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スバル・レガシィ - Wikipedia

スバル・レガシィ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

レガシィ(LEGACY)は、富士重工業(スバル)が生産する乗用車である。富士重工業の看板車種であり、ツーリングワゴンに関しては日本を代表するステーションワゴンとして知られている。

目次

[編集] 概要

レオーネの後継車種で、アルシオーネSVX販売終了以降は、富士重工業の旗艦車種である。4代目(BL/BP型)にて富士重工業初の日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞車となった。

「レガシィ(LEGACY)」とは、「大いなる伝承物」、「後世に受け継がれてゆく物」、もしくは「遺産」の意。オーストラリアのみ「LEGACY」という単語が戦争を想起させる[1]という理由から、現地名は「リバティ(LIBERTY)」となる。


[編集] 歴史

[編集] 初代BC・BF型(1989年2月-1993年10月)

スバル・レガシィ(初代)
RSタイプRA
 
 
ツーリングワゴン
 
RS(1993年ラリー・ニュージーランド優勝車)
 
メーカー {{{メーカー}}}
 
親会社 {{{親会社}}}
 
製造国 {{{製造国}}}
 
製造期間 1989年2月-1993年10月
 
設計統括 {{{設計統括}}}
 
デザイナー {{{デザイナー}}}
 
乗車定員 5人
 
ボディタイプ 5ドアステーションワゴン
4ドアセダン
 
ハイブリッド
 
エンジン 1.8L/2.0L/2.0Lターボ/2.2L水平対向4気筒
 
モーター
 
最高出力/トルク {{{最高出力/トルク}}}
 
最高出力 {{{最高出力}}}
 
最大トルク {{{最大トルク}}}
 
変速機 5MT/4AT
 
駆動方式 フルタイムAWD/FF
 
サスペンション 前/後ストラット
 
全長x全幅x全高 {{{全長x全幅x全高}}}
 
全長 4545mm
 
全幅 1690mm
 
全高 1395mm
 
最低地上高 {{{最低地上高}}}
 
ホイールベース 2580mm
 
車両重量 1350kg
 
乾燥重量 {{{乾燥重量}}}
 
総重量 {{{総重量}}}
 
最大積載量 {{{最大積載量}}}
 
燃料タンク容量 {{{燃料タンク}}}
 
燃費 {{{燃費}}}
 
 
データモデル セダンGTタイプS2
 
別名 {{{別名}}}
 
先代
 
後継
 
姉妹車/OEM いすゞ・アスカCX
 
車台共有車
 
同クラスの車 トヨタ・カムリ
日産・プリメーラ
ホンダ・アコード
マツダ・カペラ
三菱・ギャラン
 

[編集] 概要

当時の富士重工業は、好調なアメリカ輸出への過度の依存による組織の硬直化が進み、1980年代末、新聞等で公然と倒産の危機が報道されるほどの厳しい局面を迎えていた。

こうした反省に立ち、開発主管制度の導入、開発部門の連携の強化などの大規模な組織改革が断行され、開発コード「44B」として開発が進められたのが、初代レガシィである。

新開発のボディは、ウエッジシェイプ(くさび形)をモチーフに、ブリスターフェンダーを与え、各ピラーをブラックアウトすることで、航空機のキャノピーを連想させるもので、「アルシオーネ」と同じデザインディテール。ジョルジェット・ジウジアーロが関与したといわれている。特に4ドアセダンではデザイン上のアクセントとして、リヤウィンドウとクォーターウィンドウのグラフィックの下端を段付処理している。1991年のマイナーチェンジでこの「段付」の修正が検討されたが、大幅なプレス、ガラス部品の変更が必要なため断念したといわれている。レオーネと比較して全長で約140mm、全福で約30mm、ホイールベースで約110mm大型化した(4ドアセダン比)。レオーネに引き続き用意されたツーリングワゴンには、引き続き2段ルーフが採用され、最上級の「VZ」にはルーフレールが標準装備された(順次装着車種拡大)。輸出向けツーリングワゴンは、単に「ワゴン(WAGON)」と呼ばれ、2段ルーフではなくノーマルルーフである。

エンジンは新開発の水冷水平対向4気筒エンジン「EJ」型を搭載。「EJ20」のシリンダー・ブロック、シリンダー・ヘッドは「EA」型と同じく総アルミ合金製。ペントルーフ型燃焼室、センタープラグ配置、クロスフロー方式を採用。全車に4バルブヘッド、クランクシャフト5ベアリング支持、バルブ開閉機構にHLA(ハイドロリックラッシュアジャスター)、電子制御インジェクションを採用。さらにクランク角センサー、カム角センサー、ノックセンサーからの信号をECUで学習管理、点火時期を決定する電子制御点火方式を採用。

