ピアノソナタ第15番 (シューベルト)
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フランツ・シューベルトのピアノソナタ第15番ハ長調D840は1825年作。通称(Reliquie(レリーク))と呼ばれ、未完成ソナタ作品ながら重要作とされている。 Reliquieは遺作・文化遺品の意味。実際出版されたのは死後の1861年で、作曲者の評価も一定していた。
4楽章構成。完成されているのは第一・第二楽章のみ。
穏やかながら転調の多い複雑な楽章。4分の4拍子。ソナタ形式で、主題は序奏なく冒頭から現れる。E-G-E-G-A-Gの旋律はハ長調には遠く、特徴的なもの。
臨時記号も多くハ長調から遠隔調に頻繁に変化を繰り返す。リズムも三連符に近い音形をシンコペーションで左手に表すなど、ソナタ形式の中に収まらない自由な展開部を持っている。
8分の6拍子。ハ短調。ロンドに近いソナタ形式。ユニゾンが多く、管弦楽的効果のある美しい楽章。第一主題はG-C、Es-D-Cの緩いリズム。第二主題は変イ長調。再現部ではハ長調で登場し、構成的な中に旋律美を際立たせている。
この楽章以降は未完で、作曲者もなぜか楽譜をぞんざいに扱った形跡がある。校訂・補注をつけたハワード・ファーガソンはその態度を惜しんでいる。パウル・バドゥラ=スコダによる補筆がある(ウィーン原典版)。
変イ長調。4分の3拍子。スケルツォ風の曲。下降音階を主題にした優雅な主題。急に遠隔調のイ長調に転調するなどロマン派の作品になっている。中間部は嬰ト短調。未完なので断片的にしか演奏できない。
ハ長調。4分の2拍子。3連符が中心の明るい楽章。ソナタ形式ながら主題部と展開部のごく一部までしか完成されていない。第一楽章同様に転調が多い。バドゥラ=スコダは、補筆版でコーダの最後に第1楽章第1主題を回想させている。