テトリス ザ・グランドマスター3 -Terror Instinct-
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ジャンル | パズルゲーム |
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対応機種 | アーケード |
開発元 | アリカ |
発売元 | タイトー |
人数 | 1人、2人(対戦、または同時プレイ) |
発売日 | 2005年3月 |
『テトリス ザ・グランドマスター3 テラー・インスティンクト』 (TETRIS THE GRAND MASTER 3 -Terror Instinct-) は、アリカ制作、タイトー販売のビデオゲーム。通称はサブタイトルの「Terror Instinct」の頭文字を取って『TI』(てぃーあい)と呼ばれている(または「THE GRAND MASTER 3」の頭文字から『TGM3』とも)。2005年にアーケードゲームとして登場した。
目次 |
[編集] 概要
基本的なシステムはテトリス ザ・グランドマスター同様、ブロックを消し続けて各モードに定められたレベルに到達するのが目的。
前作『テトリス ジ・アブソリュート ザ・グランドマスター2 PLUS』(通称TAP)からの主な変更点として、筐体ごとにプレイヤーデータが登録可能となった(登録の際の料金は課せられないが、ICカードなどに記録する方式を導入していないため、各店舗の筐体で個別に登録する必要がある)。
ルール面では、2002年版テトリスガイドラインの規定によりブロックを一時的に保存する「ホールド」要素が追加され、NEXTブロックの表示が従来の1つまでから3つに拡張された。また、ガイドラインに準拠した「ワールドルール」という新回転法則が追加された(アーケードで登場したテトリスにおいて、唯一ガイドラインに準拠したタイトルでもある)。ワールドルールの詳細についてはゲームシステムを参照。
今までのシリーズと同様、グレードとタイムを競うシステムは変わっていない。
[編集] ゲームシステム
この項目では今回追加された機能について説明している。TGMシリーズの基本となるゲームシステムはテトリス ザ・グランドマスターを参照。
[編集] ホールド
プレイ中、ブロックピースが硬直する前にホールドボタンを押すことにより、ブロックピースを保留する事ができる機能である。ホールド欄に保留されているブロックピースが無い場合はホールドの対象となったブロックピースがホールド欄に納められ、次のブロックが出現する。既にホールド欄に保留されているブロックピースがある場合はホールドの対象となったブロックピースと入れ替えられる。ホールドは一度使用すると、ホールド交換後に出現したブロックが硬直しない限りホールドを使うことができなくなる。
[編集] I.H.S(イニシャル・ホールド・システム)
ブロックピースが硬直した後、次のブロックが出現するまでにホールドボタンを押しっぱなしにしていると、ホールドに格納されているブロックピースが出現する。
[編集] プレイヤーデータ
筐体にプレイヤーの名前と4つのボタンで入力する6個のパスワードを設定しておく事により、個人データの成績を保存できるほか、プレイヤーデータを利用している場合でしか発生しないイベント「段位認定」をプレイすることができる。モードセレクト時にプレイヤーデータを読み込むかどうか聞かれるので、プレイヤー読み込みを選択したあと、名前と設定しておいた6個のパスワードを入力することにより個人データを取得することができる。また、プレイヤーデータ登録を行うとゲーム画面に新たに登録ネーム、各モードの個人成績、デコレーションの数が表示される。各モードの個人成績で記録される情報は下記の通り。
- EASY … 1回のプレイで打ち上げた花火の最大数
- SAKURA … 到達ステージの最高数
- MASTER … 段位認定で認定された段位(暫定段位は適用されない)
- SHIRASE … 今までのプレイで到達した最高段位
[編集] ワールドルール