トランスミッションは、1.8L、2.0L、FF・4WDそれぞれのAT・MT用、それにセレクティブAWD・フルタイムAWD用の6タイプが用意された。

5速MT車はフルタイムAWDとなる。「RS」はリヤにビスカスカップリングLSDを備える。オートマチックトランスミッションは、油圧多板クラッチ「MP-T」をトランスファーに用いて、前後輪の回転差、車速、スロットル開度等から前後輪へのトルク配分を、前輪:後輪=6:4を基本に自動かつ無段階に変化させる「アクティブ・トルク・スプリット4WD(ACT-4)」を採用。

サスペンションはフロントがL型ロアアームを用いたコイル/ストラット、リヤがラテラルリンク2本を配したコイル/ストラットを採用。また、前後ロールセンターを結んだ「ロールアクシス」軸を最適化することによる「アンチダイブ・アンチスクォット・ジオメトリー」を採用。加速・ブレーキング時の車体の姿勢変化を少なくしている。

[編集] 年表

  • 1989年1月23日、アッパーミドルクラスの乗用車、レガシィ・シリーズを発表。翌2月1日から発売。
  • 1989年9月、「EJ20G」のカムプロファイル、ターボチャージャー変更により、オートマチックトランスミッションとのマッチングや、より実用域での扱いやすさを重視したセッティングの「GT」が登場した。折からの「バブル景気」で「ハイパワー4WDワゴン」という独自のカテゴリーを創造。爆発的なヒットの原動力になった。
  • 1990年5月、Bタイプへのマイナーチェンジに際して、モータースポーツ用ベース車両「RS type RA」のトランスミッションをクロスレシオに変更している。
  • 1991年6月、マイナーチェンジで後期型となり、AT専用セッティングの「EJ20D」と2.0L OHC「EJ20E」が新登場。きめ細かい燃料噴射制御が可能になったことで、ドライバビリティ、燃費が向上した。
  • 1992年6月、マイナーチェンジで「ツーリングワゴンBrighton220」、「Brighton220エアサス」を追加。
  • 1992年8月、STIからコンプリートカー「レガシィ ツーリングワゴンSTi」を200台限定発売。専用ECUの採用により、ターボチャージャーの最大過給圧を標準の450mmHgから650mmHgへ高め、4ドアセダン「RS」と同じ最高出力・最大トルクを発生。専用ATコントロールユニットも採用。

[編集] トピック

  • 発売から2年目の1990年、富士重工業の100%出資の子会社、「スバル・ワールド・トレーディング」が、S.I.A(スバル・オブ・インディアナ・オートモーティブ)」製の「EJ22E」搭載の左ハンドル「レガシィLSi」を国内で販売していた。本皮シート内装、サンルーフ、クルーズ・コントロールなどの高級装備が特徴。
  • 北海道小樽市タクシー会社「こだま交通」向けに、レオーネを引き継ぐかたちで2000cc・4WDLPG車が設定されていた。
  • いすゞ自動車へは4ドアセダンがアスカCXとしてOEM供給されていた。
  • 青森県警に初期型ブライトンや後期型TXなど、複数の白黒パトカーが存在した。その後2代目もかなりの台数が導入されていたが、3代目になると高速隊にRS30が2002年に導入され、プラモデル化されるなど話題を呼んだ。

  現在まで白黒パトカー、捜査用車両ともに警察への導入実績は根強い。

[編集] 2代目BD・BG型(1993年10月-1998年6月)

