フランス国家憲兵隊治安介入部隊
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フランス国家憲兵隊治安介入部隊(フランスこっかけんぺいたいちあんかいにゅうぶたい、仏語:Groupement D'Intervention De La Gendarmerie Nationale)は、フランス陸・海・空軍に次ぐ第4の軍隊である国防省国家憲兵隊に所属する対テロ特殊部隊であり、通称「GIGN」「ジジン」と呼ばれている。多くの出動実績があり、世界有数の対テロ特殊部隊であるといわれている。
1973年、パリで発生したパレスチナゲリラによる「サウジアラビア大使館占拠事件」を教訓として創設された。
公式発表によると、GIGNは1974年から1985年までの11年間で、650以上の作戦に参加したと言われている。その結果、500人以上の人質を救出し、1000人以上の犯罪者やテロリストを逮捕したとされている。また、12人以上のテロリストを「除去」したとも公表されている。
国家憲兵隊において3年以上の実務経験のある隊員から希望者を募り、厳しい選抜試験を経て採用される。隊員のほとんどは暴動対策を主要任務とする機動憲兵隊から選ばれる。
GIGNの装備は自動小銃、サブマシンガン、狙撃用ライフルなど多岐に渡るが、特徴的な装備として、マグナム弾を発射する回転式拳銃「マニューリンMR73」を使用している。対テロ部隊の中でも、回転式拳銃を主要装備とする部隊は珍しく、この銃が現在ではGIGNを象徴する装備となっている。
GIGNは政治的背景がある事件や、テロ事件への対処を主要任務としており、これに該当しない凶悪犯罪は、主に「フランス国家警察特別介入部隊」(RAID)が対処する。 海外での活動(軍事作戦)の際は、同じ国防省所属の陸軍の特殊作戦部隊第1海兵空挺連隊と連携して活動する。
また、他の特殊部隊には専門的な狙撃手がいるのに対し、GIGNでは全隊員が狙撃の訓練を受けるため、どの隊員でも狙撃手を担当できるとされている。
[編集] 構成
国家憲兵隊のGSIGN(国家憲兵特殊安全対策群)の隷下にある。
- 治安介入部隊司令官(国家憲兵隊少佐)
- 副官及び参謀(3名)
- 第1~第4突入部隊(1名の士官と15名の隊員で編成)
- 第1・第2突入部隊は自由降下訓練を、第3・第4突入部隊は潜水侵入作戦訓練を受けている。
4個部隊のうち最低1個部隊が24時間即応体制になっている。
[編集] 参加したとされる主な任務・作戦
- ジブチ共和国バスハイジャック事件 1976年
- クレーボー刑務所事件 1978年
- コモロ紛争 1992年
- エールフランス航空機ハイジャック事件 1994年
- アフガニスタン侵攻 (2001)(不朽の自由作戦) 2001年~?