世界基準の規定に基づき搭載されたゲームルール。前作までのゲームルールは「クラシックルール」として表記されて、モード選択時にワールドルール・クラシックルールを選択できる。(クラシックルールと比較すると、)上レバーを入力するとブロックが即設置・硬直(ハードドロップ)に変更されたほか、ブロックピースの色が世界基準となり、I型・O型を除いたブロックピースの回転軸が固定された回転法則になった。これに伴いスーパーローテーションが可能となり、TGMシリーズの回転法則ではあり得なかったブロック駆け上がりが可能となった。なお、ガイドラインでは設置から硬直までの間ずっとブロックピースを回転し続けたり移動したりしていると永久に固定されないインフィニテイがあるが、TIのワールドルールでは採用されてはいるものの、移動(8回)と回転できる回数(10回)が制限されている。また、I型に限り着地直前にスーパーローテーションで1ブロック上に押し上げることにより永久回転が出来るのだが、プレイ時間が15分を越えるとSHIRASEモード並みの速度に加速される(この仕掛けはTGMシリーズ共通)。
「テトリスワールド」「テトリスDS」など、特に2002年以降に販売されたテトリスは全てこのワールドルールを採用しているため、他のテトリスをプレイしているユーザーや、ワールドルール(ガイドラインの仕様)を理解している初心者でもほぼ違和感なくプレイできるメリットがあるが、その反面スーパーローテーションによる駆け上がりやインフィニティによる時間稼ぎが可能になって難易度が著しく下がっている事から、従来のTGMユーザーにはかなりの不評を浴びている。
[編集] クラシックルールの進化
ワールドルールに合わせる形でクラシックルールも3つのNEXTブロック表示+ホールドを搭載する形を取っている。その他にもIが一回だけ地形蹴りが可能になったため、右下がり階段では入ったI型が左下がり階段では入らない格差が改善される。T型ハマりと呼ばれていた現象が回避可能になるなど、細かい所で改善が見られている。
[編集] ゲームモード
このゲームには4つのゲームモードが収録されており、各モードによって達成条件・ブロックピースの落下速度が違っている。
どのモードも従来のTGMシリーズ同様、ブロックピースの出現・ブロックを消したライン数に応じてレベルが上がり、レベルが下二桁(x99)になるとラインを揃えるまで上がらなくなる。 一定のレベル数を達成したらエンディングになるシステムは変わっていない(ただし、SAKURAはクリア条件が全く違うため、レベルを上げてもゲームクリアにはならない)。
[編集] EASY
ブロックの積み方を誘導するナビゲーションシステムが搭載された初心者向けに設計されたモードである。ラインを消すごとに花火が上がり、ゲーム終了時にゲーム中に打ち上げた花火の総数が表示される。
このモードは200レベルを達成すると終了となり、ブロックフィールドが消されエンドロールがはじまる。また、エンドロール中でもブロックを消すと花火が打ち上げられ、総数に追加される。
このモードでのブロックフィールドを囲む枠は緑色に変化する。
[編集] SAKURA
アリカが開発したPS用ソフト「テトリス with カードキャプターさくら エターナルハート」のストーリーモードのシステムをベースとしたステージクリア型のゲームモードである。モード名もこの「さくら」から取っている。システムとしてはセガの「フラッシュポイント」に近い。
ステージ数は全20面あり、各ステージのブロックに設置されているプラチナブロックをすべて消す事によりステージクリアとなる。一定の条件を満たすことにより全7面のEXステージをプレイする事ができる。
各ステージには制限時間が設けられており、制限時間にクリアできなかった場合は強制的に次のステージへ移行する。ステージの制限時間と別にリミットタイムも設けられており、このリミットタイムがなくなるとゲームオーバーとなる。
このリミットタイムはプラチナブロックを1つ消すごとに1秒、ステージ中のクリアタイムが早ければ早いほど5~10秒が加算される。また、ステージ中スタートボタンを押すとリミットタイムが30秒減る代わりに次のステージに進むことができる。
このモードでのブロックフィールドを囲む枠はピンク色に変化する。
[編集] MASTER
グランドマスターを目指すこのゲームのメインモード。従来のTGMシリーズ同様、999レベルを達成する目的は変わっていないが、段位認定試験モードの追加やセクションタイムによってブロックピースの速度が変化するなどの変更点が加えられている。
このモードではGRSのという段位システムが搭載されており、プレイが終了した時点での時間・得点によってプレイヤーの段位が決まる。