スバル・レガシィ(2代目)
セダン
 
 
ツーリングワゴン
 
グランドワゴン(輸出名アウトバック
 
メーカー {{{メーカー}}}
 
親会社 {{{親会社}}}
 
製造国 {{{製造国}}}
 
製造期間 1993年10月-1998年6月
 
設計統括 {{{設計統括}}}
 
デザイナー {{{デザイナー}}}
 
乗車定員 5人
 
ボディタイプ 5ドアステーションワゴン
4ドアセダン
5ドアクロスオーバーSUV
 
ハイブリッド
 
エンジン 1.8L/2.0L/2.0Lターボ/2.2L/2.5L水平対向4気筒
 
モーター
 
最高出力/トルク {{{最高出力/トルク}}}
 
最高出力 {{{最高出力}}}
 
最大トルク {{{最大トルク}}}
 
変速機 5MT
4AT
 
駆動方式 フルタイムAWD/FF
 
サスペンション 前/後ストラット
 
全長x全幅x全高 {{{全長x全幅x全高}}}
 
全長 4,595mm
 
全幅 1,695mm
 
全高 1,385mm
 
最低地上高 {{{最低地上高}}}
 
ホイールベース 2,630mm
 
車両重量 1,370kg
 
乾燥重量 {{{乾燥重量}}}
 
総重量 {{{総重量}}}
 
最大積載量 {{{最大積載量}}}
 
燃料タンク容量 {{{燃料タンク}}}
 
燃費 {{{燃費}}}
 
最小回転半径 5.5m
 
データモデル セダンRS
 
別名 {{{別名}}}
 
先代
 
後継
 
姉妹車/OEM
 
車台共有車
 
同クラスの車 トヨタ・カムリ
日産・プリメーラ
ホンダ・アコード
マツダ・カペラ
三菱・ギャラン
 

[編集] 概要

内外のデザインは元メルセデス・ベンツのチーフデザイナー、オリヴィエ・ブーレイが参加し、社内スタッフと共に作業を行った。ツーリングワゴンはキープコンセプトながら、水平のウィンドウ・グラフィックと前後を貫くキャラクターラインを基調とした安定感のあるスタイリングとなった。一方、4ドアセダンは6ライトのウィンドウグラフィックはそのままに、A、Cピラーのブラックアウト処理をやめ、リヤホイールアーチ真上のCピラー根元を太くすることで、視覚的な力強さを表現した。

初代と比較してボディの曲げ剛性/ねじり剛性の向上、ボディ・モノコックは、初代BC/BF型のキャリーオーバーで、全長が60mm延長されており、その中でも2,580mmから2,630mmへ50mm延長されたホイールベースにそのほとんどが費やされている。Bピラー直後のフロアが延長され、主に後席の居住性改善に主眼が置かれた。

車両重量は1,460kg(1993年ツーリングワゴンGT・4AT)に対して、1,460kg(1996年ツーリングワゴンGT・4AT)と、ボディサイズの拡大や安全対策の追加に伴う重量増を、ボディ各部材の見直しなどにより全モデルで30~40kg軽量化することにより対応した。

水平対向4気筒DOHCターボエンジン「EJ20G」は、シーケンシャル・ツインターボ採用の「2ステージ・ツインターボ」「EJ20H」へ進化。「2ステージ・ツインターボ」は、低回転域ではプライマリー・タービンのみで過給、高回転域で予め過給したセカンダリー・タービンも連続して(=Sequential)合わせて働くもので、A/R比はBC型「RS」の20に対し、低回転域:12、高回転域:24に設定し、高出力化と全回転域でのレスポンス・アップを狙った。インタークーラーは「EJ20G」の水冷式から、インプレッサと同じ空冷式に変更され、初代の水冷式から4.5kgの軽量化を果たしている。「EJ20H」は、BC/BF型「EJ20G」から一気に30ps、4.0kg-mの大幅なスペック向上を果たしたが、最大トルク発生回転数が1,000rpm上がり、この過渡領域回転数付近でいわゆる「トルクの谷間」が指摘された。 なお、あまり知られていないが、マイナーチェンジで登場した「EJ20R」を搭載したGT-B及びRSのMT車は、2ℓ車で初めて280馬力に到達した車である。

2.0LターボAT車に「VTD-4WD」を、それ以外のAT車に「アクティブ・トルク・スプリット4WD(ACT-4)」を搭載。2.0LターボMT車にはリヤにビスカスカップリングLSDを装備。

サスペンションは、初代のフロント・リヤ:コイル/ストラットの形式を踏襲。ジオメトリー変更、フリクション低減、ストローク延長などの熟成が行われた。また、リニア・コントロール・バルブ付ショックアブソーバーを全車種に採用。微小作動領域での減衰力の立ち上がりがスムーズになっている。また、ツーリングワゴン・ブライトン、ブライトン220には、車高調整、セルフレベリング機能付きのエアサスペンション、「EP-S」が用意された。

2.0Lターボ車に、すでにアルシオーネSVXで採用されていた「VTD-4WD」を採用。また、国産FF車としては初の「TCS(トラクションコントロールシステム)」も用意された。

ツーリングワゴン250Tをベースに、車高を上げ、フォグライト埋込のバンパーなど、クロスオーバー(オフロード踏破性とオンロードにおける快適性を兼ね備えた)的性格を与えた「アウトバック」を1995年からとしてアメリカ向けに展開。日本でも1995年8月、「グランドワゴン」として発売された。

