フェノールフタレイン
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フェノールフタレイン | |
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酸性溶液中(pH<8.3)の構造(下記のデータはこちらの状態についてのもの) 塩基性溶液中(10<pH<13.4)の構造 |
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IUPAC名 | 3,3-bis(4-hydroxyphenyl)- 1(3H)-isobenzofuranone |
分子式 | C20H14O4 |
分子量 | 318.32 g/mol |
CAS登録番号 | [77-09-8] |
形状 | 白色または淡黄色固体 |
融点 | 261–263 °C |
フェノールフタレイン(phenolphthalein、PP と略すこともある)は、分析化学でもちいられる pH指示薬の一種で、無水フタル酸とフェノールから合成される白色または淡黄色の固体。IUPAC命名法では 3,3-bis(4-hydroxyphenyl)-1(3H)-isobenzofuranone、化学式は C20H14O4 と表される。分子量は 318.32、CAS登録番号は [77-09-8]。
水には非常に溶けにくい(水への溶解度: 約 0.0002 g/100 g (25 ℃))。 粉末のほか、エタノール-水の混合溶媒に溶かした溶液が試薬として市販されている。 フェノールフタレインをエタノールに溶かし、水で希釈したものは酸塩基指示薬としてアルカリ性の検出に用いられ、赤紫色(濃い桃色)を呈する。色の変化は、構造が変わることで起こり、pH < 8.3 の酸性側で無色、pH > 10.0 の塩基性側で赤紫色を示す。なお、pH > 13.4では、さらに構造が変化し、無色となる。
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[編集] 用途
フェノールフタレインは、酸塩基指示薬として化学の実験で広く使用されている。また、その性質を利用し、コンクリートの中性化検査などにも応用されている。
また、カドミウムや金の検出にも使用される。血液の検出にも用いられる (カスル=マイヤー・テスト (en))。