ダトニオ
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?ダトニオ | |||||||||||||||||||||
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ダトニオは東南アジアに生息するダトニオ科の魚の総称である。
[編集] 概要
ダトニオは最大の種で60cmに達する大型のスズキ目の魚である。黄色の地に黒い縞模様が入る独特の模様から「タイガーフィッシュ」と言う別名がある。体高が高く側偏するタイに似た体型が特徴。美しい体色と人に慣れる性質から観賞魚としての人気が高い。その海水魚のような外見と汽水に生息する種の存在からしばしば汽水魚として認識されるが、実際に汽水に生息するのはquadrifasciatus種とcampbelli種のみで、campbelli種は純淡水にも適応する。
[編集] 分類と種
先取優先の原則を根拠に、本属をCoius属とする説も提唱されている。
- シャム・タイガー(カンボジア・タイガー)
- 学名:Datnioides pulcher
- 体長60cm。タイ、カンボジアのメコン川、チャオプラヤ川、トンレサップ湖に生息する。古くから知られていたダトニオで、最も人気が高く珍重される種である。明るい黄色の地肌に太い6本の縞模様が入る。なお、タイ産の本種は乱獲と開発により減少したために捕獲が規制されており、流通するのはカンボジア産の個体が主流である。カンボジア産の個体は縞模様の縁が明瞭で、背びれの棘の部分に縞模様がかかるという違いがあり、シャム・タイガーと区別してカンボジア・タイガーと呼ばれる。大型の個体はアジアアロワナ並みの高値で取引される。
- ボルネオ・タイガー(スマトラ・タイガー)
- 学名:Datnioides microlepis
- 体長40cm。インドネシアのボルネオ島、スマトラ島に生息する。ボルネオ産の個体はpulcher種よりも一本多い7本の縞模様から「ダトニオ・プラスワン」、スマトラ産の個体は4番目の縞模様が不明瞭で一見pulcher種と同じ6本の縞模様に見えることから「ダトニオ・リアルバンド」とも呼ばれている。希少なpulcher種に比べて生息数が多いことから、ダトニオとしてはポピュラーな存在である。
- ニューギニア・タイガー(ニューギニア・ダトニオ)
- 学名:Datnioides campbelli
- 体長40cm。ニューギニア島のインドネシア領およびパプア・ニューギニア領にまたがって生息するダトニオ。上記二種と異なり汽水にも生息するが、純淡水で飼育可能。縞模様の縁が不明瞭で、地肌の部分にもしみのように黒い発色がある。
- メコン・タイガー(フォーバータイガー)
- 学名:Datnioides undecimradiatus
- 体長25cm。タイ、カンボジアのメコン川に生息する小型のダトニオ。同じ河川のpulcher種より上流の流れのある部分に多い。縞模様の数は6本であるが、pulcher種に比べると縞模様が細く、地肌の黄色も薄い。別名の「フォーバータイガー」は頭部と尾びれの縞を除いた4本の縞模様から。
- メニーバー・タイガー(シックスバンドタイガー)
- 学名:Datnioides quadrifasciatus
- 体長30cm。インド、マレーシア、インドネシアの汽水域に生息する。地肌は銀色でイシダイに似る。