[編集] 年表

  • 1993年10月7日、スバル・レガシィ・シリーズをフルモデルチェンジ、同日発売。
  • 1994年6月、モデルチェンジの際に消滅した1.8ℓエンジンが復活。
  • 1994年10月、「250T」登場。
  • 1996年6月、マイナーチェンジで後期型となる(Bタイプ)。ツーリングワゴンGT-B、4ドアセダンRS・MT専用エンジンの「EJ20R」が登場。当時流行していたリーンバーンエンジン「EJ20N」の追加や、すべてのエンジンの低フリクション化、効率向上が図られる。実に7種類ものエンジン・バリエーションを誇った。
    • GT-B、RSのサスペンションに、ビルシュタイン社製倒立式ダンパーを採用。フロント16インチベンチレーテッド、リヤ15インチベンチレーテッド・ディスク・ブレーキを装備。AWD全モデルに4センサー4チャンネルABSが標準装備になった。
  • 1997年7月、アクセルを離してもエンジン回転数が落ちない不具合を隠し、内密に処理されていたことが滋賀県警の捜査により判明(リコール隠し)。その他不具合も含め、延べ11車種147万台余りについてリコールを届け出た。[2]


[編集] トピック

  • マイナーチェンジ後のワゴン・GT-B、セダン・RSの前後サスペンションには、量産乗用車としては異例(国産乗用車としては初)のビルシュタイン社製倒立式ダンパーが採用されていた(GT-Bの「B」は、Bilsteinの頭文字「B」からきている)。この両グレードは、MT車が国産2リッター車で初めて280PSに到達したエンジンを搭載していたことも相まって人気を博し、富士重工業及びビルシュタインの当初予想を上回る売れ行きとなったことで倒立式ダンパーが品薄となったため、通常の船便に加えて急遽航空便を使用しての倒立式ダンパー調達が行なわれた。

[編集] 3代目BE・BH型(1998年6月-2003年5月)

スバル・レガシィ(3代目)
ツーリングワゴン(欧州仕様)
 
 
B4
 
ランカスター(輸出名アウトバック
 
メーカー {{{メーカー}}}
 
親会社 {{{親会社}}}
 
製造国 {{{製造国}}}
 
製造期間 1998年6月-2003年5月
 
設計統括 {{{設計統括}}}
 
デザイナー {{{デザイナー}}}
 
乗車定員 5人
 
ボディタイプ 5ドアステーションワゴン
4ドアセダン
5ドアクロスオーバーSUV
 
ハイブリッド
 
エンジン 2.0L/2.0Lシーケンシャルツインターボ/2.5L水平対向4気筒
3.0L水平対向6気筒
 
モーター
 
最高出力/トルク {{{最高出力/トルク}}}
 
最高出力 {{{最高出力}}}
 
最大トルク {{{最大トルク}}}
 
変速機 5MT/4AT
 
駆動方式 フルタイムAWD
 
サスペンション ストラット/後マルチリンク
 
全長x全幅x全高 {{{全長x全幅x全高}}}
 
全長 4,680mm
 
全幅 1,695mm
 
全高 1,515mm
 
最低地上高 {{{最低地上高}}}
 
ホイールベース 2,650mm
 
車両重量 1,460kg
 
乾燥重量 {{{乾燥重量}}}
 
総重量 {{{総重量}}}
 
最大積載量 {{{最大積載量}}}
 
燃料タンク容量 {{{燃料タンク}}}
 
燃費 {{{燃費}}}
 
最小回転半径 5.4m
 
データモデル ワゴン250T-B
 
別名 {{{別名}}}
 
先代
 
後継
 
姉妹車/OEM
 
車台共有車
 
同クラスの車 トヨタ・ビスタ
日産・プリメーラ
ホンダ・アコード
マツダ・カペラ
三菱・ギャラン
 

[編集] 概要

1998年6月に登場。このモデルチェンジで前輪駆動車が廃止され、全グレード4WDとなった。全幅を1695mmとし、先代に続き5ナンバーサイズを死守している。セダンはワゴンに半年遅れて発売され、新たに「B4」[3]のブランド名が与えられた。

BD/BG型に引き続き、EJ20型エンジン、及びEJ25型エンジンを搭載し、先代まで搭載されていた1800ccエンジンである「EJ18」は搭載されていない。ターボモデルでも先代に引き続き「2ステージツインターボ」を採用。また、ランカスター6では3000ccのEZ30型エンジンが追加された。その後EZ30型エンジンはB4とワゴンにも搭載された。EZ30型エンジンを搭載したB4の「RS30」は富士重工としては初の「大排気量セダン」となった。(EZ30エンジンは、アルシオーネSVXの3300ccエンジンであるEG33エンジンがベースではなく、前後長が短い新設計であり、このエンジンを積める前提でボディのエンジンルームが広く設計されていた。スバル1300G以来の、幅の狭いクランクシャフトベアリングが使用されている)

リアサスペンションがストラット式からマルチリンク式に変更され、リアのラゲッジスペースへのストラットタワーの張り出しをなくす事で、ラゲッジスペース(B4はリアトランクルーム)の最大容量は先代よりも大幅にアップしている。前モデルで好評を博したビルシュタインダンパーも引き続き上級グレードに採用されたが、リアサスペンションについてはマルチリンク式となって剛性が向上したことから通常型とされ、フロントのみが倒立式ストラットとなっている。

