スリュムヘイム
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スリュムヘイム(Þrymheimr)は、北欧神話に登場する巨人チアシの館である。その名前は「騒がしい家」を意味する。
スリュムヘイムはヨトゥンヘイムの山合いにあった。チアシが雷神トールに倒された後は、娘のスカディが一人で暮らしていた。
スカディは海神ニヨルドと結婚したが、彼女はスリュムヘイムに住みたいと言った。しかしニヨルドは自分の館ノアトゥンで暮らしたいと言った。そこで二人は7日ずつ交互に互いの館で暮らすことにした。しかしノアトゥンは港にあったため、スカディは海鳥の声がうるさくて眠れなかった。ニヨルドはスリュムヘイムで暮らす間、狼の遠吠えが我慢ならなかった。二人は離婚し、スカディはスリュムヘイムでまた暮らすようになった。
一説には、弓の神ウルとスカディが出会って意気投合し、スリュムヘイムで同居するようになったとも言われている。