広く生物中に存在している。生化学や栄養学ではアデニンやグアニンを中心としたプリンを部分構造として持つ生合成・代謝産物を総称してプリン体と呼ぶ。(記事 プリン塩基に詳しい)
プリン体は代謝されると痛風の原因物質の尿酸と成る為、痛風患者がプリン体を過剰摂取すると病状が悪化すると俗には言われている。
[編集] 歴史
ドイツ語の "Purin" は 1884年にドイツ人の化学者、エミール・フィッシャーにより、ラテン語の purum uricum (pure uric acid、純粋な尿酸)からつくられた造語である[1]。彼が最初にプリンの合成に成功したのは1899年で[2]、その合成経路の出発物質は、1776年にシェーレ (Scheele) によって胆石から単離された[3]尿酸 (8) だった。これを五塩化リン (PCl5) と反応させて 2,6,8-トリクロロプリン (10) とし、ヨウ化水素 (HI) と PH4I を作用させて、2,6-ジヨードプリン (11) へと変換した。最後に 11 を亜鉛粉末で還元し、プリン (1) を得た。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
[編集] 参考文献
- ^ Oxford Dictionary of English, Oxford University Press, 2003.
- ^ Fischer, E. Ber. Deutsch. Chem. Ges. 1899, 32, 2550.
- ^ Scheele, V. Q. Examen Chemicum Calculi Urinari, Opuscula, 1776, 2, 73.
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