ちなみにこのモデルでは派生モデルとしてBH型のランカスターをベースにしたピックアップトラックスバル・バハというモデルが存在する。2002年に登場したこの派生車種は、レオーネのピックアップである「スバル・ブラット」の後継車とも言えるモデルで、北米でのみ生産、販売が行われており、BL/BP型にモデルチェンジ後も、2006年まで継続生産された。

プレミアム性の高まったこのモデルでは、ポルシェデザインが監修したエアロパーツを纏った限定モデルも存在する。「BLITZEN(ブリッツェン)」と名付けられたこのモデルは、2000年より毎年限定生産された。

またモデル末期にはSTIによるスペシャルチューニングを施された「レガシィS401 STi version」が400台限定で販売された。エンジンに熟練工による手組、バランス取りなどがなされる。これ伴いヘッドカバーも黒からシルバーと変更され、各シリアルナンバーが入っている。6400rpmで293psを発生させトルクは35.0kgm/4400~5600rpmと幅広い回転域で発生させる。車両形式も変更されGH-BESとなり車体番号はBES-002001から。またGD型インプレッサWRX-STIで採用される6速マニュアルミッションを搭載、ブレンボ社製のブレーキやS401専用パーツなどが与えられスペシャルモデルとしてふさわしい装備となっていた 286台で生産を終了した。[1]

BE/BH型発売直前の1998年4月23日にはアメリカ・コロラド州の公道で再び速度記録に挑戦し、1kmの区間平均速度で270.532km/hを達成し、レガシィ自らの持つ「ステーションワゴン多量生産車無改造部門」における世界速度記録を更新する。

この代から官公庁の公用車として採用されることが非常に多くなった。それまでは5ナンバーの130クラウンワゴンや、Y30セドリック/グロリアワゴンが幅をきかせていたが、クラウンワゴンは1999年に170系へのモデルチェンジに伴って大型化し、セドリック/グロリアワゴンは同じく1999年に生産中止となったため、その代替としての採用である。4代目では新車登場直後から導入されている。

[編集] 年表

  • 1998年4月23日 世界最速ワゴン記録更新(BH型)。
  • 1998年6月17日 BH型レガシィツーリングワゴンとランカスター発表、販売開始。
  • 1998年12月21日 BE型レガシィB4(セダン)発表、販売開始。ツーリングワゴンのグレード体型の変更(TS-R→TS-Rリミテッド・ブライトン→ブライトンS)
  • 1999年5月24日 年次改良。B型となった。ツーリングワゴンのターボ系にアルミ製ボンネットが採用された。「ブラックフェイスメーター」やツーリングワゴンにはB4・RSKのサスセッティングを移植し、スポーツシフトを搭載した「GT-B E-tune」を追加設定。外見ではホイールカラーやグリルの色などを変更している。GT-BのMT車を廃止し、MT車の設定をE-tuneに移行。
  • 1999年9月24日 ランカスターに「ランカスターADA」追加。
  • 2000年5月24日 年次改良。C型となった。ランカスターに「ランカスター6」追加。新開発水平対向6気筒3ℓエンジン「EZ30」を搭載。B4のターボ車にもアルミ製ボンネットが採用されたほか、ターボ系のMT車にも「ブラックフェイスメーター」が採用される。ツーリングワゴンは、ターボ系に専用バンパーが採用され、全グレードを対象にグリル意匠を変更とブラック系またはグレー系の内装色に統一される。B4のみの設定だったスペシャルレザーシートがワゴンにも設定された。GT-VDCには新デザインのアルミホイールを採用。またメーカOPのマッキントッシュのスロットがカセットからMDに変更された。
  • 2001年5月22日 ビッグマイナーチェンジ。D型となった。フロントマスクの大整形により六連星のエンブレムが復活。ターボ系は軽すぎるステアリングフィールを改めるため、速度感応型電子制御パワステから他エンジンと同じ回転数感応型パワステに変更。B4は、シート生地が全車変更され、サンルーフも設定された。。B4に2.5㍑NAの「RS25」追加。ツーリングワゴン「GT-B E-tune」を「GT-B E-tuneII」に名称変更。VDC-4WD標準装備モデルを廃止、VDCはメーカーオプション装備となる。
  • 2002年1月21日 B4に「RS30」、ワゴンに「GT30」追加。共にEZ30型3,000cc水平対向6気筒エンジン搭載。ホイールはターボ系と同様の物が採用された。グリルやリヤガーニッシュ、メーターなどもターボモデルとは異なる物に変更されている。
  • 2002年5月21日 一部改良により(アプライドモデルはD型から変わらず、D型後期と俗称されている)、カッパーオレンジマイカが廃止され、ジェットグレーメタリックを新設定。17インチタイヤの銘柄がRE010からRE040に変更され、インパネ上部の運転席側小型デフロスターの可変機構が廃止に。ターボの廉価仕様である「リミテッド」シリーズが登場。B4に「S」追加。B4としては初のSOHCエンジン搭載。
  • 2002年11月12日 STIによるコンプリートカー「S401 STi Version」を400台限定で発売。
  • 2002年11月27日 B4とツーリングワゴンにそれぞれ、ユーザーからの要望の多かった走りの装備を加えた「RSK S-edition」「GT-B S-edition」を設定 GT-B E-tuneII,RSKをベースにサスペンションがチューンされBBSホイールやインプレッサ22B-STi Versionで採用された22Bキャリパーが装備された。MT車ではヘリカルLSDが採用され、ステアリングのギヤ比が16:5から15:0に早められている。WRブルーマイカやスパークイエローマイカなどのボディーカラーが選択出来た。
  • 2003年5月23日 BP型ツーリングワゴン発表、販売開始。BE/BH型生産終了。北米生産車は2004年夏まで継続生産された。
  • 国内総生産台数 434,624台 (BE,BHを含む)