最も低い段位である"9"から"1"まで続き、"1"の上は"S1"となり、これが"S9"まで続く。"S9"の上は"m1"になり"m9"まで続き、"m9"以上で"M(Master)"の段位を取得することができる。また、Master以上の段位が存在し、"MasterK"、"MasterV"、"MasterO"、そして最高段位は"MasterM"だと長らく思われていた。しかし2007年7月28日、ついに"GM(GrandMaster)"の存在が確認された。これにより
- "9"・"8"・"7"・"6"・"5"・"4"・"3"・"2"・"1"
- "S1"・"S2"・"S3"・"S4"・"S5"・"S6"・"S7"・"S8"・"S9"
- "m1"・"m2"・"m3"・"m4"・"m5"・"m6"・"m7"・"m8"・"m9"
- "Master"・"MasterK"・"MasterV"・"MasterO"・"MasterM"・"GrandMaster"
までの33段階の段位が確認されたことになる、しかし全ての段位が出尽くしたという確証はまだない。 段位はプレイ直後の段位はすべて暫定段位として扱われ、プレイヤーデータを使用している場合のみに発生する段位認定試験で指定された段位をクリアする事により段位として認定される。
このモードでのブロックフィールドを囲む枠の色は青色に変化する。
- 足切りタイム
- Lv500に到達した時点でプレイ時間が7分を超えると強制終了となり、そのままゲームオーバーとなる。プレイを続行するには7分以内にLv500を突破しなければならないが、段位認定試験では適用されない(ワールド・クラシック両ルールで共通しており、序盤のうちに上レバーの入力によるハードドロップを多用しないと突破は難しい)。
- ブロックピース速度の増加タイミングの変化
- 通常、ブロックピースの速度はLv200で一度減速し、Lv500を超えてはじめて20Gになるが、100ごとのセクションに到達した時点の成績により増加タイミングが違ってくる。成績が高成績であればあるほど20Gに突入するレベルが早くなる。最速でLv300で20Gに到達する事ができる。20Gへのレベル到達が早くなった場合、Lv200に設けられている減速が省略され、Lv200からもブロックピースの速度がさらに加速する。
- 段位認定試験
- プレイヤーデータを読み込んでいる場合のみ一定の条件を満たすことにより出現。段位認定試験モードに突入するとブロックフィールドを囲んでいる枠が金色に変化する。段位認定突入時に指定された段位に見合う成績を出す事により、指定された段位が正式な段位と認定される。また、段位認定試験では2人プレイ時に乱入対戦ができなくなると同時に足切りタイムによる強制終了が無効となるため、Lv500を突破する際7分を超えてのプレイも可能となる。
- 降格試験
- プレイヤーデータを読み込んでいる場合に降格試験が出現する事がある。段位認定試験と違い、開始時に試験の旨は明示されないが、自動的に対戦拒否となる為判別出来る。この試験で現在の認定段位を大きく下回る成績を出すと、認定段位が下がってしまう。
[編集] SHIRASE
スタート時から20Gとして始まる超上級者向けのモード(前作TAPのT.A.DEATHモードを継承している)。難易度はMASTERモードと比べると段違いに高い。1300レベルを達成するとクリアではあるが、ブロックピースの接着時間やブロックの消去時に発生するアニメーションの時間がMASTERモードより短縮されるため、クリアまでにかなりの瞬発力を求められる。また、このモードにはLv500を超えると仕掛けが発動する。
このモードでもMASTER同様GRSが搭載されているが、MASTERモードとは違い段位認定試験は存在せず、プレイ時に出した段位がプレイヤーデータのSHIRASEモード最高段位としてそのまま記録される。段位はLv100未満でゲームオーバーになると"9"となり、Lv100以降では"S1"から"S13"までが確認されている。
このモードでのブロックフィールドを囲む枠の色は赤色に変化する。
- 足切りタイム(Lv500)
- SHIRASEでも足切りが行われ、Lv500に到達した時点でプレイ時間がクラシックルールなら2分28秒未満、ワールドルールなら3分03秒未満でないと強制終了となり、プレイを続行できなくなる。
