ハイアットリージェンシー歩道橋落下事故
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ハイアットリージェンシー歩道橋落下事故とは、1981年に、アメリカ合衆国のミズーリ州カンザスシティのホテル、ハイアットリージェンシシー内で起こった歩道橋の落下事故である。114名の命が失われ、200名以上が負傷した。事故当時において、建築物の崩落による事故としてはアメリカ合衆国で史上最悪のもとなり、世界で大きく報道された。
[編集] 概要
1981年7月17日午後7時5分、現場ホテルのロビーではダンスコンテストが開かれ、およそ2000人の人々で混雑しており、ロビー内の空中遊歩道も見物人であふれている状態であった。ロビー天井吹き抜け部分の遊歩道は2、3、および4階の位置に金属部品で吊り下げて設置してあり、そのうち4階部分は2階部分の真上に位置するように、また3階部分はそれより数メートルはなれて設置してあった。
しかし設計当初よりの強度不足に加え、建築途中で行われた設計変更時のミスが重なり、2階部分と4階部分の遊歩道の吊り下げ部分の構造は遊歩道自身の重みにかろうじて耐えられる程度までしか強度がなかった。結果、この二つの遊歩道は大量の観客の重みで落下し、子供を含む114名が死亡し、200名以上が負傷した。なお、設計にかかわった技術者たちはそのライセンスを剥奪された。
その後このホテルのロビーには、安全な遊歩道が設計から見直され、再建される。またこの事故をきっかけに、アメリカ全土で、より厳しい建築基準が設けられることとなった。