[編集] 4代目BL・BP型(2003年5月-)

スバル・レガシィ(4代目)
レガシィ・ツーリングワゴン tuned by STI
 
 
レガシィB4 2.0GT(パトカー仕様)
 
アウトバック2.5i(北米仕様)
 
メーカー {{{メーカー}}}
 
親会社 {{{親会社}}}
 
製造国 {{{製造国}}}
 
製造期間 2003年5月 -
 
設計統括 {{{設計統括}}}
 
デザイナー {{{デザイナー}}}
 
乗車定員 5人
 
ボディタイプ 5ドアステーションワゴン
4ドアセダン
5ドアクロスオーバーSUV
 
ハイブリッド
 
エンジン 水平対向4気筒「EJ」型
2.0L SOHC 16バルブ
2.0L DOHC 16バルブAVCS
2.0L DOHC 16バルブデュアルAVCSツインスクロールターボ
2.5L SOHC 16バルブ 可変バルブリフト

水平対向6気筒「EZ30」
3.0LDOHC24バルブデュアルAVCS+ダイレクト可変バルブリフト
 
モーター
 
最高出力/トルク {{{最高出力/トルク}}}
 
最高出力 {{{最高出力}}}
 
最大トルク {{{最大トルク}}}
 
変速機 5MT・6MT
スポーツシフトE-4AT、E-5AT
 
駆動方式 フルタイムAWD
 
サスペンション ストラット/後マルチリンク
 
全長x全幅x全高 {{{全長x全幅x全高}}}
 
全長 ワゴン:4,680mm
セダン:4,635mm
アウトバック:4,730mm
 
全幅 ワゴン&セダン:1,730mm
アウトバック:1,770mm
 
全高 ワゴン:1,470mm
セダン:1,425mm
アウトバック:1,545mm
 
最低地上高 {{{最低地上高}}}
 
ホイールベース 2,670mm
 
車両重量 1,330 - 1,540kg
 
乾燥重量 {{{乾燥重量}}}
 
総重量 {{{総重量}}}
 
最大積載量 {{{最大積載量}}}
 
燃料タンク容量 {{{燃料タンク}}}
 
燃費 {{{燃費}}}
 
 
 
別名 {{{別名}}}
 
先代
 
後継
 
姉妹車/OEM
 
車台共有車
 
同クラスの車 トヨタ・アベンシス
ホンダ・アコード
マツダ・アテンザ
 

[編集] 概要

欧州市場への対応、衝突安全性の向上、細部にわたるエクステリアデザイン処理のため、ボディの全幅を35mm増やしている。これにより、3代目まで維持してきた5ナンバーサイズから、3ナンバーサイズとなった。

ボディ剛性の向上、安全装備の充実、ターボ車、6気筒車のATの5速化を図りながら、アルミニウム等の軽量パーツや高張力鋼板を各所に導入したことで、グレードによっては100kg近くの軽量化を達成している。通常は衝突安全性や車体剛性の向上により重量が増える傾向にあるが、3ナンバー化によって対衝突設計の自由度が高まったこと[4]などから、安全性を向上させながらも軽量化を実現した。また、車体幅を増やした事で前輪舵角がより確保できるようになったため、最小回転半径は5.6m(BE/BH型)から5.4mに狭められており、取り回しの面ではむしろ向上している。