- あがるのかよぉ~
- Lv500を超えると発動する仕掛け、一定時間ごとにフィールドの最下段がそのままコピーされた段が追加され、全体が1段せり上がる。TAPに搭載されている「TGM+」モードと違い、ブロックの下に空洞ができてしまう事はない。このシステムはLv1000を超えると次の「ご先祖様」に切り替わり、上がらなくなる。なお、この名称はアリカホームページのSpecialコンテンツのSHIRASEムービーの説明文に明記されている。
- 足切りタイム(Lv1000)
- Lv1000でも足切りが行われる。プレイを続行するにはクラシックルールなら4分56秒未満、ワールドルールなら6分06秒未満でLv1000を突破しなければならない。
- ご先祖様,骨ブロック
- Lv1000を超えると発動する仕掛け。ブロックの形がすべて「[ ]」という記号になり、ブロックピースに付けられていた色がクラシックルールなら白色、ワールドルールなら緑色に全て統一される。またこのシステムはLv1300を到達した後のエンドロールでも適用される。このブロックは初めて作られたテトリスのブロックがコンピュータのテキスト「[ ]」で構成されていたのが元ネタとなっている。
[編集] エンドロール
各モード(SAKURA除く)に定められたレベルを達成するとブロックフィールドが消滅し、ブロックフィールド内でスタッフロールが流れると共にゲームが続行されるシステム。これは前作以前でも搭載されていたが、前作よりもエンドロールのパターンが増えている。なお、EASYおよびMASTERモードでは、エンドロールの内容も評価に影響する。
基本的にエンドロール中のブロックピースの速度は20G(最高速)で、スタッフロールとエンディング曲が終わり、最後にアリカのロゴが表示されるまでに一番上まで積み上がっていない状態を保持する事でエンドロールクリアと同時にはじめてゲームクリア(一般的には完クリと呼ばれる)となる。
エンドロール中にブロックが積み上がってしまうとゲームオーバーとなり、クリア扱いにはならなくなる(同カンスト)。また、エンドロールをクリア出来ない状態でランキングに入るとランキング画面の成績の下部に緑色のラインが敷かれる。ちなみにエンドロールをクリアすると燈色のラインが敷かれる。
エンドロールは現在のところ4パターン確認されている。
- EASYロール
- EASYモードのエンドロール。接着時間が緩やかな点を除くとMASTERモードの20Gの状態とほぼ同じである。
- 見えロール
- MASTERモードでのエンドロール。ブロックピースが硬直した後、一定時間が経つとそのブロックピースが見えなくなる。成績によって見えなくなる時間が違う。
- 消えロール
- MASTERモードで高成績だった場合に始まるエンドロール。移動中のブロックピース以外は完全に見えなくなる。
- ビッグロール
- SHIRASEモードのエンドロール。ブロックピースが縦2倍、横2倍の大きさで降ってくるBIGモードの状態でエンドロールが始まる。ブロックピース自体が見えなくなることはない。
[編集] TIでの噂・謎
今回もTAP同様、明かされていない要素がある。これらの要素は稼働してから1年以上経った今でも真相は明らかになっていない。
- SHIRASEモードの「S13」を超える段位があるという噂があるが、現在は確認されていない。前作TA(P)では1作目のTGMでゲーム画面中に表示されていた次のグレードへの目標スコアが削除されており、さらに今作ではTAPで表示されていた現在の段位とスコアが隠されたため、一体どのような条件でどのような段位になるかが全くわからなくなった。
- SHIRASEモードではLv1300を超えるレベルがあると噂されているが確認されていない。
- MASTERモードの終了時(レベル500・999をクリアするかゲームオーバーになったとき)にプレイデータを示す五角形のグラフ(レーダーチャート)および棒グラフが表示されるが、どのような内容かは一切説明されていない。公式サイトにも「自分のプレイの流れがプレイデータとして確認できる」と書いてあるだけで、一体これらのグラフが何の意味を表すかは明記されていない。
[編集] 関連項目
- 今まで業務用および家庭用で稼働・発売されたTGM以外のテトリス作品で、はじめて20Gが搭載されたテトリス作品である。