ターボエンジンが2ステージツインターボから初代以来のシングルターボに切り替わった。ただし初代とは異なりツインスクロールターボを採用。高回転型である水平対向エンジンとしては異例の、わずか2000rpmから最大トルクを発生する。また、ドライブ・バイ・ワイヤ機構「エレクトロニック・スロットル・チャンバー」を採用、全車電子制御式スロットル仕様となった。これらにより以前からのEJ20型エンジンも、圧倒的パワーに加えスムーズさや高燃費をも兼ね備える洗練されたエンジンとなった。また、エンジンに関しても既にスバル・インプレッサのSTIモデルで先行採用されていた「等長等爆エキゾーストマニホールド」を採用。これにより水平対向エンジンの宿命とも言われた「排気干渉」を防ぐとともに、燃焼効率の向上を果たした。なおインテークマニホールドは樹脂にすることでその複雑な形状を成型することに成功した。

海外では、2006年にドイツを中心として正規インポーター車として純正ディーラーオプションとしてLPGとのバイフューエルとなる[5]「エコマチック」が投入された。取り扱い全車種にLPGバージョンを設定したのは欧州スバルが最初である[2]

2007年には高速道路交通警察隊用のパトカーとしてB4の2.0GTが国費導入されており、近年の警察車両では珍しいMT車である。

[編集] 年表

  • 2003年5月23日 BL/BP型発表、BP型ツーリングワゴン販売開始。
  • 2003年5月23日 BL型B4販売開始。
  • 2003年9月9日 B4/ワゴンに3Lモデル「3.0R」、ワゴンに「3.0R ADA」追加。
  • 2003年10月22日 ワゴンに「アウトバック」追加。なお、アウトバックはワゴンからの派生モデルではなく、別物として扱われていた。
  • 2003年11月13日 2003-2004日本カー・オブ・ザ・イヤー(日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会主催)を受賞。富士重工製車種としては初めての受賞だった。
  • 2003年12月19日 国内販売累計が100万台を突破。
  • 2004年5月17日 年次改良。B型となった。A型では硬すぎたSpec B系のサスセッティングを変更した。車速感応式ワイパーやオーディオパネルのサイド部をアルミからアルミ調に変更された。B4に「2.0 CNG」追加設定。全グレードにメーカーOPのサイド&カーテンエアバッグやマッキントッシュオーディオを選択できるようになった。オーナーの好みで装備を選択出来た2.0GTカスタマイズエディションの廃止。
  • 2004年10月19日 B4/ワゴンに「3.0R Spec B」を追加設定。当初は6MTのみの設定、のちに5ATが追加された。専用チューンのビルシュタインダンパーや専用グリルやスポイラー、18インチのホイールの採用で通常の3Lモデルとは差別化を図った。
  • 2005年3月24日 世界累計生産台数が300万台を突破。ツーリングワゴンとB4に「2.0R B-SPORT」、「2.0i B-SPORT」、ツーリングワゴンにのみ「GT-II」、アウトバックに「2.5i S-style」を設定した。
  • 2005年5月24日 年次改良。C型となった。B4、ワゴンと共に取り付け位置によるサスセッティングが行われた。ヘッドランプの色味の変更、センターキャップに六連星を採用。「3.0R spec B」に5AT車、「2.0i」「2.0i Casual edition」に5MT車の追加設定、新ボティカラーの設定などが行われ、カーナビゲーションをDVDからHDD型式へと変更。
  • 2006年5月24日 ビッグマイナーチェンジ(後期型)。D型となった。内外装が変更され、「SI-DRIVE」を3.0R系、2.0GT系に採用。また、ボティのストラット部の補強、サスペンションにも大幅に手が加えられ、メーターをはじめインテリアの質感も大幅に向上した。足回りの改良は、結果として乗り心地の大幅な向上につながった。
  • 2006年8月8日 特別仕様車「tuned by STI」を設定。600台限定だった。
  • 2006年11月28日 B4/ワゴンに「2.0i B-sport Limited」「2.0GT SI-Cruise Limited」「3.0R SI-Cruise Limited」を追加設定。2007年3月末までの限定販売だった。
  • 2007年5月15日 年次改良。E型となった。「3.0R」、「2.0GT」、「2.0GT Spec.B」にスマートエントリースタートキーが標準装備され、「2.0R」のグレード名を「2.0R SpecB」にし、「3.0R SpecB」を廃止。先の「SI-Cruise Limited」をカタログモデル化した「2.0GT/3.0R SI-Cruise」の追加などが行われた。
  • 2007年8月7日「Tuned by STI」を発表し、同日より全国スバル店を通じ発売。専用のビルシュタイン社製ダンパーを採用したほか、タイヤサイズの変更(225/40R18)、フレキシブルタワーバーの採用など。先代D型同様、2008年2月受注分までの限定600台(ワゴン・B4合わせて)の販売予定であった。現在は完売している。
  • 2007年11月14日 ツーリングワゴン・B4・アウトバックに特別仕様車「Urban selection」を設定すると共に、ツーリングワゴンとB4に水平対向4気筒2500cc SOHCエンジン搭載車種「2.5i」を追加。
  • 2008年5月10日 年次改良。F型となった。「3.0R」「3.0R SI-Cruise」「2.0GT SI-Cruise」「2.0R Spec.B」を廃止、これにより水平対向4気筒2000cc DOHCエンジンのグレードは消滅。新たに運転支援システム「EyeSight」を搭載した「3.0R EyeSight」「2.0GT EyeSight」を追加。また先の「Urban Selection」で登場した「2.5i」をカタログモデル化し(「2.5i」「2.5i SI-Cruise」)SI-DRIVE搭載モデルを2.5リッターモデルにも拡大。同時にSUBARU50周年特別仕様車として、B4/ワゴンに「2.0i Advatage Line」を販売。2.0iに上級モデルで採用されている装備が付与されたモデルだった。
  • 5月14日 「究極のグランドツーリングカー」をコンセプトにしたSTI製コンプリートカー、「S402」を発表。
    • グランドツーリングカーを「究極」のものとするために「運転が上手くなるクルマ」を目指し、エンジン・シャシーにSTIによるチューニングが施されたほか、エクステリア 及び インテリアの随所に専用装備が採用されている。名前にちなんで、セダン・ワゴン 合計402台のみの限定生産である(室内とエンジンルーム内に シリアルナンバーを打刻したプレートが付く)。また、ディーラーに置かれるカタログの部数も非常に限られている。


[編集] 生産工場

[編集] テレビCM

[編集] 初代

  • 1989年1月:「もっと、クルマになる」挿入曲:「小五重奏曲マドリッドの夜警隊の行進」ルイジ・ボッケリーニ
  • 1990年10月:「GT維新」挿入曲:「Sailing」ロッド・スチュワート
  • 1991年6月:「Touring Bruce」ブルース・ウィリス♪「A house of gold」ケニー・ランキン
    • 7月:「Touring Bruce」ブルース・ウィリス♪「A house of gold」ケニー・ランキン
  • 1992年6月:「The Age of LEGACY」ブルース・ウィリス♪「The Answer」リッチー・サンボラ
    • 7月:「Wagon of Wagons」ブルース・ウィリス♪「The Answer」リッチー・サンボラ
  • 1993年2月:「Wagon of Wagons」ブルース・ウィリス♪「The Answer」リッチー・サンボラ

[編集] 2代目

  • 1993年10月:「LEGACY MY 1st.」ロッド・スチュワート♪「People get ready」ロッド・スチュワート
  • 1994年6月:「LEGACY MY 1st.(1.8LX)」ロッド・スチュワート♪「People get ready」ロッド・スチュワート
    • 10月:「LEGACY MY 1st.(250T)」ロッド・スチュワート♪「Tonight's the Night」ロッド・スチュワート
  • 1995年2月:「LEGACY MY 1st.(GT E-spec)」ロッド・スチュワート♪「Sailing」ロッド・スチュワート
  • 1996年2月:「2Stage Twinturbo 250ps(GT-V Limited)」ロッド・スチュワート♪「Sailing」ロッド・スチュワート
  • 1996年6月:「日本にはレガシィがある」
  • 1997年1月:「4seasons LEGACY(250T-B)」メル・ギブソン♪「So far away」デヴィッド・モーガン
    • 3月:「4seasons LEGACY(LEGACY DAYS)」メル・ギブソン
  • 1998年9月:「MY Reson LEGACY」メル・ギブソン♪「You light up my life 」デヴィッド・モーガン

[編集] 3代目

  • 後期型「3KEYS LEGACY」にはジェニファー・ロペスを起用した。♪「Ain't It Funny」ジェニファー・ロペス
  • 2002年3月:「私は、レガシィと走っている。」♪「Many rivers to cross(遥かなる河)」ジミー・クリフ

[編集] 4代目

[編集] 脚注

  1. ^ 第1次世界大戦後の1923年に設立された、戦争未亡人や孤児などの援助基金「Legacy Australia」(en:Legacy Australia)という団体がある。
  2. ^ http://www.sydrose.com/case100/138/
  3. ^ 「BOXER+4WD」の略。またイタリア語で高性能セダンを表す「Berlinetta 4Door」の略でもある。
  4. ^ BE/BH型では、5ナンバーという制約内で側面衝突への安全性を確保するために、Bピラー内に鋼棒を組み込むなど苦肉の策とも言える設計が一部に採用されており、それらも重量増加の一因となっていた。
  5. ^ LPGとガソリンを切り替えて使用できる。

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 外部リンク


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